2017年06月07日

既存住宅状況調査

昨日、ビデオ教材に出演ということでその収録が行われました。
収録したビデオ教材は、既存住宅状況調査の実践を伝えるものでした。

平成28年6月の宅建業法の改正で、中古住宅の媒介契約時に必要な重要事項説明書に、既存住宅状況調査を行うものを斡旋できるかどうかの記述が必須となり、既存住宅状況調査を行うものの位置づけが明確にされました。

具体的に既存住宅状況調査では、その物件の状況を各部位の劣化事象の有無として記録することになります。既存住宅状況調査者の講習会は始まったばかりで、終了時に考査がありその結果がまだ出ていないので、いま現時点で、既存住宅状況調査者はまだ存在していませんが、来年の改正宅建業法の施行にむけて、これから状況調査のニーズが増えてくるでしょう。

昨日も収録しながら立ち会ってくださた方々といろいろな話をしたのですが、一番気になる点は、既存住宅状況調査というものがあることを買い手である一般消費者が知るのが、媒介契約時であるという点です。

媒介契約時には、様々な物件を見て、これだと決めているわけで、さらには資金の調達などのめどもたててから望むわけです。そのように準備万端整えて臨んだ席で、既存住宅状況調査があるとか、それを出来る人を紹介しますよとか言われても混乱するだけでしょう。
一応、物件を紹介する早い段階で既存住宅状況調査について消費者に説明することが望ましいとはなっているようですが、今のところ法的な規制はありません。

もう一点、混乱を呼びそうなことがあります。それは、既存住宅状況調査をやっても瑕疵保険適用にならないということです。一般消費者からすると「???」なのではないでしょうか?瑕疵保険の適用を受けるためには別の調査が必要になります。概ねは同じ項目になるのですが、既存住宅状況調査では、床下や小屋裏を調査するにあたり床や天井を壊してまで確認することは求められていないのに対して瑕疵保険の調査では床や天井を壊しても確認することが求められています。

来年春に改正宅建業法の運用が始まる時に一般消費者の混乱を招かないと良いのですが。

投稿者 furukawa_yasushi : 11:51

2017年01月03日

建築をつくるのは誰か?

みなさま、あけましておめでとうございます。
年の瀬から新年にかけて考えていることを書いておこうと思います。

2016年はやはり「わらしべの里共同保育所」の完成があった。建物を作るとは、設計が大切だとしても、資材の調達、職人の手配、現場の段取りが出来てこそのもの。これらをうまく進めるために「設計」があると言っても過言ではない。そして、わらしべの里共同保育所の仕事を通して自分はそういう設計を今までも心がけて来たことを再確認した。これはやはり、住宅とは違った規模の建物だったからこその経験なのだと思う。

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投稿者 furukawa_yasushi : 22:21

2016年09月13日

シュリザクラとワトコオイル

 

昨年の春に南会津のオグラさんにて購入したシュリザクラの丸太。
その場で製材して桟積みして一年。そこからさらに人工乾燥をして平らに削ってはぎ合わせて一枚のテーブル板になりました。

なかなかきれいな杢目がでています。

仕上げはなにを塗ろうかなとオグラの渡部さんに相談したら
ワトコオイルがあつかいやすいとのこと。
そういえば、様々な自然素材系の塗料を使ってきましたが
ワトコオイルを自分で使ったことがないことに気が付きました。

というわけでワトコオイル拭き仕上げです。

ワトコオイルは安いのが魅力。塗りやすいし、手についても石鹸で簡単に落とせて使いやすい。

ワックス分が少ないので、塗膜面で木材を保護するような事はできませんが、シュリザクラのような堅木で汚れドメ程度で考えれば、乾きも早いしこの選択肢はありだなと思いました。
他の自然系ワックスと違って自然発火しないのも室内で塗りっぱなしにできるから安心ですよね。

ところで、このシュリザクラですが、5.5mほどの長さの丸太を、ちょうどくびれていたところで、1.85mと3.65mに切り分けてから製材しています。今回加工してもらったのは短い1.85mの方です。まだ、3.65mの方はまるまる残っています。さてどうやって使おうかしら、と、贅沢な悩みですね。

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投稿者 furukawa_yasushi : 11:58

2014年08月01日

Tama_House---下地工事 セルフビルダーの条件

セルフビルドリノベーションをサポートさせて頂いている
流山の「Tama_House」ですが
下地工事ができてきたので次の工事の相談をしたいということで
行ってきました。

もともとの床の下地のデッキスラブは部屋の隅から隅で10cmほども傾いていましたが
浮床のパネルで調整がされていました。
水平がきっちりと出ている床は気持ちが良いものです。
レーザー水準器のお陰で、素人さんが一人でも水平を作ることはそれほど困難なことではなくなりました。
技術の進歩というのは素晴らしものです。

天井下地は、格子状に組んだものを水平を見ながらロープで引っ張り上げて作ったそうです。
ものづくりに絶対に大切な何気ない知恵がありますね。

セルフビルドサポートをずいぶんとやらせて頂いておりますが
一番難しいのは、道具を使うことでもなんでもなくてやり遂げることです。
コツコツと一歩一歩階段を登ってゆく持続力が一番大切です。

Tama_HouseのTさんのお仕事をサポートさせて頂いて
続けることの大切さを改めて教えていただきました。

投稿者 furukawa_yasushi : 17:09

2014年07月23日

深岩石の風景

昨年度の建築学会の教育賞を受賞しました
NPO法人家造りの会で運営している「家づくり学校」は
1年生から4年生までのコースでカリキュラムを 組んでいます。

その2年生は見学会で、いろいろな素材の産地やものづくりの現場を脚を使って見学してゆきます。

先日、7月19日(2014年)は「深岩石」「芦野石」「大谷石」のそれぞれの採石現場の見学というので
運営側のメンバー(4年生担当)である私も参加してきました。

写真は 「深岩石」の採石場で撮った一枚。
石を切る巨大な丸鋸の切り目がなんとも美しかったです。

ちなみに「深岩石」は「大谷石」に比べて硬いために

基礎石にも使われていたことがあるそうです。

投稿者 furukawa_yasushi : 22:51

2014年06月14日

12年目の Sun_House

先日、プロ向けの雑誌の取材で竣工して12年経った「Sun_House」におじゃましてきました。
取材のテーマは、カスタマイズしながら住む家ということですが、住まい手のHさんは、出会った時から「住む」ということを本当に楽しみたいご様子で、この家もそのための舞台となってくれており、ずっと愛されているなあと、これは本当に設計者としても嬉しく思います。

12年も経つと樹木の成長で家の見え方が一変しますね。木と寄り添うような佇まいはひとえに住まい手の人柄の表れではないかと思います。

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投稿者 furukawa_yasushi : 13:23

2014年03月05日

Root_House ブログ見学会

Spherical Image - RICOH THETA

鎌倉のRoot_Houseは、先週に完成見学会を行いましたが、遠方のため、あるいは用事があって見学会に来ていただけな方方のためにブログ見学会をと思い、2枚のパノラマ写真をリンクします。

Root_House ブログ見学会の最初は、一階のギャラリー部分と自然採光のための吹き抜けです。
Root_Houseはご家族3人のお住まいでもありますが
奥様のギャラリーとしも運営してゆきます。
そのために、居間兼用のギャラリースペースを設けました。

ギャラリーには展示用の壁が重要ですから
南側の窓を削ってでも壁を作り、
でも自然採光は欲しいということで吹き抜けを通して明かりが降り注ぐ工夫をしています。

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投稿者 furukawa_yasushi : 18:23

