個人的な読書の記録 面白かった本の紹介

2006年11月21日

「グレート・ギャッツビー」---村上春樹訳

「グレート・ギャッツビー」
著:スコット・フィッツジェラルド 訳:村上春樹 中央公論新社
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読後におそってくる荘厳な響き。
その余韻。
アフターダーク」でも余韻のことを考えていた。
余韻というのは音楽的な比喩というだけでなく
頭の中にあるこの響き。
そして、この響きこそがこの小説の核心ではないかと、そんな思い。
それは、ひとつの確かな幻影。
そして、僕らは、その幻影の中で生きている、ということ。
この小説が大切な小説であるということは
この響きに耳を澄ませることなんだと思う。

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2006年11月08日

「昭和住宅物語」---藤森照信

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「昭和住宅物語」
著:藤森照信 発行:新建築社
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敬愛する建築家である秋山東一さんのブログ紹介されていたのを見かけて
そういえば、読みたい本リストに並べたままほこりをかぶっていまだに未読であったことを思い出した。
これは良いきっかけと、さっそく読んだが、これは本当に面白かった。
語り口が軽妙でいい。
住宅設計に関わるものとしては、昭和という時代が生み出してきた傑作住宅とその設計者、時代背景が丁寧に描かれているのを興奮気味で読み終えた。

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2006年11月07日

「「間取り」の世界地図」---服部岑生

「「間取り」の世界地図」
著:服部岑生 青春出版社青春新書
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タイトルが大げさで読んでがっかり、という新書が少なくない。
この本も、「世界地図」とうたっているものの、それはまあ大風呂敷。
期待してはいけない。
けれども、日本人の「南面信仰」についてふれている下りが面白かったので
書き留めておこうと思う。

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2006年10月19日

「ティンブクトゥ」---ポール・オースター

「ティンブクトゥ」
著:ポール・オースター 訳:柴田元幸 出版:新潮社
amazon

きみは、ミスター・ボーンズに会ったかい?
きっと、ミスター・ボーンズは「ティンブクトゥ」に行ったに違いないのだ。
そう、ウイリアム・グレヴィッジ・クリスマスのもとへ。
そんなすてきな物語がここにある。

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2006年09月27日

「人間はこんなものを食べてきた」---小泉武夫

「人間はこんなものを食べてきた」
著:小泉武夫 日経ビジネス人文庫
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マルコメみそのCMで菅原文太さんとみそ蔵で語り合っている
小泉武夫さんは発酵学者。
ご自身も福岡県の酒造家の生まれというから、発酵のまっただ中で育った方なのですね。

さて、「ああ、野麦峠で薫製」の記事にいただいた
わきた教授からのコメントに、この方の名前がありました。
その時は、まだマルコメみそのCMも知らず、不勉強でこの方の名前を知りませんでした。
というわけで、読んでみた一冊です。

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2006年09月22日

「VectorWorks12で はじめるCAD」---五十嵐進

「VectorWorks12で はじめるCAD」
著:五十嵐進 出版:ソーテック社
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僕ら建築設計者、特にMacintoshユーザーが、
日頃からお世話になっている「VectorWorks」は
製図から、表計算、3DモデリングまでこなせるCADソフトだ。

CADとは、Computer Aided Design、つまりはコンピューターを使った設計ということ。
そして、コンピューターによる製図という意味で、
Computer Assisted Drawingの意味でも使われる言葉だ。
CAD(Wikipedia)

そして、拙ブログにも時々コメントを寄せてくださる
MADCONECTIONのiGaさんこと五十嵐進さんこそは
「VectorWorks」が「MiniCAD」と呼ばれていた頃から
我らユーザーにとって、知らぬものがない存在なのである。

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2006年09月21日

「名もなき毒」---宮部みゆき

「名もなき毒」
著:宮部みゆき 出版:幻冬舎
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ポール・オースターの「最後の物たちの国で」や
カズオイシグロの「私を離さないで」をSF小説という人がいるだろうか?
ハリー・ポッターシリーズは単なる児童文学だろうか?
「カラマーゾフの兄弟」は推理小説だろうか?

宮部みゆきは自らを大衆小説家だと言うに違いない。
そして、推理小説家だと。

でも、登場人物の描写は、ますます冴え渡る。
「私を離さないで」も「最後の物たちの国で」も「ハリー・ポッター」も「カラマーゾフの兄弟」も
SFとかミステリーという枠を飛び越えて、そこに登場する人物たちが、
いかに深く、そして、精緻に描かれていることか。
小説の楽しみ、醍醐味は、そこに描かれる人物に出会えることだ。
そして、そのためには、「人」は深く精緻に描かれていなくてはならない。

今回、宮部は筆は
「原田いずみ」という人物を描く。

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2006年09月20日

「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」---J. K. ローリング

「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」
著:J. K. ローリング
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僕は何も知らなかった。
第一巻はファンタジーと冒険あふれるお話でした。
でも、この第五巻には、うーんと、うなってしまいました。

というわけで、ハリーポッターです。

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2006年09月11日

「仕組まれた9.11」---田中 宇

「仕組まれた9.11」
著:田中 宇 発行:PHP研究所
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2002年4月9日発行のこの本を、僕は書店に並ぶと同時に買って読みました。

そして今日、すでに事件から5年、この本が世に問われて4年と4ヶ月が経ったわけです。

「アメリカは戦争を欲していた」という副題も過激です。
この本が出た2002年当時は、まだ、大量破壊兵器がイラクのどこかにあると、大勢の人が信じて疑わなかったからです。

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2006年09月06日

ハリー・ポッターを図書館で借りて読む

「ハリー・ポッターと賢者の石」を
図書館で借りて読みました。
何を今更、ハリー・ポッターなのか、と思われる方もおられるでしょう。

シリーズ第一作のこの本がイギリスで発売されたのが1997年。
日本語訳がでたのが1999年、映画化が2001年。

でも、恥ずかしながら、僕はハリー・ポッターの原作を、もちろん邦訳ですが、今まで読んだことがなかったのです。
映画だって、テレビで放映されたもので始めて見ました。
だから、決して、ハリー・ポッターフアンと言えるほどのものでもないのですが
その世界に、心惹かれるものがあるのですよね。

特に、映画は面白いですよね。

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2006年08月28日

「わたしを離さないで 」---カズオ イシグロ

「わたしを離さないで 」
著:カズオ イシグロ 翻訳:土屋政雄 出版:早川書房
amazon

「知らない」と言うことが、かくも切ないことであるのか。

日本生まれ、イギリス国籍のカズオ・イシグロの小説は
精緻な言葉の世界を通して、「知らない」「知らされない」をめぐり
切なく揺れ動く。

主人公、キャシー.Hは
幼少時代を語る。
彼女はもちろん知っている。
けれども、彼女はもちろん知りはしない。

「知らないでいる」ということは、かくも切ないことであるのか。

「知っている」とは何か?
「知らない」とは何か?

