« take_House 屋根工事 | メイン | 「施主直営」と「family」 »

2004年07月29日

「日本vsイラン」

[サッカー--soccer ]

アジアカップ、グループリーグ最終戦である。
試合はともかく、会場を埋め尽くしたイランを応援する中国人サポーターが興味深かった。

たとえば、選手がファールをする。すると、ワンテンポくらい遅れて
大観衆がブーイングをする。そのずれがなんともいえない。

イングランドのプレミアリーグを見ていると
ピッチで起こっているひとつひとつの出来事に
観衆はリアルタイムで反応して声を上げる。
時にはテレビの解説者よりもずっと早く適切に反応している。
ピッチでプレーをしているサッカー選手と観客が一心同体となって
サッカーの試合を楽しんでいることがよくわかる。
さすがサッカーの母国と言われるだけのことはある。
(注:もちろんイングランドの一部の過激な、
すでにサッカーフアンとは言えない人たちのことは除きますよ)

それに比べて、昨日の試合の中国人サポーターはずれていた。
むかし、YMOの「スネークマンショー」で
明らかに林屋三平師匠だと思われる人物が
中国で漫談をやっている様子をネタにしたものがあった。
三平師匠のネタをその登場人物が舞台で披露する。もちろん日本語だ。
そうすると一瞬、沈黙が訪れ、ひそひそ話が聞こえて、それから大爆笑というものだった。

昨日の試合を観ていて、そのスネークマンショーのネタが脳裏をよぎった。

しかし、日本とて同様なのだ。2000年のワールドカップでは、
開催国だっただけに観客にも日本人が多く、
試合と観客の反応のずれが、やっぱり目に付いた。
昨日の中国人サポーターと同じである。

日本は1998年のフランスワールドカップ以降、
中田がイタリアで活躍したこともあって、
海外、特にヨーロッパのサッカーの面白さ、すごさに気づいた人が増え(実は僕もその一人)、
そこから着実にサッカーを愛する人口が増えてきているので、
ここのところ、ずいぶんと変わってきている。
だから、昨日の試合のようなことはちょっと前の日本を見るようで
それは、ちょっと前の自分の見せつけられるのと同じで
それで、自分はこんなにも反応している(反応してしまっている)のだと思う。

まあ、だからといって、日本人サポーターや中国人サポーターを
「サッカーの観方も知らないのか」とか言って
非難するのはお門違いで
それはやっぱりサッカーの歴史のあつみの違いなのだと肝に銘じないといけない。

サッカーについては、個人の技術はすでにヨーロッパとか南米に追いついていると思う。
戦術だって負けたものではない。
しかし、やはり、世界で勝ち抜くことは難しい。
それはやっぱり、歴史のあつみが(明らかに)違うからだと思う。

サッカーの歴史のあつみは、選手と観客がつくるもの。
日本のサッカーの歴史は始まったばかりなのだ。


※新しいホームページで情報更新中!!

投稿者 furukawa_yasushi : 2004年07月29日 10:54

コメント

トラバどうもです。
まさかサッカーネタのトラバで建築家さんのblogに来るとは思っても見ませんでした。
あまり住宅のネタは書いてませんが、またよろしくです。

投稿者 kissh : 2004年07月29日 12:03

建築の設計をやっていてサッカーファン、っていうのは結構多い、そんな感じがします。
一人親方の職人さん達を取りまとめて、ひとつのものをつくりあげると言うのが、なんとなくサッカーの選手と監督に重なるのかもしれませんね。

投稿者 古川泰司 : 2004年07月29日 13:35

遅くなりましたが、トラックバックありがとうございましたm(_ _)m
中国の応援は反応の鈍さもさることながら、あまりにも日本を敵視した応援が目に付きますね。
せめて対中国戦以外の試合は、ホスト国として、中立の応援をしてもらいたいものなんですけど…。

投稿者 きゅ! : 2004年08月03日 00:15

会場を埋め尽くした人々が
サッカーを観るために来たのではないとすれば
それは、とても悲しいことですね。
多くの方のblogで、ずいぶんと中国のそういう態度について
批判的に書かれているのを見かけますが
そういう批判は何も生まない。
いまは批判するよりも
同じ人間として
サッカーを、いやいやスポーツをもっと純粋に愛してほしいと
正直、思いました。

投稿者 古川泰司 : 2004年08月05日 11:16