2011年10月24日

自分で塗ってみよう!自然塗料編

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土曜日(2011年10月22日)はNPO法人家づくりの会の講座が日本オスモ東京ショウルームで行われました。今回は、自然系塗料の基礎知識と実際に塗ってみようという体験講座の二本立てでした。
自然系塗料についてはインターネットで様々な情報を得ることが出来ますが、実際に塗ってみないとわからないことも多いものです。というわけで、講座は大盛況。そして、多くの方がワックスくらいならば自分で塗ってみたいなと思っておられることが、その熱意からよくわかりました。

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2011年10月20日

「大地の家」---鈴木喜一

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鈴木喜一さんは建築家です。設計活動を行いながら、神楽坂で「あゆみギャラリー」をやられています。そして、神楽坂建築塾も主宰しておられます。

工業高校の建築科を卒業され,設計事務所で実務を経験された後に武蔵野美術大学に入られました。ですから,私の先輩になります、が、ムサ美は建築学科ではありませんでしたので、正確には先輩ではないですね。
ムサ美を卒業された後、1980年~1981年、「鈴木喜一建築計画工房」を開設される前、フランスを拠点として世界各地を旅されてます。その旅先で見た風景に、住まいの原風景を感じた、写真に収めた,紀行文を書かれた,それがこの本です。

文章というものには力があります。本を書いた者として言えるのは、著書を記すというのは大変な作業だということです。書きなぐったものがそのまま本になるということは、専業で著述業をやっておられる方だとしても、まずはありえません。ましてや、本業は別にあればなおのこと。私が書いた本も、書いては消し書いては消しの繰り返しで、本になった文章の裏には日の目を見なかった膨大な量の文章が存在しているのです。それくらい厳選して、やっとそれなりの本になる。そうやって、文章を丁寧に磨いてゆくと、やっぱりそこにある言葉は力を持つようになるのです。(私などは、まだまだですが・・・)

鈴木喜一さんの、この「大地の家」に記された言葉には力があると思いました。文章に、言葉に力があると、読んでいてぐんぐん引きつけられます。それは、私が、ここに出てくる地名のいくつかをこの足で踏んでいるからだけではないと思うのです。

鈴木喜一さんの研ぎ澄まされた視線がある。その視線の力を言葉に潜ませるために鈴木喜一さんの気持ちのパワーがこの本からは溢れていると感じます。世に、建築家の書いた本は数多あれども、この本のように言葉にしっかりとした力がある本は残念ながら数少ない。そういう意味で、稀有な本です。ただ、残念ながら版元在庫なしで、鈴木さんの手元にある分だけということです。鈴木喜一さんのブログに注文の方法が書かれています。多くの人に読んでほしい一冊だと思います。

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2011年10月16日

自分で塗ってみよう!左官壁編

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土曜日は家づくり学校の2年生コースで左官塗体験をやってきました。私は主催者側ではありますが、今回は受講生に混じっての参加ということで、午後の時間を楽しませていただいたのです。

建築の世界というのは、自分でやってみないとわからないことが多いものです。特に左官という仕事は、泥の塊を様々な表情に変化させる、職人のなにやら不思議な魔法のような手仕事であり、これは自分でやってみて、そのうえで左官職人の手の動きを見せていただくことで、その不思議さをより深く体験できるわけです。その不思議体験こそが左官の奥深い世界の入口なのだと思います。

家づくり学校長、泉幸甫さんの案内で、富澤建材さんの場所をお借りして、講師陣には、忍者左官こと小沼充さん、久住さんのお弟子さんである植田俊彦さんという、いまの左官の世界を引っ張っておられるお二人をお迎えするという、なんとも豪華で贅沢な左官教室となりました。

拙著「住宅工事現場写真帖」でも書きましたが、左官壁を平滑に仕上げることはアマチュアには至難の業です、というかほとんど無理です。左官の仕上がりには手の癖が出てしまいますから、その癖をコントロール出来ないと平滑な仕上がりは出来ません。年期の必要な技なのです。ですから、アマチュアが自分で左官壁を仕上げようとするときには、その癖を受け入れる必要があります。

今回の体験は、のりを使わない土壁と、本漆喰の二種類の左官材料を塗ることが出きましたが、やはりみんな平滑にし上げることがこれほど難しいのかと思い知ったようです。できそうだけれども実は難しい、という発見は、物づくりに関わる者にとって、とてもとてもたいせつな経験なのだと思います。

その後の懇親会を含めて、ほんとうに楽しく有意義で素敵な時間を過ごすことが出来ました。小沼さん、植田さん、本当にありがとうございました。

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2011年10月13日

住宅医スクール東京 第四回目

日付が変わって昨日、10月12日は「住宅医スクール東京」の第五回目でした。
今回は、3講義にわたって温熱環境の点からの住宅診断ということで
講師は3講義とも岐阜県立森林文化アカデミーの辻充孝先生。

第一講義は省エネルギー診断の概要。
第二講義は熱損失係数Q値についての講義と計算問題による実習。
第三講義は夏の日射取得係数μ値と結露について。

午後1時前に始まった講義は講義の間に10分づつの休憩はありましたが6時近くまでノンストップの授業で、聞いている方もなかなか大変でしたが、今まで知らなかったこともあり、今まで疑問だったことも氷解し、先生も大変だったとは思いますが、とても有意義な講義でした。
また、宿題もでましたので、これからゆっくりと回答して先生にお送りしたいと思います。

住宅診断といった時に、耐震診断ばかりが注目されていますが、建物の劣化診断、そして、今回の省エネ診断というのは、とても重要な三大柱であり、それぞれに客観的な診断方法をおしえてもらうことが出来て、住宅医スクールに感謝しております。

と言いながら、この私も来年の1月には名古屋の住宅医スクールで、住まい手参加のサポートについての講師を務めるわけで、東京と同じく、熱い心の名古屋の受講生の前で有意義なお話ができるように頑張りたいと思います。

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2011年09月19日

家づくり学校

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昨日はNPO法人家づくりの会で行なっている「家づくり学校」の講師を努めてきました。
テーマは「木から考える」。
私が最初に木の品質についてのお話をして、そのあと、松澤静雄さんが流通のことと木を使う実践例の紹介という構成。
家づくり学校は今年で第三期目。2009年に1年生コースから始まって、昨年は2年生コースを、そして今年は3年生コースを開設しています。

昨日は1年生コースの第五回目でした。

家づくり学校は住宅の設計を志す人たちに、家づくりの会のメンバーが自らの実践にしてきたことに基づいた、より実践的な講義をしてゆきます。
住宅のほとんどは木造で、その木造を支えている木についての知識は、設計事務所、工務店ともども、意外とないのが現状。少しでも木について知ってほしいとお話させて頂きました。

講義のあとは好例の懇親会。参加者も多く、大いに盛り上がった懇親会。懇親会のあとは二次会ということで私の事務所にて受講生が数名よってくれて、ビールなど飲みながら夜のふけるのを楽しみました。

こうして次の世代の人達とつながっていゆくのはいいものですね。

なお、家づくり学校1年生コースは途中からの受講も可能です。詳しくは家づくりの会のホームページを御覧ください。

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2011年09月16日

ストック型社会とシェアハウス・デザインリノベーション

シェアハウスがこのところ人気なのだそうです。
昨日のFacebookでシェアされた記事です。

「交流」「共同」が魅力のシェアハウス 震災と大手参入でブーム再燃の兆し(週刊ダイアモンド)

この春まで大学院で集合住宅の研究に関わっていたうちのスタッフに聞くと、建築学会の研究論文もシェアハウスをテーマにしたものがとても多くなっているのだそうです。
そのスタッフに「ひつじ不動産」って知っていますか?と聞かれて、勉強不足の私は全く知らなかったもので、一生懸命ネットで検索して調べてみました。「ひつじ不動産」というのはシェアハウス専門のポータルサイトなんですね。