そして、僕らはいったい「何」を知っているというのだ。

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2006年08月26日

「「間取り」で楽しむ住宅読本 」---内田青蔵

「「間取り」で楽しむ住宅読本 」
著:内田青蔵 光文社新書189
amazon

戦前から戦後にかけての、貸家から持ち家への変遷をふまえ
住まいの中で間取りというものがどのように考えられてきたかを紹介している。
章立てで「玄関」「居間」「台所・食堂」「客室」「子供室」「寝室」「トイレ・浴室」と、それぞれの部屋について、歴史的な視点から、変わったもの変わらないものについてふれることによって、間取りっていったい何なんだろうという問題を、われわれに投げかけてくれる。

こうした歴史的な視点は、これから、家を作られる方には、常識にとらわれない自分にあった間取りを考えるきっかけを与えてくれるだろう。また、僕ら、間取りを考えることを仕事としている者にも興味深い内容になっている。

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2006年08月15日

「苔のむすまで」---杉本博司

「苔のむすまで」
著:杉本博司 出版:新潮社
amazon

杉本博司さんの名前を知ったのは
aki's STOCKTAKINGの「杉本博司展をまだ見ていないけど」でだった。
2005年11月の記事だから、ずいぶんと前になる。

結局、六本木ヒルズで行われていた展覧会には行けなかったけれど
この「苔のむすまで」はamazonから届いた。

それから毎日、この本の表紙を眺めていたのだけれども、
どうしても読む気が起きなかった。

本というのは、必ず、向こうからやってくる、そんな時間(タイミング)の中にある。

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2006年08月09日

「田舎で暮らす!」---田中淳夫

「田舎で暮らす!」
著:田中淳夫 平凡社新書
amazon

「だれが日本の『森』を殺すのか」なんていう、すごいタイトルの本も書いている著者の最新刊である。

この本は田舎暮らしの指南書であるとともに
田舎の暮らしと都会の暮らしを対比させることによって
暮らしとは何か?生きるとは何か?ということまで問うている本だ。

それは、冒頭にあるこんな言葉から始まる。

現代社会では村八分という言葉は死語になりつつあるが、地元の人々が行う村八分ではなく、移住者側が地域を無視する村八分は起きている。田舎に求めるのは自然環境だけで、人にも地域にもなんの世話も受けないと考える都会人がいるようだ。

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2006年07月19日

「一九七二」---坪内祐三

「一九七二---「はじまりのおわり」と「おわりのはじまり」」
著:坪内祐三 文春文庫
amazon

ひとつの時代の終わりとしての1972年。
ひとつの時代の始まりとしての1972年。
1972年を結節点として近・現代を読み解こうという試み。
雑誌「諸君!」の連載が2003年に単行本となり、最近文庫化された。

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2006年07月03日

「東京大学のアルバート・アイラー---東大ジャズ講義録・キーワード編」

「東京大学のアルバート・アイラー—東大ジャズ講義録・キーワード編 」
著:菊地 成孔 , 大谷 能生  出版:メディア総合研究所
amazon

歴史編」に続く「キーワード編」。
2004年度の東京大学の一般教養の授業としておこなわれた講義をまとめたもの。「歴史編」が前期で「キーワード編」が後期の授業となり、2冊で通年の講義を収録。

UAとのJazzAlbum「cure jazz 」がもうすぐ発売の菊地孔成と、大谷 能生 の東大講義録。

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2006年06月16日

「杉のきた道」---遠山富太郎

「杉のきた道」-日本人の暮しを支えて
著:遠山富太郎 中公新書-419(現在絶版)
amazon(古本あり)

新書というのは雑誌扱いで、よほどのことがない限り増刷はしないと聞いたことがある。
そこが、ハードカバーの書籍と大きく違うところだけれど
なかには、しっかりした内容のものもあり、そういう新書が雑誌のように扱われるのはいささか問題があると感じる。
この本も現在絶版であるが、とてももったいないことだと思う。

「杉のきた道」というタイトルであるが
生物学的に、日本に杉という植物が帰化したという話ではなく、
日本人が杉という樹木といかに生活をともにしてきたかを紹介してくれる本。

森林をいかす家づくりの会」は、千葉県南部の主に斉藤造林さんの杉材を使うことを念頭に置いて活動しているが、なぜ「杉」なのか?という問いかけなしには、会の活動はなりたたない。
そのためには、日本人と杉の関係についてしっかりと考える必要がある。
この本は、まさにそのための、最良のガイドブックではあるまいか。

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2006年06月12日

「アホウドリの糞でできた国—ナウル共和国物語 」---古田 靖

「アホウドリの糞でできた国—ナウル共和国物語 」
著:古田 靖 出版:アスペクト
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アホウドリから宝物をもらった
ひとつの島の物語。

アホウドリが珊瑚礁に落とし続けた糞が島になりました。
糞は燐鉱石という宝物になりました。
燐鉱石はお金に化けるのです。
海の向こうの大きな力が島を狙うようになります。
世界の戦争が終わり、宝物は自分のモノとなりました。
そうして、遊んで暮らせる、夢のような国が実現したのです。
でも、燐鉱石もいずれは枯渇するのです。

これまでナウル人は 自給自足の生活 労働を強いられる植民地生活 働かずに遊ぶ生活 しか経験していません。 信じられないことですが、 働いてお金をもらいながら生きていく という発想はなかったのです。

さて、どうなるのでしょうか、ナウル共和国。

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2006年05月30日

「ジム・ジャームッシュ インタビューズ」

「ジム・ジャームッシュ インタビューズ
  —映画監督ジム・ジャームッシュの歴史 」
出版:東邦出版
amazon

最新作「BROKEN FLOWERS」の公開にあわせて出版された
ジャームッシュの実質的なデビューである
1980年から2000年までのインタビューの邦訳。
ここで、僕に関心があるのは
彼の映画作りの方法論。

