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2004年08月07日

いやな暑さ--都市の輻射熱

[a-家づくりについて---house_making ]

松本と長岡の実家から
東京に戻ってみて気づくのは
東京のこの「いやな暑さ」だ。
日中の気温は松本も長岡も東京と変わらないだろう。
では、この「いやな暑さ」の原因は何か、考えてみた。

たとえば室内の「快適さ」な温度について
OMソーラーの家の設計を多く手がけている経験から考えてみる。
分かりやすいのは冬の場合だ。たとえば、同じ20度でも、OMソーラーや温水床暖房などで床面から暖められた部屋の方が、石油ファンヒーターやエアコンの温風で暖めた部屋よりも快適に感じる。これは、床面からの輻射熱が「暖かさ」の「快適さ」を生み出しているためで、輻射熱は遠赤外線で身体の芯まで暖めてくれるからだ。
温度の質、熱の質の違いが「快適さ」の違いを生み出すのだ。
人間の身体とそれを取り巻く環境の温熱的な性質。冬場は圧倒的に、輻射熱に囲まれている方が暖かくて快適な空間になる。

では、夏だ。

東京と松本や長岡の都市空間としても決定的な違いは
アスファルトやビル、建物で覆われた都市部の面積の広がりが
圧倒的に東京の方が広いということだ。
松本も長岡も、ちょっと都心部から足を伸ばせば
緑豊かな農村風景が広がる。

この違いが、どのように温熱環境に影響を与えるのか?

日中は太陽からの熱がさんさんと降り注ぐ。
アスファルトもビルも建物もその熱を受けてどんどん暖まる。
特にアスファルトとコンクリートで出来たビルは熱をよく貯める。
日中たまった熱は日が沈むと放熱される。
松本や長岡では一晩もかからずに放熱は完了する。
あとは涼しい夜がやってくる。
ところが、アスファルトやコンクリートのビルが建ち並ぶ都心部が
広がりすぎている東京では、一晩でこの熱が放熱しきれないで
次の日の朝まで残ってしまう。
これが、よく言われるヒートアイランド現象で
東京の場合にはヒートアイランドが次の日まで続く
無間地獄状態になっていると言えるだろう。
放熱されなかった熱は輻射熱として朝から我々を取り囲んでいるのだ。

輻射熱は冬場は我々の身体をダイレクトに暖めてくれるのだが
夏は一転して、ストレートに暑さを感じさせる。
東京のこの「いやな暑さ」は
都心部が広がりすぎたために東京がもってしまった
輻射熱環境のためなのだと思う。


※新しいホームページで情報更新中!!

投稿者 furukawa_yasushi : 2004年08月07日 15:51

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