価値観を共有したものが一つ屋根の下で一緒に暮らすというのが、このところのシェアハウスの基本コンセプトのようで、「ひつじ不動産」でも「キーワード=価値観」が物件を探すときの大切な要素になっています。

シェアハウスの住人は一生そこで暮らすということはあまり考えてはいないようです。定住よりはその時の価値観が大切ということなんですね。そして、最終的には同じ価値観を持ったものが集まるグループホームというシェアハウスにたどり着くのでしょう。

じつは、数年前のことです。シェアハウスにこれから人気が集まるだろうなと、賃貸アパートの計画を相談されたときに提案してみたのですが、その時は完全無視されて実現ならずだったのですね。この数年でずいぶんと変わったということでしょう。

この変化の要因は色々分析できると思いますが、それよりも、戦後の復興期から続いてきたマイホーム至上主義といいますか、持ち家志向が、大きく変わってきているのだなという点が面白いと思いました。

一方、これは今日のFacebookでシェアされた記事ですが、長期優良住宅への関心の高さが持続しているのがわかります。

長期優良住宅認定 3カ月連続で1万戸超(新建ハウジング)

長く住み続けることが出来るというのが長期優良住宅です。私も社会が消費型からストック型へ変わってゆくために長期優良住宅という制度は大切だと考えています。この記事を見ていると持ち家志向が決して弱くなってはいないということもわかります。シェアハウスの動きと相反する動きのようにみえます。

そんなことを考えていると、今度はスタッフが「ブルースタジオ」って知っています?と聞いてきます。はたまた不勉強を露呈している古川ですが、全く知らないもので、こちらもせっせと検索してみますと、デザインリノベーションで不動産を有効活用しようというところみたいです。

ホームページを見てみますと、実におしゃれにリノベーションされた物件が並んでいます。すべて住宅です。でも、そのおしゃれ感は、どこかショップのような感じがあります。あるいは、カフェみたいな感じです。ショップもカフェも、日常空間ではありません。要するに、今まで住宅になかった感じがそこにはあるのですね。一見して、こういう空間は飽きるんじゃないかなと思いました。でも、よく考えたらこれらは賃貸なんですね。飽きたら引っ越せばいい・・・。そういう考えも成り立つのでしょう。

ただ、ブルースタジオは中古住宅のリノベーションがメインです。箸にも棒にもかからなかったボロボロの中古住宅を、大勢の人が住みたいと思える素敵な空間に変身させているわけです。これは実はストック型社会を実践しているわけです。

長期優良住宅とデザインリノベーションが、この時、私の頭の中でひとつに結びつきました。
スケルトンとインフィルの考え方です。
長期優良住宅で提供されたしっかりとした住まいの箱をスケルトンとして、そこにデザインリノベーションで息を吹き込みながら使い続けてゆく。
それは、持ち家でなくて良いですね。社会のストックとしてシェアされるスケルトンに、自分の価値観を実現するためのデザインリノベーションで生まれた空間を価値観を共有する者どうしで住むという、シェアハウスも成立します。

社会は、スケルトンの箱を「生産する側」と、デザインリノベーションで「再生する側」に別れて協業してゆくことになるかもしれません。そして、その時、私が考えるハーフビルドの考えが、デザインリノベーションの「再生する側」の有効なツールとなるに違いありません。

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2011年09月08日

住宅医スクール東京 第四回目

昨日は「住宅医スクール東京」の第四回目。
第三回目に引き続き耐震改修のお話です。

<第一講義 構造的不具合の原因と対策-3 講師:鈴木竜子さん>
山辺さんの事務所でご活躍しておられる、鈴木竜子さんのお話です。
今回の東北を襲った地震は周期が1秒に満たなかった。木造に被害が出るのは周期が1秒前後で阪神淡路の地震の周期は1秒だった。そのために、東北では地震の被害は大きくならなかったとのこと。
そして、きたるべき地震に対応するためには地震で起こるうる被害について良く知ることが大切だということで、阪神淡路・中越地震での被害を写真でみながら解説。中越地震で崩壊した酒蔵が屋根面の水平剛性が足りないことが原因だったことなど。
また、そもそも、耐震診断は大規模の地震が起きたときのことだけを考えたものであり、新築の場合の構造設計が中規模地震の時のことも考慮するので、考え方が大きく違うということです。
耐震改修としては接合部にかかる引張力で、接合部が外れてしまうことが一番怖い。そのため接合部の補強は大変重要だということです。
あと、柱の根継ぎをしているところでは筋交いによる補強を避けて構造用面材を使うべきだとか、実用的なおはなしも数々あって、大変有意義な講義でした。

<第二講義 既存住宅改修の実践-1 講師:豊田保之さん>
京都で活躍されている建築家の方で、今回の講義はもっぱら実践にそくしたものとなっていました。
伝統木造住宅の実例では、延べ床面積で100坪の大きな古民家を二世帯住宅に改修する工事で行われた耐震補強について。事前の詳細な調査では、24人日の作業量がかかったとのこと。0.24人日/坪です。その多くが学生のボランティアだったために、専門的な知識を持った経験者が集まれば労働時間はもっと短縮できるということです。それにしても、調査にかける時間がすごいですね。
現代木造住宅の実例では、延べ床面積35坪の一般的な在来工法の住宅で築年数も30年です。詳細調査委にかかった労働時間は16人日。伝統木造に比べて規模が小さいので時間はその分減っていますが0.46人日/坪と規模による割合からみると2倍弱です。逆に一般的には35坪程度の物件が多いでしょうから、この規模での調査にかかる時間を基準にして考えたほうがいいでしょう。
質疑でも、この点が取り上げられていました。

<第三講義 既存住宅改修の実践-2 講師:鈴木竜子さん、佐藤孝浩さん、豊田保之さん>
第三講義は趣向を変えて、豊田さんが構造設計者のお二人に、耐震改修に当たっての実践的質問コーナー。佐藤さんは第二回でも講義をされていた桜設計集団で構造設計をやっておられるかたです。
実はこの第三講義が一番面白かった。日頃、耐震改修についてどう判断したらいいのかと悩んでいた事柄が数多く出てきていて、そのひとつひとつが興味深いものばかり。その質問に対する専門家の回答も大変面白かったです。

というわけで、次回10月の第四回目は、温熱改修についてです。こちらもとっても楽しみです。

投稿者 furukawa_yasushi : 12:10 | トラックバック

2011年09月01日

仮設住宅考

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今回、東北に行った目的の第一は仮設住宅の視察でした。
家づくりの会の先輩建築家藤原昭夫さんが提案し実現した宮古の仮設住宅を中心に、アトリエ天工人が中心となって提案されているトレーラー型の仮設住宅も石巻にあるというので見にゆき、メディアで話題になっている住田町の仮設住宅も見学してきました。
上の写真は藤原さんの仮設住宅です。

仮設住宅とは災害で家を失った人たちを一刻も早く避難所生活から開放することを目的に作られる住宅です。一刻も早くですから、いちいち設計している余裕はありません。プロトタイプ化されていて予算も決まっています。1〜2ヶ月程度のうちに入居というような厳しいスケジュールで建設されます。しかし、今回は建設地がなかなか見つからずに仮設住宅の提供が大幅に遅れました。

ちなみに、中越地震の時には私の実家がある長岡ニュータウンという高台の住宅地で、今まさに販売を開始しようという宅地、つまりインフラも全て整った更地が沢山にあったため、そこを使ってあっという間に仮設住宅は完成していたと思います。山古志村の人たちはほぼ全員がそこに建てられた仮設住宅にそれほど間をおかずやってきていました。