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2006年05月15日

父の不在

内田樹さんが
自らのブログで「村上文学の世界性について」と題して
村上春樹論を展開しておられるのを読んだ。

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2006年04月09日

「国境の南、太陽の西 」---村上春樹

「国境の南、太陽の西 」
著:村上春樹 出版:講談社
amazon

僕は、村上春樹の小説が好きだ。
しかし、一時期、全然読めなかったときがある。
読んでも、その世界にうまく入ってゆけなかったのだ。
それは、小説でいうと
ちょうど「ダンス・ダンス・ダンス」と、この「国境の南、太陽の西 」の頃になる。
足かけ5年、ずいぶんと長いブランクだ。
2冊とも、読んだには読んだのだが、まったく頭に入らなかった。
というわけでこの本を、もう一度読み返してみようと思った。
それは、村上氏がカフカ賞を受賞したのを機に、一度村上春樹をおさらいしておきたかったということと、先日の「村上さんに聞いてみよう330の質問」の中で、この小説が多くの外国の人の記憶に残る小説だということを知ったからだ。

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2006年03月30日

My Favorite Things---John Coltraneと「海辺のカフカ」

My Favorite Things---John Coltrane
1960年10月録音
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エリック・ドルフィとのコラボレーション(1961年)を経て
黄金のカルテットへとすすむその直前。

このレコードが名盤といわれるのは
その後、ライブでの定番レパートリーとなる
「マイ・フェヴァリット・シングス」の初演ということと
ソプラノサックスによるコルトレーン独自のモードの世界へ、大きく踏み出した記念碑としてだろうか。
最晩年の、長大なアドリブの洪水を知っていると、ここで聞かれるソロはかなり物足りない。
おまけに、黄金のカルテットに入れなかったアート・デイビスのベースは
ふらふらしていて、ちゃんとそこに座っていない。
それでも、僕はこの演奏がわりと好きで、よく聞いている。

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2006年03月11日

「現代落語論」---立川談志

「現代落語論」
著:立川談志 講談社
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先日の「落語ブームなんてしらねエ」以来
気になっていたこの本を読んだ。

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2006年03月07日

「ふりかえったら 風-3」---北山修

「ふりかえったら風--3」
著:北山修 出版:みすず書房
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結局、三冊の対談集を全部読んでしまった。
心理学とか精神分析とかには
昔から興味があったんだけれども、
それだけじゃなくて
やはり、僕は北山修が書いていることに共感しているんだということが
三冊読んだらわかった。

この対談集は、精神分析医としての対談(専門書の企画)も含まれていて
一般的ではないかもしれないし、やはり興味があるとは言っても
こういう世界の門外漢としては、理解を超えている部分もある。
そのなかでも、九州大学の学生との対話には
「ビーイング」と「ドゥーイング」という話が出てきて興味深かった。

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2006年03月04日

「音楽」---小澤征爾、武満徹

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「音楽」
著:小澤征爾、武満徹 出版:新潮文庫
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今年は武満徹没後10年ということで
初台のオペラシティなどで様々なイベントが企画されています。
武満徹に関する著作もいくつか出版されるようですね。
武満の書く文章は詩的で独特のトーンがあってとっても好きです。
しかし、詩的な言葉はとても幻惑的で、そこにいる武満徹という存在も
ここになき者として、そこにいたりします。
一方で素顔の武満、等身大の武満というものは、この本のような対談(なまの言葉)のなかにいるのだと思います。
学生時代に読んだ文庫本を掘り起こしてきて、もう一度読んでみました。

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2006年02月23日

「夢十夜」---夏目漱石

「夢十夜」
著:夏目漱石 岩波文庫、新潮文庫、角川文庫
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青空文庫

ついに明治の木にはとうてい仁王は埋っていないものだと悟った。

と、終わる、第六夜が好きだ。
10話とも珠玉の逸品なんだけれども、
高校生の時に読んで、それ以来、この短編集に心惹かれているのは
この第六夜があったからだと思う。

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2006年01月31日

The World According To Garp----John Irving

「ガープの世界」(上・下)
著:ジョン・アーヴィング 訳:筒井正明 新潮文庫
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ガープにとって世界とはこういうもの。
1978年に出版された小説は
主人公ガープの目を通して世界が描かれる。
でも、その世界は個人の偏見に満ちた世界。
そして、そこには愛される偏見も憎むべき偏見も
分け隔てなく描かれている。決して網羅的にではなく。

そして、家族。

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2006年01月30日

「ふりかえったら 風-1」---きたやま おさむ

「ふりかえったら 風-1」
著:きたやま おさむ 出版:みすず書房
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北山修の1968年から2005年の対談を
三冊の本にまとめた第一冊目。
なかでも、寺山修司との対談は出色。

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2006年01月21日

「辺境を歩いた人々」---宮本常一

「辺境を歩いた人々」
著:宮本常一 出版:河出書房新社
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宮本常一の仕事はとてつもない大海原のようだ。
あるいは荒野、大平原、いやいや砂漠。
そこを宮本常一は歩く、歩く、歩く。
僕にとって宮本常一は歩く人だ。

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2005年12月09日

「きょうの猫村さん」---ほし よりこ

「きょうの猫村さん」
著:ほし よりこ 出版:マガジンハウス
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ねこ部に所属されておられるshijimiさんから、ある日手渡された一冊の本は
今話題の猫村さん。
超脱力系の漫画かと思ったら、熱血猫のお話でした。
こんなに仕事の好きな猫がいたらいいのになあ、とう思うのは
まったくもってとんちんかん、なん、でしょう。

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2005年12月03日

「意味がなければスイングはない」---村上春樹

「意味がなければスイングはない」
著:村上春樹 出版:文芸春秋社
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村上春樹の新刊エッセイ。
季刊「ステレオサウンド」に連載されていたものが一冊の本になって出版されました。
かねてから、音楽についてのまとまった文章を書いてみたかったと語る
皆さんご承知の音楽好きであるところの村上春樹さんの、音楽への思いの丈が語られています。
シューベルトのピアノソナタは「海辺のカフカ」でも出てきたなあとか、
ブルース・スプリングスティーンのこと、
ブライアン・ウイルソンとビーチ・ボーイズのこと、
へそ曲がりなウイントン・マルサリス論。
などなど、どれも、興味深い内容のものばかりですが、
スタン・ゲッツについて語る村上の言葉が特に僕の胸に響きました。

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2005年11月08日

「新シルクロード 第4巻 -青海・カラホト」

「NHKスペシャル 新シルクロード 第4巻 --青海・カラホト」
編:NHK「新シルクロード」プロジェクト
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今年の初めから始まった「新シルクロード」は様々な論議を呼んでいます。
そうした人たちの声を聴くこと(読むこと)が出来るのも
ブログが僕らの生活にいかに浸透してきたかということの証なんだけれども
第7集の「青海 天空を行く」には、厳しい声が多かったですね。
かくいう僕も、厳しい言葉を選んでしまった方です。

