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それにしても、これ。なかなか合格しない。
まずは、ワンコーラス歌いきれればすごいものだ。
で、歌いきって、聞いているこちらも感動していても
ソングライターさんたちは、なかなか曲を書きますという札を上げない。
そんな、過酷な審査ではあるけれども、この番組からの最初のメジャーデビューがこの７月に決定している。

というわけで、この番組が面白い。
深夜で眠いのを我慢してでも観てしまう。
まずは、歌い人。やはり、花のある人、ない人さまざま。
「おお、この人良いな」とか「なんだ、こいつ」とか
観ている方も勝手に審査している。
それで、審査員が、また、辛口なのだ。
辛口の審査員、ということで
僕は最初に観た時から「イカ天」を思い出した。
「いかすバンド天国」という深夜番組。
空前のバンドブームを巻き起こした、伝説的な番組。
僕などは、熱中して毎週夜更かししていた口である。
その「イカ天」も審査員の辛口が評判だった。
僕が思うところ「歌スタ」は、そのシンガー版。
でも、それだけではない。
この番組を見ていると、ソングライターの視線がわかる。
彼らも、札を上げたら曲を書かなくてはならない。
そして、メジャーレーベルのスカウトさんの前で
そのシンガーを、自分が書いた曲でプレゼンテーションしないといけない。
その場に及んで、レコード会社からだめが出てしまってはもともこもない。
「売れる、売れない」そうした切実さが
審査員であるソングライターたちに重くのしかかってくる。
「イカ天」は、それに比べて、「良いとか悪い」を言っていればよかった。
だから、この「歌スタ」は、審査員の真剣さが全然違う。
それがとても面白い。
彼らは、歌い手に何を期待しているのか。
歌がうまくなくちゃあだめ。
歌がうまいだけでもだめ。
出来上がっていてもだめ。
レッスンしすぎていてもだめ。
個性がありすぎてもだめ。
うーむ。歌い人としての良質な素材を彼らは求めている。
その様子がとても面白いのだ。

さて、来週はどんな歌い人が登場するのか。
こうして、月曜の深夜は更けてゆくのだ。