藤原さんは厳しいスケジュールという突き付けられた条件のなかで、用意されていたプロトタイププランを使うことから始められたそうですが、その9坪平屋のプロトタイプでは4畳半の個室が簡易な間仕切り壁を隔てて2つ並んでいました。たしかに個室が2つということにはなるでしょうが、これでは使い勝手があまりにも良くない。そこでこだわったのが間仕切り壁を建具にするという提案でした。予算が決まっているプロジェクトです。簡易な間仕切り壁の部分を建具にしただけで大幅なコストアップになるのはわかっています。それでも、その仮設住宅で繰り広げられる人々の生活を考える時に、安易な解決は絶対にやってはいけないことだと藤原さんは考えたに違いありません。

実は、先の中越地震のあと、実家がそばにあったということもあり、帰省するたびに仮設住宅の前を通ることになりました。仮設住宅は2年間で退居することが前提です。仮設住宅利用者はその2年間で新しい生活への地盤を固めなくてはならないのですが、長岡ニュータウンの仮設住宅は5年経っても、少なくない数がそこにあり続けたのでした。
中央に対して地方は高齢化が進んでいます。家を失ったとしても新しい家を建てるような余力を持った人はそれほど多くはないのです。仮設住宅に入ったはいいけれども、退居を約束した2年後に新天地のあてを思い描きながら入居される方はほとんどいないのだと思います。
仮設住宅は2年で退居が原則なのかもしれませんが、高齢化社会ではそれはとてもとても難しいことだと思います。とすれば、2年間我慢してもらえば良いというような家を作るのではなく、5年間ちゃんと住める家を提供しなくてはいけないでしょう。5年間ということになれば、家は自在に使えなくてはいけないでしょう。間仕切り壁ではなく建具で仕切るということはとても柔軟に人々の生活を受け止めてくれることでしょう。
そして、そこにはコミュニティがちゃんと設計されている必要があります。人と人がつながることもちゃんと考慮されていなくてはいけない。実は遠野にあった仮設住宅ではそうしたコミュニティ空間が仮設住宅の中に実現されていたのです。
遠野でそのようなことが実現できたのは、被災地から少し離れていたために、ちょっと冷静になれる時間があったからではないでしょうか。スケジュールをきっちりと守るのは緊急事態においては一番大切なことだと思いますが、いろいろ考えさせられもしました。

震災から5カ月半たった今。仮設住宅から復興住宅へと少しづつですが人々の関心も移っているのかもしれません。被災地にあったタマホームの営業所には沢山の赤い旗がたなびいていました。それは、私には悪いことには見えませんでした。新しい家を持つということは、次の世代の人々にとっては大きな心の拠り所となるに違いないのです。
そして、タマホームの旗を見た時に私も旗を挙げなくてはいけないと思ったのです。
そこにあるのはローコストの世界です。経済的な負担をできるだけなくしたところにある、自分のこだわりをあきらめないで実現する家。工業化によるスケールメリットを生かしながら、自由であること。そんな家が可能なのか?自問自答。そのひとつの答えをもうすぐ発表できると思います。

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2011年08月23日

東京都木造住宅耐震診断技術者講習会

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日曜日の「suijin_House」の見学会が午前中だけだったのは耐震診断の講習会に参加するためです。
東京都には、都内の住宅の耐震改修を促進するために、独自に耐震診断の講習会と試験を行い試験に合格した建築士を登録する制度があります。
私も平成20年に講習会を受けて試験に合格、東京都に登録しております。
豊島区などは耐震診断に助成金があって(15万円!)その助成金を受けるためには東京都に登録している耐震診断士による診断を受ける必要があります。
登録している耐震診断士は定期的に東京都の指定する講習会を受講することが義務付けられていて、今回の講習会がそれにあたるというわけです。

耐震診断を早急に都内の全住戸で行い、必要な耐震改修をすみやかに実施しておくことが、関東圏を襲うと言われている大地震に対しての被害を最小限に抑えることになるのは言うまでもありません。そのために、構造設計の専門的な知識がなくとも建築士であれば実施できる「一般診断法」による診断の普及と促進がすすめられています。私も、今まで「一般診断法」による診断をこなってきました。しかし、やはり、やればやるほどもっと詳細に診断をしてあげるほうが良いと考えるようになりました。

耐震診断には「一般診断法」ともうひとつ「精密診断法」というのがあります。この二つの診断法の違いのひとつは、建物の劣化についての詳細な調査が「精密診断法」では求められるところにあります。「一般診断法」に比べて調査が大変ですが、その代わりに耐震改修を前提とした場合にはやっておいて損はない調査ですから、それだったら「精密診断法」を最初からやっても良いのではないかと考えたのです。

そこで、決心をして「精密診断法」ができるパソコンソフトを導入。これからは精密診断を前提に耐震診断を進めてゆこうと思っています。
また、「一般診断法」で診断させていただいた方にも耐震改修の依頼があれば「精密診断法」で再診断を行ない耐震補強の方法をより詳細に検討させていただこうと考えています。
アトリエフルカワの業務に「精密診断法による耐震診断」が加わったというわけです。

私は、中古住宅を有効に使ってゆきたいという気持ちで「リフォームのひみつ」という新聞連載を書かせていただきました。ちょっと手直しすれば まだまだ十分に使える住宅が、どんどん壊されています。そんな様子を街で見かけるにつけて、こころの痛む思いをしてきました。リフォームには大きな可能性があります。その可能性を裏付ける耐震改修の技術も、どんどん進化しています。アトリエフルカワでは、これからも耐震改修を含めたリフォームの仕事を積極的に進めてゆきたいと考えています。

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2011年08月06日

LCW

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goma_Houseの引渡しでちょっと座らせていただいたイームズのLCW。やっぱり欲しいなあと思いまして注文。我が家にもやって来ました。
ところで、これ、おいくらだと思います?

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2011年08月04日

住宅医スクール東京 第三回目

住宅医スクール東京の第三回目が昨日行われました。
今回は耐震診断の実務。

第1講義の講師は桜設計集団の佐藤孝浩さんで「構造に関する法規・基準関連」。

構造設計用語である「損傷しない」「倒壊しない」の説明から始まり、建築確認が必要な増築工事において既存建物の構造を「既存不適格」と出来る場合話。そして、2000年の法改正により壁基準強度が変わったこと、4号建築における構造的な基準、をお話いただいた後に、耐震診断の流れにふれていただきました。

第2講義の講師は静岡で設計事務所をやっておられる清水利至さんで「構造的不具合の原因と対策1」。

こちらは、耐震診断の実践。静岡では耐震診断に対して古くから公的な助成を行っていますが、そのワークフローの流れの紹介から始まりました。しかし、一般診断への助成金が3万円というのは大変だなと思いました。私が事務所を構える東京都豊島区では耐震診断に対して15万円の助成金がでます。診断法は一般診断で良く、引き受ける耐震診断士も十分に調査と診断が出来る額になっています。
とはいえ、清水さんは地域の町医者として耐震診断を何件もやっておられて、そういう活動は社会的に大変意義があると思いました。

第3講義はふたたび桜設計集団の佐藤さんで「構造的不具合の原因と対策2」。

地盤や基礎の診断と対処法。そして、常時微動測定についてのお話でした。常時微動測定については、今ひとつ聞いていた私もぴんときていません。もうちょっと、勉強しないといけないと思いました。

今回の講義は質問の時間がたっぷりとられて、内容が実践的なものだっただけに質問の数も多く(私もいくつか質問させていただきました)、そのやりとりと内容が大変興味深いものばかりでした。そういう時は懇親会に参加するべきなんですが、今回は諸般の事情で懇親会はパス。ちょっと残念でした。