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2005年10月26日

「告白」---町田康

「告白」
著:町田康 出版:中央公論新社
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或る夜、仕事を終えて家にたどり着くと
寝かしつけた子供たちから解き放たれた家人が、熱心に本を読んでいた。
聞けば、一度読み終え、もう一度読んでいるという、それは、
町田康の新作とのこと。
その夜以来、家に帰り我が顔を見るたびに、読め読めとの家人の進言。
うーん、町田康、そうそう、猫の話、よかったよね。
なんて、思っているし、「夫婦茶碗」はすごいと思ったよ、と
僕も結構なフアンなんだけれども、目の前に差し出された本は
総ページ数で670ページ以上にも及ぶ、著者、類にみない超大作なのであった。

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2005年10月20日

「アースダイバー」---中沢新一

「アースダイバー」
著:中沢新一 出版:講談社
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頭の中にあったプログラムを実行して世界を創造するのではなく、水中深くにダイビングしてつかんできたちっぽけな泥を材料にして、からだをつかって世界は創造されなければならない。こういう考え方からは、あまりスマートではないけれども、とても心優しい世界がつくられてくる。泥はぐにゅぐにゅしていて、ちっとも形が定まらない。その泥から世界はつくられたのだとすると、人間の心も同じようなつくりをしているはずである。

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2005年09月28日

「段ボールハウスで見る夢」---中村智志


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「段ボールハウスで見る夢」
著:中村智志 出版:草思社
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吾妻ひでおの「失踪日記」のエントリーにTBをくださった
村上知奈美さんのブログ、☆ブログ版☆ 「東京ホームレス」にうかがった時に
この本のことが話題になっていた。
あー、そういえば、ずいぶん前だけれども
この本の存在を知って、読んでみたい本のリストとしてどこかにメモ書きしたままだったことを思い出す。

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2005年09月16日

「東京奇譚集」---村上春樹

「東京奇譚集」
著:村上春樹 出版:新潮社
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アフターダーク」からちょうど一年。
雑誌「新潮」に連載された4つの短編に一遍の書き下ろしを加えた本書が刊行された。
15日発売だけれども14日の夕方には書店に積まれていたのをさっそく購入。
その日のうちに読了。
読了後、「アフターダーク」でかわされた、マリと高橋のこの会話をすぐに思い出した。

「何かを本当にクリエイトするって、具体的にいうとどういうことなの?」 「そうだな・・・音楽を深く心に届かせることによって、こちらの身体も物理的にいくらかすっと移動し、それと同時に、聴いている方の身体も物理的にいくらかすっと移動する。そういう共有的な状態を生み出すことだ。たぶん。」

村上ワールドは、さらに一歩も二歩も深遠な場所に、僕らを連れて行ってくれる。
読んだあとに「物理的にいくらかすっと移動」した感覚になる小説集。とっても、不思議な余韻をもった小説集。

収録されているのは
「偶然の旅人」
「ハナレイ・ベイ」
「どこであれそれが見つかりそうな場所で」
日々移動する腎臓のかたちをした石
「品川猿」

東京奇譚集 公式HP

<以下、内容にふれます>

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2005年09月07日

「ECMの真実」---稲岡 邦彌

「ECMの真実」
著:稲岡 邦彌 出版:河出書房新社
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ECMはレコード会社の名前だ。
大変個性的な音づくりで知られる。
「あれ、これECM風だねえ」なんて思っていると
それは本当にECMのレコードだったりする。
たぶん、ECMのレコードは、誰が聴いてもその特徴的な響きを聞き取ることが出来るのではないだろうか。
この本は、そんなECMの生い立ちから現在の地位を築くところまでを
日本人である著者が、ECMのレコードを日本で売り出す経験を通して描かれている。
加えてECMをつくってきたミュージシャンや関係者へのインタビューも収録されており、ジャズのレーベルのひとつとして発足したECMが、いかにして独自の世界を持ちながら商業的に成功したのか、その裏側を覗くようで読んでいてとても楽しかった。

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2005年08月08日

「ナショナル・ストーリー・プロジェクト」---ポール・オースター編

「ナショナル・ストーリー・プロジェクト」
編:ポール・オースター 訳:柴田元幸他 出版:新潮社
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ポール・オースターの呼びかけで
集まった数々のストーリー。
「私たちの物語を送ってほしい」
「ただし、条件がある。短い、本当に起きた話でなくてはならない。」

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2005年07月30日

「ビル・エヴァンスについてのいくつかの事柄」---中山康樹

「ビル・エヴァンスについてのいくつかの事柄」
著:中山康樹 出版:河出書房新社
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今年はビル・エヴァンス没後25年ということで
ビル・エヴァンスの本がまた出ていた。
書いているのは、マイルス本をやたら連発している中山康樹。
マイルス本同様のあの口調で書いているに違いないと、最初は敬遠していたが
実は違った。

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2005年07月02日

おとぎ話を語ることと設計について--「空腹の技法」から

オースターの「空腹の技法」のなかにおさめられている
インタビューで、
オースターが興味深いことを言っているので、引用してみよう。

私の作品に一番影響を与えているのは、おとぎ話、つまり物語を声に出して語りつたえる伝統だと思う。グリム兄弟、千夜一夜物語、子供に読んで聞かせる類いの物語だ。いわば語りの骨子だけで出来ていて、細部はろくにないのに、膨大な情報がわずかな時間にわずかな言葉で伝達される。おとぎ話が証明しているのはおそらく、読み手にーーあるいは聴き手にーー物語を語っているのは読み手や聴き手自身だということだろう。テクストは想像力のスプリングボードにすぎない。「昔むかし、ある女の子が、大きな森のはじっこでお母さんとくらしていました。」少女の顔立ちも、家の色もわからないし、お母さんは背が高いか低いか、太っているかやせているかもわからない。わからないことだらけだ。だが、そうしたことを我々の頭は空白のままにしておかない。自分で細かい点を埋め、みずからの記憶や体験に基づいてイメージを創る。だからこそ、この手の物語は、我々のなかでこれほど深く反響する。聴き手が物語に積極的に参加するんだ。

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2005年07月01日

ヴェンダースとオースター

空腹の技法」の最後の最後に
オースターがヴェンダースから手紙をもった話が出てくる。
手紙の内容は、ヴェンダースからの熱烈なるオースター小説へのラブコールだ。
そして、二人は出会い友達となる。
当時、ヴェンダースは「夢の果てまでも」の撮影でオーストラリアにいた。
そして、まったく別のつながりで(雑誌エルの企画で)、オースターは「夢の果てまでも」に出演していたジャンヌ・モローとの対談をおこなうことになる。
オースターはわれわれの日常にいつでも起こっている、こうした偶然に注目する。
そこにあるのは、偶然に振り回されるのではなく、偶然の喜びを享受するという生き方だ。

