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2005年05月21日

CD_House 基本設計完了

[0503---CD_House ]

CD_Houseの基本設計が完了した。
CD_Houseは「OZONE家づくりサポート」の
建築家コンペコースですすめられている。
建築家コンペコースでは、まず3人の建築家が建て主により選出され
1時間半の面談を経た後に三者によるプレゼンテーションが行われる。
先の面談と、各建築家から提案された内容を総合的に判断して
3人の建築家のうちからひとりが選出され、設計業務が依頼される。

OZONEの方法では基本設計完了を重要視する。
ところが、実質的な作業としては
必要とされているスペースの配置があらかた決まってきたら
細かい収納や扉の開き勝手などをもふまえて設計は進んでゆくので、
どこで基本設計が完了したかどうかは明確な線を引くのが難しい。

僕もOZONEの方法によらない場合には
基本設計から実施設計への移行はきわめてあいまいなかたちで進んでゆくことが多い。
実施設計レベルの打ち合わせをすすめることによって
基本設計の根本的な修正個所が発見出来る事も多いからだ。
実施設計を進めながら基本設計を見直してゆくと言うのが設計の自然な流れなのである。

では、なぜOZONEでは基本設計完了で一区切りつけるのだろうか?

それは、設計料の支払いにも表れている。
設計契約時に第1回目、そして第二回目が基本設計完了時となっているのだ。
これは、設計料をできるだけ出来高払いに近づけるための手段だ。
出来高払いとは、お支払い頂く設計料のうち
業務として遂行した分だけをお支払いいただくという考え方だ。
業務自体が長期にわたることもあり、全部終わって一括支払いと言うとなかなか仕事を依頼される側としては厳しい。
そこで、分割して支払ってもらうことになるのだが、最初は先払いで、最後は後払いになる。
ある程度の後払いは、仕事を納得ゆくかったちで完了する目的がある以上いたしかたがない。
それで、問題となるのは先払いだ。ようは、先払いで設計者から言えばもらい過ぎないように、依頼者から言えば支払い過ぎないようにしておこうということだ。

最近の建物の完成保証制度などの動きとも、この出来高払いへの方向性は一致している。

ところで、OZONEのコンペの場合には
プレゼンテーションで提示したプランそのままで仕事を依頼されると言う事はないと言っていいだろう。
ある程度の手直し、修正を前提として業務を依頼される。
ということは、コンペ終了後の設計契約の時は設計申し込みというような意味合いであり、
本格的に設計を依頼するのは基本設計が完了した時、
つまりは、納得ゆくプランが出来た時ということになる。
そして、OZONEで規定されている設計料の支払いもそのような配分になっている。

コンペと言うと、提出された案の是非によって判定されるというイメージがあるが
OZONEのコンペでは、じつはそうではなくて、提示されたコンペの案も大切だが
依頼者と建築家の相性を確認する機会として設定されているということなのだ。

よって、基本設計完了と言うのは
出来高払いということと、OZONEの建築家コンペコース特有の事情から
とても大切な区切りとなるのだ。


※新しいホームページで情報更新中!!

投稿者 furukawa_yasushi : 2005年05月21日 15:06