次回は9月7日。構造補強方法についてのお話になります。こちらも実践的な内容なので今から楽しみです。

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2011年07月15日

TILE

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先日、耐震診断にうかがったKさんのお宅。外壁の半分がタイル貼りになっている昭和9年築の雰囲気のある洋館です。その外観を何気なく見ていたのですが、なんだかちょっと違って柔らかい感じがします。なんだろうと、よく見たら、一枚一枚のタイルの大きさと焼き色が違っていました。そのちょっといびつな感じが、この柔らかな表情を作っていたのですね。

タイルのサイズは50mm二丁で目地は馬踏目地(まぶみめじ)。今でもこのサイズのタイルは外壁材によく使われていますが、最近のタイルは工場生産できっちりとサイズが狂わないようにつくられていて、おまけにこのサイズのタイルはあらかじめ紙に並べて貼ってあり、一気にたくさん貼れて、しかも目地も綺麗に仕上がるようになっています。ですから、このサイズのタイルを使うと、かなり合理的にきっちりときれいに外壁を仕上げることが出来ます。そういう今時のタイルでは、このような味わい深い表情は、やっぱりでません。大きさの幾分違うタイルを一枚づつ貼ってゆかないとこの表情はでないのですね。

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2011年07月12日

壁に描いたよ!

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荷物調査に伺ったお宅。
とっても荷物が少なくて、びっくりしていたんですが
荷物が少なくて大きくあいていた壁一面に子供たちが自由に描いていました。
壁はビニールクロス。ビニールクロスならば貼り替えれば良い。
家って、かしこまってばかりいてもつまらない、こういうふうに自由に使ってほしなあと思ったのでした。

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2011年07月11日

「使える!内外装材[活用]シート」---みんなの建材倶楽部

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「使える!内外装材[活用]シート」
著:みんなの建材倶楽部 出版:エクスナレッジ
amazon

設計仲間が本を作りました。
住宅を中心に、世にあまたある建材を使い尽くすための本です。
実はスタート地点では私も関わっていましたので、そういう本の完成はことさら嬉しいものですし、本の出来がいいとなればなおさらです。
設計事務所必携の一冊が出来上がったのではないかと思います。

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2011年07月07日

住宅医スクール東京 第二回目

昨日は住宅医スクール東京の第二回目でした。
午後一番から、1時間半の講義を3つ受講してきました。

住宅医スクールでは築年数のたった住まいを診断しどういう処置が必要かを検討し適切な判断をするための総合的な知識を学ぶことが出来ます。

今回は前回からの続きで

第一講義は「木造建築物の耐久性能と維持管理法 3」(講師:加来照彦)として、建物の建設年代からその建物のおおよその仕様を判断する方法でした。住宅金融公庫の仕様の変遷、サッシュメーカーの仕様の変遷、合板メーカーの仕様の変遷という膨大な資料を分かりやすくまとめてお話いただきました。

第二講義と第三講義は、「木材の劣化と対策」1、2。(講師:桃原郁夫)
木材腐朽菌とシロアリの被害とその対策法。この二コマの講義で、いろいろなところで聞いていたことを整理することが出来たと思います。

講義の後は懇親会。色々なお話を、色々な方とすることができました。

次回は8月3日。今度は構造の話です。今から楽しみです。

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2011年07月02日

昨日はアユミギャラリーへ

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昨日は神楽坂のアユミギャラリーに行ってきました。
静岡の建築仲間がつくる家づくり展」のオープニングです。
家づくりの会で以前行った静岡ツアーでお世話になった人たちが神楽坂に集いました。また、筑波大学の同窓でその後いっしょにお仕事もさせていただいたアトリエに樫の坂田さんも初参加。これはいかないわけにはゆきません。
静岡や浜松から来られた懐かしい顔。
いろいろな話で盛り上がってきました。
展覧会は7月6日までです。

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2011年06月27日

家づくり学校3年生コース 第二回目

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NPO法人家づくりの会でやっている「家づくり学校」の3年生コース。昨日は第二回目で、半田雅俊さんから温熱環境について、いくつかのキーワードから考えてみるという講義でした。
会場は半田さんが設計されたダイケン住宅さんのモデルハウス。
講義のキーワードは
1,断熱材の選び方
2,気密住宅
3,住宅の蓄熱性
どれも重要な興味深い話題ばかり。受講生も身を乗り出して半田さんの話に耳を傾けています。

家づくり学校は、住宅の設計に関わる人のための学校で、今期で第三期を迎えます。1年生コースから3年生コースまであり、すべてのコースは既に始まっていますが、1年生コースは途中受講も可能。申し込み受付中です。関心のある方は家づくりの会事務局までお問い合わせください。

家づくり学校 第3期 開講

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2011年06月13日

昨日は新宿のOZONEでお話しさせていただきました

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現在、OZONEで開催中の「建築家5人展」の連動セミナーで、昨日は30分ほどお話させていただきました。
ただ、残念ながら満員御礼とはならず空いている席もありましたが、セミナー終了後も残っていただき、パネルと模型の前で熱心に私の説明を聞いてくださった方も多く、その点では大変充実した時間になったかと思います。

パネルと模型の展示は来週の水曜日の6月22日までです。

<蛇足>
高速道路の休日特別割引が6月19日までになったみたいですね。それが理由とは思いませんが昨日のOZONEはスタッフも驚くほどすいていました。

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2011年06月03日

住宅医スクールがはじまりました

昨日から「住宅医スクール東京」がはじまりました。私も受講生として通年8回の全24講義に参加しますが、昨日がその第一回目でした。

「住宅医」とは、住宅の改修工事に先立ち行う住宅診断の専門家のことです。建築家の三澤文子さんが中心となって、イギリスなどの「建築病理学」を参照しながら体系的な方法論として確立しようとしておられます。「住宅医スクール」では、そうした知識や手法を学ぶことができますし、広く「住宅医」を育成してゆくことを目指しておられます。

「建築病理学」「住宅医」については、このブログでも紹介させていただいた「木の家リフォームを勉強する本」に詳しく紹介されていますので、興味のある方はご覧になってください。

その「住宅医スクール」は名古屋が先行して2009年から開講していますが、東京でも今年から始まったというわけです。

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2011年05月20日

「俳句入門」---寺山修司

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「俳句入門」
著:寺山修司 光文社文庫
amazon

いい俳句を詠みたいと思うならば先人の残した良い俳句を読むのが一番、ということで、いろいろな本で紹介されている俳句を読むことになるのですが、そのなかでも、はっ!とする句が時々あって、その作者は誰だろうかと気にすると、ここのところ寺山修司の名前によく出会うようになっていました。
寺山修司というと「田園に死す」とか、私の場合にはまずは鮮烈な映像作家としてあるのですが、実は高校時代に俳句の世界でその名を知られるようになったということはつい最近知ったのでした。
しかし、俳句から短歌へと定型詩でその実力を世に知らしめた寺山は20歳で俳句を詠むことを一切やめてしまいます。
その後の寺山の活躍は多くの人の知るところ。その活躍があってこそこうした高校生時代の俳句に関する原稿を集めた本も出版されることになるのでしょう。ですから、この本は「俳句入門」とありますが作句の本ではなく、若き(青森の高校生)のいささか青臭い俳句に関する批評的言説集。寺山修司という人物を深く知るための一冊というところでしょうか。

「俳句入門」を期待して読んでいたので、ちょっと肩透かしではありましたが、誰もが詠める大衆文学としての俳句というようなことを言う人に対して、俳人とはなにか?と問う寺山の問いかけが私の関心を呼びました。私が考える、住まい手参加の家づくりに共通した大きな問いかけがそこにはあるからです。