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2005年06月30日

「空腹の技法 The Art of Hunger」--ポールオースター

「空腹の技法 The Art of Hunger」
著:ポール・オースター 訳:柴田元幸、畔柳和代
新潮文庫 →amazon

オースターのエッセイ集。
The Art of Hungerというのは、The Art of Fuga(バッハ)のパロディに違いない。
しかし、読んでみるとそんなに軽いものではない。
第一部は現代フランスの詩を中心とした硬質な文芸論集。
第二部はオースターが翻訳したり関わった書物の序文集。(これも硬質な文芸論)
そして第三部がインタビューとなっている。
オースター好きならば第三部のインタビューは興味深く読めると思うが
その他はかなりきつい。
きついといいながら読んでみるとかなり面白い。

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2005年06月15日

「鍵のかかった部屋」---ポール・オースター

「鍵のかかった部屋」
著:ポール・オースター 訳:柴田元幸 白水Uブックス--海外小説の誘惑
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主人公の元に幼なじみファンショーの妻から手紙が届く。
ファンショーの失踪。そして、彼は自らが残した膨大な未発表の著作を主人公に託すように妻に言っていた。
発表する価値があるかないか。もし、なければすべての原稿は破棄する事。
しかし、原稿は発表され、世間の反響をよぶ。

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2005年06月10日

「バカなおとなにならない脳」---養老孟司

「バカなおとなにならない脳」
著:養老孟司 出版:理論社(よりみちパン!セ)
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僕らの養老先生が子どもたちの質問に答えます。
長くなりますが、ちょっと引用。

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2005年06月07日

「日々移動する腎臓のかたちをした石」---村上春樹

「日々移動する腎臓のかたちをした石」---村上春樹

東京奇談集4として、「新潮 6月号」に発表された
村上春樹の最新短編。
リアルタイムで(単行本になる前の雑誌の段階で)小説を読むなんて、
「へるめす」で連載していた大江健三郎の「治療塔」以来。
タイトルに引きつけられ、冒頭を読んでさらに引きつけられる。

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2005年05月31日

「東京大学のアルバートアイラー」---菊地成孔+大谷能生

「東京大学のアルバートアイラー」
著:菊地成孔+大谷能生 出版:メディア総合研究所
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UAの「SUN」で、サウンドに広がりと奥行きを与えている
マルチ(!)サックス奏者の菊地成孔は
昨年(2004年)の(UAのツアーの真っ最中)に東京大学の一般教養の講義を行いました。
その前期分の講義録をまとめたのがこの本。

内容は「ジャズ」を歴史的に読み解くというもの。
中心は「モダンジャズ」。そして、後半はマイルスの話に終始しています。
具体的には、コード体系を築いたバークリー・メソッドを中心に、その前史であるバッハの12平均律と、その後の展開のMIDIで挟み込んで、音の記号化という側面で、「モダンジャズ」の「モダン」たるところを解きほぐして語ってくれています。

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2005年05月12日

「「秋葉原」感覚で住宅を考える」---石山修武

「「秋葉原」感覚で住宅を考える」
著:石山修武 発行:晶文社
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この本が出版されたのは1984年。
僕は21歳、学生として建築を学び始めた頃。
今考えると、学生時代にもっとも影響を受けたのは実はこの本かもしれない。
というわけで、20年の時を隔てて再読してみた。

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2005年05月03日

「失踪日記」---吾妻ひでお

「失踪日記」
著:吾妻ひでお 発行:イースト・プレス
amazon

吾妻ひでおは、好きな漫画家の一人です。
彼のナンセンスさは、シュールだけれども過剰に世間離れしていないペーソスがあって好きです。
笑いの質としてはずいぶんと健全ですよね。
少年チャンピオンとか読まなくなって マンガもリアルタイムで追っかけなくなって、吾妻ひでおはいったいどうしているだろうかと、時々思い出してはいたんだけれども、本当に失踪していたんですね。

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2005年04月16日

「最後の物たちの国で」--ポール・オースター

「最後の物たちの国で」
著:ポール・オースター 訳:柴田元幸 白水Uブックス
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行方不明の兄を探しに行った国は
打ちひしがれた世界。
何に?
人々から少しずつうばわれてゆくもの。それは何?

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2005年04月10日

「沖縄の神さまから贈られた言葉」--照屋林助

「沖縄の神さまから贈られた言葉」
著:照屋林助 (構成:藤田正)
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Lucha Libre ShowのLucha?さんから教えていただいた本を読んだ。

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2005年03月24日

「ブログを続ける力」--GEODESIC編著

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「ブログを続ける力」--GEODESIC編著
出版:九天社
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ブログの力」に続く「ブログを続ける力」がでた。
ブログを続けることによって何が起こるのか?
僕ももうすぐ一年。でも、まだまだ一年。
その他のメディア。ホームページだって一般のひとが作り始めて10年近い歳月が経っている。僕のホームページはちょうど9年ですね。
それに比べたらブログはまだまだ赤ちゃん。でも、この赤ちゃんは成長が極めて早いようである。
最近ではブログから「電車男」のようなコンテンツが生まれるのではと期待している人も多いようだ。たしかに、そうかもしれない。物を書くという才能を認めてもらうには。ブログというのは実に面白いメディアだと思う。まあ、どうなるか、ですが、そうしたことも含めてこの「ブログを続ける力」は前回の「ブログの力」以上に示唆に富んだ内容になっている。
いわばこれはブログの文化論でしょうか。

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2005年03月20日

「アンダーグラウンド」--村上 春樹

「アンダーグラウンド」
著:村上 春樹 出版:講談社
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10年という歳月。

ここには、地下鉄サリン事件の被害者へのインタビューがつづられている。
「災難」というには、あまりにも「理解」できない「被害」。
そんな「被害」に遭った人々の事を我々は「理解」する事が出来るのか?
誰も体験した事のない「傷」をおった人々に対するインタビューアー村上の姿。

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2005年03月18日

「カインド・オブ・ブルーの真実」--アシュリー・カーン

「カインド・オブ・ブルーの真実」
著:アシュリー・カーン 訳:中山浩子 監修:中山康樹
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マイルスの「カインド・オブ・ブルー」にまつわるドキュメント。
ポールチェンバースが出だしをなかなか合わせられずに何度も間違えたりして、スタジオで困っている様子など、そんな逸話も随所にちりばめられていて、読んでいてとても面白かった。
また、レコーディングの様子をとらえた写真や、当時のさまざまな資料も満載されている。資料的な価値の高い本だ。このレコーディングでマイルスのギャラがいくらだったのかまで書かれている。
カインド・オブ・ブルーを何度も聞いてきた方には、この本はとても興味深く読めるだろう。

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2005年03月16日

「大きな暮らしができる小さな家」--永田昌民、杉本薫

「大きな暮らしができる小さな家」
著:永田昌民、杉本薫 出版:オーエス出版
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家はそんなに大きくなくて良い。
狭小地住宅が雑誌の特集になるなど、小さい家への感心は高まっています。
小さな空間をより豊かにしてゆくことは、とても大切な事です。

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2005年03月15日

「オキナワの家」--伊礼智

「オキナワの家」
著:伊礼智 出版:インデックス・コミュニケーションズ
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くうねるところにすむところ-子どもたちに伝えたい家の本シリーズの第3巻。

子どもたちが家に出会うために、建築家、クリエーターが初めて子供の視線から家について語ります。

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2005年03月13日

「連戦連敗」--安藤忠雄

「連戦連敗」
著:安藤忠雄 東京大学出版会
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このブログで紹介する本は「クオリア」とかよく分からない本が多いので今回は建築家の書いた本。
ただ、茂木健一郎も読んでいたので気になったというのが正直なところ。
だいたい、日本人の建築家の書いた本で面白い本にめぐりあった事がない。これは、ちょっと不幸な事だと、自分でも思う。
しかし、この本は、面白かった。

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2005年03月07日

「木とつきあう智恵」--エルヴィン・トーマ

「木とつきあう智恵」
著:エルヴィン・トーマ 訳:宮下智恵子
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オーストリアで営林署員を務められ、現在、製材業(トーマ社)を営んでおられる、エルヴィン・トーマさんが1996年に書かれた本。
トーマさんは、冬期の新月の直前に伐採された木を使うということで有名だが、本書では、もっと基本的な、森と木材と人間の関係についてわかりやすく書かれている。

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2005年03月06日

「シュタイナー入門」---小杉英了

「シュタイナー入門」
著:小杉英了 ちくま新書
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茂木健一郎養老孟司の本を続けて読んでいます。
彼らは自らのことを唯物主義者だと言っています。
こういう時に僕は自分の中のバランスをとりたくなるのです。
つまり、唯物主義と反対のものを探します。
というわけで、シュタイナーについて書いてある入門書をみつけたのでした。

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2005年02月16日

「意識とは何か-(私)を生成する脳」---茂木健一郎

「意識とは何か---(私)を生成する脳」
著:茂木健一郎 ちくま新書
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僕らは意識しないで普段の生活をおくっている。
目の前の緑色の葉っぱがどうして緑色に見えるのかとか、そもそも僕らの眼がどうやってそれを知覚して、それが葉っぱであると断定できるのかとか、そんなことはまったく意識もしないで「目の前のもの」が「葉っぱ」であるといっている。
茂木健一郎はこれを「やさしい問題」と「むずかしい問題」というふうに分けて考える。

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2005年02月13日

「ふしぎな図書館」---村上春樹・佐々木マキ

「ふしぎな図書館」
著:村上春樹・絵:佐々木マキ 講談社
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1982年初出の「図書館奇譚」の改稿に佐々木マキが絵を添える。
とってもちっちゃい本。手のひらにのります。
ふにゃふにゃしているソフトなハードカバー。鮮やかなオレンジ色。
羊男も登場。1982年初出だから不思議ではない。
お話はともかく、大きさとか柔らかさとか、触覚にうったえる本ですね。
プレゼントなんかにもちょうどいいかも。
そう言えば、季節柄、チョコレートといっしょに包んで
大切な人に送るというのも良いかもしれませんね。

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2005年02月08日

「いちばん大事なこと」---養老孟司

「いちばん大事なこと—養老教授の環境論」
著:養老孟司 集英社新書
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スルメを見て・・・」を読んで、<覚悟の人>養老孟司に興味を持った。
たくさんでている養老さんの本からこの本を選ぶ。
環境問題を正面から論じているのだ。経済と環境のことをちゃんと並べて論じてくれているのだ。そんな本は本当に少ないから、新書でそこのところをちゃんと論じてくれるこの本は貴重だ。
僕らが実践している「国産の杉材を使う」ということが直面している、経済と環境の問題もお日さまの元にさらしてくれる、そんな好書。

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2005年01月30日

「スルメを見てイカがわかるか!」--養老孟司、茂木健一郎

「スルメを見てイカがわかるか!」
著:養老孟司、茂木健一郎 角川oneテーマ21
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「スルメをみてイカがわかるか」とは、
死体を見て生きている人間のことがわかるか、ということで
死体=スルメ、生きた人間=イカとたとえて言ったこと。

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2005年01月29日

「サイバラ式」--西原理恵子

「サイバラ式」
著:西原理恵子 角川文庫
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af_blogの検索語句ランキングで「毎日かあさん」がトップの方に食い込んできています。
マティス展の時のマティス騒動とはわけがちがう。検索語句「マティス」は展覧会が終わったら、ランキングからはさっと消えてしまいました。
それにしても、ちょっと、意外な展開だが、西原理恵子-多くのファンを勝ち取った結果でしょう。
この「サイバラ式」は1992年初出の単行本だから、こんなにブレイクする前の西原理恵子の素顔がかいま見れるのが面白い。

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2005年01月27日

「心を生みだす脳のシステム」--茂木健一郎

「心を生みだす脳のシステム」
著:茂木健一郎 出版:NHKブックス
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「クオリア」の人、茂木健一郎の本を読んだ。
あまりにもたくさんの本がでているので、迷ってしまったが手ごろな価格で、それなりに詳しく書いてありそうなものということでこれを選んでみた。

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2005年01月24日

「ジャズの前衛と黒人たち」---植草甚一

「ジャズの前衛と黒人たち」
著:植草甚一 出版:昌文社 初版:1967年(現在絶版)
---ちなみに、僕の持ってるのは1974年の第19刷です。

この本を偶然に古本屋で見つけた大学生の頃、僕は植草甚一について、何も知りませんでした。
この本は「ジャズ」「前衛」「黒人」という言葉に魅かれて買った本です。
それを、引っ張り出してきて去年の暮から年を越して読み直してみました。
あたりまえなんだけれども、時間と空間を通り越して読み返すことの出来る「本」というのは、ほんとうに面白いですね。