寺山は詩を吟ずるということは祭り事であり、詩人・俳人は祭司であるから、彼らが詩や俳句を詠むのは一般の人が詠むのとは違った意味合いがあるのだ、というようなことを言っています。
そういえば、家づくりも同じです。家づくりは祭り事であり、それを司る大工の親方は棟梁として神様に近い存在として家づくりの中心にいたのです。
現代社会になって、様々なものが変わったとはいえ、家づくりが祭り事であることは変わっていません。もちろん、住まい手参加の家づくり、ハーフビルドの家づくりも祭り事としてあるべきだと思うのです。その時に、昔の大工の棟梁が司っていた祭司としての役割を誰かが果たす必要がある。ひょっとして、ハーフビルドでの祭司は建築家か?いやいや、住まい手が自ら祭司となるのか。これは、ハーフビルドの家づくりを考えるときに忘れてはいけないことだなと思ったのでした。

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2011年05月16日

昨日は杉並臨時講座でした

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昨日は家づくりの会の仲間である山本ミヤ子さんが中心になってやっている杉並講座の臨時講座でした。私はゲスト講師として参加。今回のテーマは「住宅診断と耐震リフォーム」。
講座は、落合雄二さんが耐震診断の基礎知識のお話をして、つづいて山本ミヤ子さんが杉並区での耐震診断及び耐震リフォームへの補助金などの対応についての話と実際の耐震リフォームの実例を紹介。ここで休憩をとって、後半に、私と荒木毅さんが耐震リフォームの実例を紹介させていただきました。
参加者はおよそ10名ほどの家庭的な講座になりましたが、参加してくださった方々にはなにか参考になることがあれば幸いです。

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2011年05月15日

木の家スクール名古屋2011

昨日は「木の家スクール名古屋」の第一回目の講師としてお話ししてきました。
会場は名古屋工業大学です。
40名以上の参加者を前に少々緊張気味。
依頼されたお題は「ハーフビルド」。住まい手参加の家づくりの実践的なお話ということで、今までやってきたことを整理してお話させていただきました。
参加してくださったのは設計事務所の方と工務店の方、いわゆるプロの方々です。こうしたプロの方々にハーフビルドのメッセージが伝わったでしょうか。
懇親会の席では概ね良好な感想をいただきました。また、持っていった書籍はほぼ完売。ありがとうございます。

この日の講義は、シティ環境建築設計の高橋昌巳さんさんとのダブルヘッダー。高橋さんは直営式・CM方式を取り入れた家づくりを実践されている方で、この世界では知らない人はいないほどの方。そういうかたと一緒にできるというのは大変光栄なことです。

高橋さんのお話は実践に基づいているため一つひとつの言葉に力があり、聴く者の心をつかみます。建築家とはこうあらねばならないなあと思うことしかり。印象に残った言葉は「設計者は作り手とフェアな関係でなくてはいけない」というもの。フェアであること真摯であること、住宅設計者に限らず建築家にに大きく求められていると思います。私のハーフビルドも一般の方とプロとの協業を目指していますがお互いの真摯さがなければうまくゆきません。なにか大きく通じるものがあるなあと、高橋さんを心の師匠とよばせていただきたいと思いました。

<追伸>
Facebookでお友達だったタグチホームの田口さんとお会いすることが出来ました。田口さん、リアルタイムでFacebookに私の講義の様子をアップされていました。なんと冒頭部分の動画も撮影してくださっていてFacebookで見ることが出来ます。まさに、個人がメディアになる。素晴らしい時代が来たと思いました。

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2011年04月28日

新宿OZONEで建築家5人展がはじまりました!

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本日より、新宿のOZONEで建築家5人展がはじまりました。
テーマは「いま建築にできること---持続可能な社会のために」。
住宅設計者として持続可能な社会のために建築で何が出来るのか、展示には参加者それぞれのメッセージが詰まっています。
私も5人のひとりとしてパネルと模型の展示をさせていただいております。
会期も長いのでOZONEに行かれましたら6階の吹き抜けのあるスペースへ足をお運びいただけましたら幸いです。

会期:4月28日〜6月21日 入場無料 水曜日休館 10:30〜19:00

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2011年04月18日

春の家づくり講座、初日でした

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昨日はNPO法人家づくりの会が主催する連続講座の初日でした。
今回のテーマは「家をつくるということ」。
私はその初日の講座で「予算と設計監理」についてお話させていただきました。

とはいえ、この日のメインは第二部の建主さんを招いての対談。家づくりの会の宮野さんが聞き役となり設計者の高野保光さんと建主さんとの家づくりにまつわる様々なお話をお聞きしました。

連続講座は来週も再来週もあります。まだまだ若干ですがお席に余裕があるそうですので、ご興味ご関心のある方はぜひとも参加してみてください。

家づくりの会春の連続講座

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2011年04月15日

荏油(えあぶら)

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sengen_House(R)で作った杉板の間仕切り壁に何を塗ろうかと思っていましたが、ホームセンターで「荏油(えあぶら)」というものを見つけたので試しに塗ってみました。
「荏油」は植物性の油で「エゴマ」の種を絞ったもので古くから木工製品の艶出しに使われています。同類の油としては「亜麻仁油」が有名ですが、実は私、正直言いまして「亜麻仁油」の匂いには、ちょっと馴染めないわけで、もし「荏油」も「亜麻仁油」みたいな癖のある匂いだったらどうしようか心配でした。しかし、そんな心配はいらず、もっと食用油、たとえばごま油とかサラダ油とか、そういう香りだったわけです。
価格はちょっと高めですが、よく伸ばして使えるので使いでがあり、意外に経済的かもと思ったりしているわけです。
塗って気がついたのですが、木材との親和性がいいのか、深く滲みこみ色合い風合いが良い感じで出てきました。

太田油脂株式会社

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2011年04月12日

「設計監理を極める100のステップ」---家づくりの会

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「設計監理を極める100のステップ」
著:家づくりの会 発行:エクスナレッジ
amazon

家づくりの会の仲間と本を作りました。
ひとことで言うと設計監理の本です。
今までは、現場監理の本はありましたが設計監理の本、特に住宅の工事に特化した設計監理の本はなかったのではないでしょうか。
設計施工も含めて、住宅設計に関わる人たちにおすすめ出来る一冊になったかと思います。

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2011年02月23日

リクルート社「ハウジング」2011年4月号

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リクルート社の住宅雑誌「ハウジング」2011年4月号の特集「あこがれ間取りプラン集」を監修させて頂くとともに、私が設計させていただいた「MUSE_House」「T.K.M._House」「S.H._House」をご紹介いただきました。
写真はカメラマン小林キユウ氏による撮りおろしで、光の絶妙な加減、ご家族の表情の豊かな瞬間をとらえた秀逸なものになっています。

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2011年02月03日

「住宅工事現場写真帖」への嬉しいメール

拙著「住宅工事現場写真帖」をお読みいただいた
Tomy-rinmei_HouseのTomyさんから
昨年の暮になりますが嬉しいメールを頂きました。

古川さま

いつもお世話様です。Tomyです。
『住宅工事現場写真帖』読ませていただきました。
(今度サインいただかなきゃ!)