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2004年12月26日

「炭焼紀行」--三宅岳

「炭焼紀行」
著:三宅岳 発行:創林社
定価:2800円+税 →amazon

三宅岳さんは山岳カメラマンです。
山登りのガイドブックなどもたくさん書いておられますから
「山岳カメラマン」と言うのが良いかと思うのですが、実は山岳写真にとどまらず
「山」を生活の糧にしている人々の姿をとらえた素晴らしい写真を撮られる方なのです。
だから、「山岳カメラマン」というよりも「山カメラマン」と言った方が良いかもしれませんね。
そして、この本は、三宅さんのライフワークとも言える
炭焼き職人さんの世界を10年にわたり追いかけてきた記録です。

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2004年12月22日

「猫にかまけて」--町田康

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「猫にかまけて」
著:町田康 出版:講談社
定価:1680円(税込み) → amazon

自分は猫が好きである。 どのくらい好きかというと、例えば往来をしていて、駐車中の車の下に猫がいるのを見つけたとする。と、もういけない。

本屋でタイトルにつられて手にしてみたらこんな言葉が1ページ目から出てきました。

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2004年12月20日

「僕の叔父さん網野善彦」--中沢新一

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「僕の叔父さん網野善彦」
著:中沢新一  集英社新書 (0269)
定価:698円  →amazon

1968年1月。佐世保港にアメリカの原子力空母エンタープライズが給油のために入港。
それを阻止せんと立ち上がる学生と労働者。機動隊との衝突。
機動隊に投げられる石、石、石。
テレビが報道するそんな映像から、「飛礫(つぶて)」についての中沢新一の父である中沢厚と網野善彦のやりとりが始まります。
彼らは何に向かって石を投げていたのでしょうか?

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2004年12月17日

「地球のはぐれ方」---東京するめクラブ

「地球のはぐれ方」
著:東京するめクラブ(村上春樹、都築響一、吉本由美)
出版:文藝春秋社 定価:2100円(税込み)
amazon

村上春樹と都築響一ということで購入。
こういう肩の力の抜けた本もたまには良いでしょう。

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2004年12月13日

「美術史とその言説」--宮川淳

「美術史とその言説」
著:宮川淳  出版:水声社  定価:3800円+税
amazon

宮川淳の最後の著書。
「絵画にとって近代とは何か」や「アンフォルメル以降」など、
重要な論文が納められています。

今回は、そのなかで「マティスと世紀末芸術」という論文についての覚え書き。

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2004年12月08日

「キャッチャー・イン・ザ・ライ」--J.D.サリンジャー(村上春樹:訳)

「キャッチャー・イン・ザ・ライ」
著:J.D.サリンジャー  訳:村上春樹
出版:白水社  定価:1680円(税込み)
→amazoneで詳しくみる

この本を読み終えたあとの言い様のない不安感。
あれはいったいなんだったんだろうか?
ジョン・レノンの命日(日付で)に覚え書き。

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2004年11月25日

「翻訳夜話」--村上春樹・柴田元幸

「翻訳夜話」
著:村上春樹・柴田元幸
文春新書  定価:740円+税
→amazonで詳しく見る

翻訳という作業について村上春樹と柴田元幸が行った、
三つのワークショップの記録に
レイモンド・カヴァーとポール・オースターの短編小説を
両者が訳したテキスト(+原文)を加えて一緒にした本です。
以前のエントリー三浦雅士の「村上春樹と柴田元幸のもうひとつのアメリカ」で、
「翻訳」という作業に強い関心をもち、「住宅設計」との類似性について考えたことを書きました。
そこで、「翻訳」というキーワードを、「住宅設計」に関連させて
もっと掘り下げてみようと思いこの本を読んでみました。

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2004年11月15日

「ミスター・ヴァーティゴ」--ポール・オースター

「ミスター・ヴァーティゴ」
著:ポール・オースター 訳:柴田元幸
出版社:新潮社 ISBN:4105217070 定価:2520円(税込み)

この本を読み終えて
僕はとても嬉しくなった。
「物語の力」がこれほどまでにパワフル全開で僕を満たしてくれたなんて
いままでなかったからだ。

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2004年11月12日

「風の帰る場所」--宮崎駿

風の帰る場所—ナウシカから千尋までの軌跡
著:宮崎駿  聞き手:渋谷陽一
出版:ロッキング・オン  定価:1600円(税別)

「風の谷のナウシカ」は映画で観て、好きだけれども
ちょっと気恥ずかしい感じがしていた。
コミック版を読んで、こりゃあえらいマンガ読んじゃったなあ、と正直に思った。
「魔女の宅急便」も「紅の豚」も映画館に行った。
でも、今のように「宮崎駿を絶対に支持します!」とは言えなかった。
すべて、この本を読んでからです。

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2004年11月11日

「泥まみれの虎—宮崎駿の妄想ノート」--宮崎駿

「泥まみれの虎—宮崎駿の妄想ノート」
著:宮崎駿 
出版:大日本絵画   ISBN: 4499227909  定価:2625円(税込み)

「ハウルの動く城」の公開がせまった宮崎駿が描く戦争。

「泥まみれの虎」とはオットー・カリウス指揮するタイガー1型戦車
第二次大戦、エストニア、ナルヴァ戦線。1944年3月。

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2004年11月08日

「村上春樹と柴田元幸のもうひとつのアメリカ」--三浦雅士

「村上春樹と柴田元幸のもうひとつのアメリカ」
著:三浦雅士
ISBN:4-403-21080-5  出版:株式会社新書館  定価:1800円(税別)

「もうひとつのアメリカ」とは
アメリカ現代文学が描いている「もうひとつのアメリカ」のこと。
でも、この本はそれだけじゃあない。
村上春樹論であり、翻訳論、現代アメリカ論でもあるのです。

そして、僕の中では「住宅設計論」ともかさなってくるのです。
(なんだ、それは?)

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2004年11月05日

「ポートレイト・イン・ジャズ」--和田誠、村上春樹

「ポートレイト・イン・ジャズ」
著:和田誠、村上春樹
ISBN:4-10-353407-9  出版:新潮社 定価:2500円(税抜き)

僕はジャズが好きだ。結構聴いている。
でも、まんべんなく聴いているわけではない。とても、かたよりがある。
この本には、26人のジャズミュージシャンが登場する。
知っている名前もあるし、相当に聴き込んだ人もいる。
一方、全然縁のなかった人の名前もいる。
なかでもビリー・ホリデイ。
僕はこれまでほとんど聴いていなかった。

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2004年11月01日

「ブログの力」--GEODESIC 編著

「ブログの力」--Blogの可能性に気づいたユーザーたち
編著: GEODESIC
ISBN:4861670217   出版: 九天社    定価:1,600-円(+税)

あたらしいブログの本が出ました。
僕がブログを始める直接のきっかけになった
秋山さんのブログ「aki's STOCKTAKING」
GEODESICの栗田さん「CHRONOFILE」をふたつの中心とする不思議な本です。
不思議な本だけれども、いまのブログを取り巻く状況を
とてもわかりやすく網羅し描ききっている、と思います。
ブログとは何か?という先の見えない答えへの
この本はもっとも良き近道だと思います。

僕のこのブログも末席で紹介していただいています。(感謝!)