僭越ながら感想を。。

家の補修やプチリフォームといった、
日曜大工の延長に絶対ニーズがあると思います。

私自身も、ワックスやペンキを塗るようなメンテナンスや、
外のブロック塀に左官の真似ごとをしてみたりとか、
実家では床をフローリングにした(釘締めやりました!)とか、
壁紙やタイル貼ってみたりとかとか・・・

こういうのって、幸いにして父のおかげで私には身近にあったし、
私が父親から教わったように、子供たちにも家を自分でメンテナンスしていくことを、
見せていきたいなと思うのですが、
意外にも多くの人が、自分で思いの外簡単にできるってことを「そもそも」知らないんですね。。

ホームセンターで部分的に「簡単だよ」的な謳い文句はみるものの、
まとまった、網羅的かつ商品の販売に直結しないものはなかなかないわけで、
これはいい本だなと強く思いました。

実は「セルフビルド」「途中までプロに任せて…」という古川さんの言葉に、
ちょっと敷居が高いかな、、時間が贅沢に使える人の話かな、、
と誤解していた節もあったのですが、これは違うと思い直しました。(スミマセン)

家はメンテナンスをしながら長期にわたって自分に馴染ませていくものだと思います。
決して使い捨ての消耗品ではない。
だから、そういう視点で「家づくりを取り戻す」⇒「家を自分のものにしていく」
そういう本になりえるなとそう感じました。

年の瀬、きっとお忙しいと思います。どうか無理はなさらぬよう。
どうぞ良いお年を。
来年は年男ですよね?(私もです)

Tomy

私がこの本を書いた意図を私にかわって言ってくださっているなあと、とってもとっても嬉しく思ったのでした。

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2011年02月02日

にっとこう

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写真は財団法人日本塗料工業会(通称「にっとこう」)が発行している「塗料用標準色(ポケット版)」というものです。632色の色が標準色として収録されており、建築の様々な色を指定するときに使います。

実は、この見本帳は2年ごとに改定されていて、色番号などがその都度整理されています。ですから、古い見本帳の番号で指定しても現場で混乱が生じることがあるのです。そのために、有効期限が定められていることをこの前初めて知りました。σ(^_^;)
今回購入した見本帳は2011年版で有効期限が2013年になっていました。

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2010年12月31日

2010年の最後に

「住宅工事現場写真帖」ですが、
amazonでも発売開始となり、何人かの方からは
注文していた本が手元に届きましたよという嬉しい知らせが届いています。
赤坂の駅前の本屋さんで、この本を手にしている女性を目撃したというお知らせもいただきました。
嬉しい限りです。
お世話になっている方で献本しようと思っていた人たちの中には
既に書店で購入してくださっていたりと、本当に皆さんに感謝するばかりです。

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2010年12月22日

「住宅工事現場写真帖」---刷り上がってきました

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おおおおお!
届きました。
「住宅工事現場写真帖」。
初の単独著書です。
今まで、何度もゲラの状態では見ていましたが、こうして本になってやってくると感慨深いものがあります。
一般の書店に並ぶのは来週くらいからのようです。
amazonでは予約開始。24日発売となっています。

書店に並び始めたら、またレポートいたします。笑

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2010年11月15日

「建築家のピカイチ間取り集」

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「建築家のピカイチ間取り集」
文化出版局
amazon

家づくりでは、間取りだけが大切というわけではないですが、やはり、自分たちにあっている家を考えてゆくには間取りは役に立ちます。
建売のような決まりきったプランでは、なかなか解決できないことも少なくないわけで、そういう時に、他の方のお住まいの間取りを覗いてみると、そこになにか解決のきっかけが見つかるかもしれません。

この本は数十名の建築家が手がけた間取りだけを集めた本です。

大きなページ分けは建物の大きさ別で、巻末には「狭小地」とか「中庭」とかのキーワード検索も出来るようになっています。もちろん、建築家別のインデックスもありますが、どちらかといいますと、建築家は脇役で間取りが主役という本です。

私も三つのお宅の間取りを掲載させていただいておりますが、建築家が前に出ていないのがとってもいいなと思ったりしております。

というわけで、寒くなってきたこの頃、部屋を暖かくして間取りを眺めながらそこでの生活を思い描いてみるのも、ちょっとマニアックかも知れませんが面白い時間の過ごし方ではないでしょうか。

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2010年10月22日

「ゼロから始める都市型狩猟採集生活」---坂口恭平

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「ゼロから始める都市型狩猟採集生活」
著:坂口恭平 出版:太田出版
amazon

著者の言う「都市型狩猟採集生活」というのには、ちょっと「?」でしたが、本書の内容については大いに共感できる部分がありました。
一番面白かったのは省エネ生活。人間はどこまで省エネで生活できるのか。この大いなる問の答えは路上で暮らす人々の生活にあります。自分の体にぴったりあったダンボールの箱に身を埋めれば体温だけでずいぶんと暖かく快適に眠ることができる。配給される一日二個のおにぎりと、あと少しの食べ物で十分にお腹いっぱいで元気に暮らせる、とか。
面白いなあ、面白いなあ、と気に止まったページの端を折っていったら、ずいぶんと沢山のページの端が折れていました。

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2010年10月14日

小さな小屋

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ハーフビルド合宿のあとで菅沼さんが
小さな子供たちと一緒になって作った小さな小屋を見せてくれました。
この小さな小屋には子供たちの大きな夢が宿っています。

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2010年09月22日

「新建ハウジング」 Vol.526でハーフビルド紹介

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住宅業界の新聞「新建ハウジング」の最新号(Vol.526)で
ハーフビルドの活動を大きく紹介していただきました。

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2010年09月09日

「ドゥーパ!」2010年10月号にエッセイを書きました

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学研の雑誌に「ドゥーパ!」というセルフビルドサポートの雑誌があります。
今月号(2010年10月号)は、自分で作ったご自慢のガレージ・カーポートが紹介されています。見ていると、どれも力作でいろいろな工夫がされています。レベルが高いですね。

その「ドゥーパ!」にエッセイをが書かせていただきました。

DIYとはなんぞや?という問に単刀直入、ストレートに応えるというのがお題。
タイトルも「DIYとは◯◯◯である」で決まっています。

そこで、私のタイトルは

「DIYとは、自然の恵みを味わい尽くすことである。」

千葉県の森をいかす会のイベントの話や
セルフビルダーハンスさんのことにもふれさせていただいております。

DIYこそ、自然の恵みを味わう喜びに満ちている、という
セルフビルドサポートしている私からのメッセージです。

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2010年08月01日

M-1

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M-1にお住いになっている方のご好意で見学させていただくことができました。
「M-1」と言っても漫才グランプリではありません。
「セキスイハイムM-1」という1970年に発表されたユニット式住宅です。
開発に関わったのが建築家の大野勝彦氏。
「無目的な箱」と呼ばれた2.4mX4.8mの平面モジュールで高さが2.7mという鉄骨のラーメンフレームをひとつの単位として、その組み合わせで住宅をつくるシステムなのですが、デビューとなった1970年代当時としても画期的なシステムでした。
単位モジュールの組み合わせ方など、M-1が紹介されている書籍の情報ではよくわからなかったことが、実際に見学させていただくとよくわかりました。
面白いのは、ひとつのユニットが仕上げまで工場で完全に完成されていて、それを現場でつなぎ合わせる方式が徹底されていたこと。工事中、というか組み立てている時の写真も残されていて、それも見せていただきましたが、とても新鮮でした。
工業化住宅が進もうとした一つの方向がはっきりと明確に実践されていたのだなと思います。
M-1のデビューの後「工業化住宅」は「商品化住宅」に変貌してゆき、M-1は「商品化住宅」になりきれずに広く普及することはなかったのですが、これからの住宅を考えるときに、M-1が示した一つの方向性は再評価される必要があるのではないかと思っています。