専用ブログもできています。
ブログの力

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2004年10月05日

「住み家殺人事件」--松山巌

「住み家殺人事件」 松山巌著
みすす書房 ISBN4-622-07089-8 定価 2100円(税込み)

古今東西、老若男女、縦横無尽・・・・・
殺人事件とはいってもミステリーではないのであります。
現代社会に ま正面から取り組んだ建築論なのであります。

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2004年09月16日

「アフターダーク」--村上春樹

「アフターダーク」 村上春樹 著
講談社 ISBN 4-06-212536-6 定価 1400円(税別)

そして、ぼくは本を閉じ、その余韻に身を預ける。
こんなに美しいラストシーンは見たことがない。
さまざまなイメージが重なり合い
僕らは最後に美しいラストシーンと出会う。
(注意--本文引用多数あり)

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2004年09月04日

「「自分の木」の下で」--大江健三郎

「「自分の木」の下で」  大江健三郎 著
朝日新聞社  ISBN4-02-257639-1  定価 1200円+税

大江健三郎が初めて子供たちの為に書いたエッセイ。
ただし、この本がもっているメッセージは
子供だけに向けられてはいません。
本書のなかで大江さんが言っているように
「大人の自分の中に子供の時の自分がずっとつながっている」ということが
この本を通しての通奏低音になっています。

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2004年08月30日

「治療塔」--大江健三郎

「治療塔」 大江健三郎 著
岩波書店 ISBN4-00-001360-2 定価 1300円(税抜)

「へるめす」という雑誌があった。
僕が大学生の時だから、いまから20年ほど前になる。

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2004年08月05日

「Be-h@usの本」--秋山東一

「Be-h@usの本」 秋山東一 著  ジオデシック 監修
株式会社 九天社 発行  ISBN4-86167-008-X
定価(本体3000円+税)

Be-h@usとはなにか?。
それは建築家秋山東一氏が多くの仲間とつくりあげたシステム住宅のことであるとともに、
インターネットを介して発展し続ける
本来の意味で、住まい手のための家づくりのシステムであるのだ。

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2004年07月07日

「少年カフカ」-村上春樹

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「少年カフカ」 村上春樹編集長
新潮社 定価:950円(税別) ISBN4-10-353415-X
amazon

とにかく、「海辺のカフカ」をめぐる、ぼうだいな文字がここにはある。

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2004年06月24日

「原発はなぜ危険か」-田中三彦

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「原発はなぜ危険か」
田中三彦 著 岩波新書新赤版 660円+税
ISBN4-00-430102-5

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2004年06月20日

「建築はほほえむ」-松山巌

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松山巌 著
西田書店 ISBN4-88866-385-9
定価:1300円+税

書かれている言葉の一つ一つが
スポンジが水を吸い込むみたいに吸い込まれる。
どこに?
そんな本はずいぶんと久しぶり。
言葉たちはどこに吸い込まれたのか・・・・。

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投稿者 yasushi_furukawa : 20:55 | トラックバック

2004年06月10日

「樹海--夢、森に降りつむ」-高橋延清

book-jukai.jpg
高橋延清 著 世界文化社-ISBN4-418-99529

「どろ亀さん」こと高橋延清さんの本を初めて読んだ。

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2004年04月09日

「毎日かあさん」-西原理恵子

「毎日かあさん」
著:西原理恵子 発行:毎日新聞社
amazon

「毎日かあさん」というのは毎日新聞に毎週火曜日連載の漫画だ。
西原理恵子の独特な視点が、家族というものを描き出す。

とても人気があるようで、単行本になった知らせを聞いて家内もさっそく買ってきていた。何気なくテーブルにおいてあったので、読んでみる。

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2004年04月06日

「沈黙の春」-レイチェル・カーソン

「沈黙の春」
著:レイチェル・カーソン 発行:新潮社
amazon

レイチェル・カーソンの有名なこの本は、とても恐ろしい。農薬が恐ろしいと言うのはもちろんだが、この本が書かれた1962年から40年以上経った今でも、その恐ろしさがそのまま残っていると言う、そういう恐ろしさ。
ホームページの書評から転載する。

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投稿者 yasushi_furukawa : 19:38 | コメント (0) | トラックバック

「我輩は施主である」-赤瀬川原平

「我輩は施主である」
著:赤瀬川原平 発行:読売新聞社
amazon

赤瀬川原平。僕の大学の先輩、といっても面識があるわけではない。
その人の自邸は、屋根の上にニラが生えている。
そんな自邸づくり奮闘記がこの本だ。
ホームページに載せていた書評から転載する。

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投稿者 yasushi_furukawa : 19:34 | トラックバック

「火車」-宮部みゆき

「火車」
著:宮部みゆき 新潮文庫
amazon

宮部みゆき。面白い小説を書く人。だいたいこういうのは、家内からの受け売りに始まって、僕の方がのめり込んでしまうケースが多いのだが、この宮部みゆきも例外ではない。
現代物のサスペンスは、ほとんどすべて読んでしまった。
これは、彼女の代表作「火車」を読んでの感想。ホームページに載せていたものを転載する。

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投稿者 yasushi_furukawa : 19:30 | コメント (0) | トラックバック

「新築物語」-清水義範

「新築物語」
著:清水義範 発行:角川書店
amazon

清水義範。軽快で、ちょっとしゃれていて、なかなか巧みな文章で、時々日本語を考えさせられる。そんな文章を書く。うちの家内が好きなのだが、僕も負けずに好きだ(!)、といっておきたい。
その清水さんが家をつくる話を書いたのがこの本だ。ホームページに載せていた書評から転載する。

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投稿者 yasushi_furukawa : 19:24 | トラックバック

「建てどき」-藤原和博

「建てどき」
著:藤原和博 発行:情報センター出版局
amazon

著者である藤原和博さんは「よのなか」とか面白い本を書かれている。
このエッセイの原文はホームページにずいぶん前に載せたのだけれども、
ある日、藤原さんから直接メールをいただいた。私のような個人が勝手に書いた書評に本人からメッセージが届くとは!これぞ、インターネットである。
というわけで、ホームページの書評をblogに転載する。

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投稿者 yasushi_furukawa : 19:19 | トラックバック