M-1 アーカイブス

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2010年07月07日

「リフォームのひみつ」ご紹介いただいております

全国の新聞で連載されている「リフォームのひみつ」。
いろいろな方がご紹介してくださっています。
ありがたい事です。
その中のいくつかをご紹介いたします。

円熟!家づくりマスタースクール

旧エコ的大工くりきのリフォーム考

堀井事務所所長のブログ「許可があって安心」

リフォームへの関心の高さがわかります。
私が書かせていただいたことに共感してくださっている方が多くて嬉しい限りです。

「リフォームのひみつ」全15回の記事をご希望の方にお送りいたしております。
メールでお問い合わせ下さい。

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2010年06月14日

「iPhoneとツイッターはなぜ成功したのか?」---林信行

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「iPhoneとツイッターはなぜ成功したのか?」
著:林信行 発行:アスペクト

ポッドキャストを通じて公開された著者の林信行氏とフリー編集者山路達也氏の対話を山路氏がテキストとしてまとめたのが本書です。が、「本書」と言いながら、書店でも販売されていますが、私が読んだのは厳密に言うとこれは書籍ではありません。
私はiTunesのApp Storeからダウンロードして通勤電車の中、iPhoneで読みました。誰でもダウンロードできます。私がダウンロードしたときは無料でしたが現在350円。いわゆる電子書籍。ちなみに、書店で販売している書籍版は1200円。
新書くらいの文章量でしょうか。iPhoneの画面に対する文字の大きさや文字数がよく考えられていて気分良く読むことができました。
電子書籍というと話題のiPadということになるのでしょうが、iPadは通勤電車の中で使うにはいささか大きいような気がします。その点、iPhoneは片手でもって親指を使って頁をめくることが出来ます。

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2010年05月15日

EXnavi Vol.02

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EXnaviという四国化成が作っている広報誌に
エクステリア製品を使った中古住宅リフォームのアイデアを6頁にわたり書かせていただきました。

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2010年05月07日

0676_House---ヤング係数

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4月30日のことですが
建主さん立ち会いのもと
0676_Houseに使う梁材についてヤング経数の全数測定を行いました。

測定機械はATA社のハンディグレーダーHG-2001。
JAS認定の測定器です。
今回は木の研究会の仲間である秩父の金子製材さんよりお借りしました。

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2010年04月21日

新聞連載「リフォームのひみつ」

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各地方新聞で共同通信社配信の連載が始まっています。
テーマは「リフォームのひみつ」で全15回。
良質な中古住宅をリフォームして住みこなそうというすすめです。

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2010年03月02日

建築設計契約は「請負」か?---建築ジャーナル3月号

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現在、発売中の「建築ジャーナル3月号」の特集は「建築設計契約は請負か?」。
オーガニックテーブルさんの昨年の敗訴から、いろいろなところで話題になっているテーマです。この特集の中で、アトリエ系事務所を主宰している建築家が集まり座談会が行われ、私も参加させていただきました。
座談会では、特に住宅設計をする立場から意見や問題意識を発言させていただきました。
3時間にわたる座談会は内容も相当に濃いものでしたが、建築設計事務所の職責と職能について考えさせられ、そこから得ることが多かったのです。誌面の都合でそのほとんどが割愛されてしまいましたが。
それはともかく、今回の特集のメインとして、オーガニックテーブル代表の善養寺さんへのインタビューに加えて、被告側・原告側のそれぞれの弁護士さんの長文のコメントが掲載されているのが興味ぶかい。当事者のそれぞれの立場からのコメントをあわせて読むことで、我々は今回の全要を、その一端ではあるかもしれませんがうかがい知ることが出来るからです。

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2010年02月02日

時間

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土曜日は京島のLoveGardenさんに
岩城里江子さんのアコーディオンを聞きに。
岩城さんの演奏は素晴らしくて
LoveGardenさんの雰囲気と相まってとてもいい空気ができていました。
ふと足元を見ると、使い古された、たぶん松板であろうフローリング。
いい味を出しています。
もちろん、これは本物の無垢板だからの表情なのですが
本物の時間がここには刻まれているのです。
本物がいいのは本物の時間が刻まれるから。
「やっぱり、木の家がほしい!」でも書かせていただいた木の魅力です。
アコーディオンのアコースティックな響きが
本物の時間の中で、嬉しそうに響いていた、とても素敵な時間がそこにはあったのです。
そして、家づくりにも本物の時間が必要なのだと、あらためて思って帰ってきたのでした。

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2010年01月25日

「変わる家族 変わる食卓」---岩村暢子

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「変わる家族 変わる食卓」
著:岩村暢子 中公文庫
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本を読み進めながら、これほどまでに複雑な思いが沸き起こってきた本も、今までなかったというのが正直な感想です。トラウマになりそうなくらいのショックです。
著者を中心におこなわれた「食DRIVE」調査の1998年から2002年までの5年間の結果について考察されています。
「食DRIVE」調査とは、首都圏に住む1960年以降に生まれた主婦を対象におこなわれた食卓の調査。調査は三段階で行われ、最初に食事に関するアンケートが行われ、次に三食一週間分の食卓にのったものをそのまま記録して写真撮影しコメントとともに提出。最後はこれらのアンケートと食卓レポートを元に面談によるヒアリングを行ったそうです。

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2010年01月24日

家づくりカフェ、終了

「家づくりカフェ」終了。
大勢の方においでいただきましてありがとうございました。
木は生き物であることをとかく忘れがちですが
生き物だから、私たちの生活をやさしく包んでくれること。
木の家は長くすみ続けることの出来る素敵な生活の器だと言うこと。
「やっぱり、木の家が欲しい!」を書いて伝えたかったことの
ほんの一部ですがお話させていただきました。
皆様の家づくりの一助になれば幸いです。

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2010年01月21日

ペレットストーブ

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長谷川アトリエ在籍中にお世話になった太田さんのご自宅に、先日おじゃましてきました。
奥様は子どもたちに英語を教えておられるのですが、その英語教室に使われている部屋にペレットストーブがありました。
夕方になって冷え込んできたので、着火。
火が見える家は良いですね。

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2010年01月18日

瓦礫から

15年前の1月17日の早朝。阪神・淡路地区を襲った大地震。その被害の大きさは激しく、三週間後にボランティアで行った私の目の前にあった光景は今でも忘れられません。
瓦礫の街。
昨日は震災の日を記念してテレビで特番が放映され、すっかりと復興した街並みが映し出されます。
人の力のすばらしさを感じながら、人の力のすごさを思い出しながら、画面に見入っていました。

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2009年12月20日

ハンスさんの家づくり、熱烈進行中

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セルフビルドの家づくりを進めておられるハンスさんの現場にこの18日に行ってきました。
ハンスさのお宅はご自身で考案した泥壁で外壁を作ります。
室内から見た写真の細い白い骨組みは木小舞で、そこに藁を混ぜた粘土をつけてゆきます。
中と外から粘土をつけて真ん中に炭化コルクをサンドしています。

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2009年12月13日

「アメリカの住宅生産」---戸谷英世

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「アメリカの住宅生産」
著:戸谷英世 住まいの図書館出版局 住まい学体系089
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個人住宅を建築家が設計するということが日本ほど普及している国はないのかもしれません。
この本では、アメリカの住宅生産の歴史をたどりながら、現在のアメリカで主流となっている住宅生産の在り方について語られています。
他の国の話に耳を傾けてみると自分たちの姿が良く見えてくる、そういう意図がこの本にはあります。

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2009年12月07日

家づくり学校第8回目「木を通して考える」終了

昨日はNPO法人家づくりの会で行っている「家づくり学校」の第8回目。
テーマは「木を通して考える」。
私、古川が講師を努めさせていただきました。

「家づくり学校」は全10回(月1回)の住宅設計に特化したプロ向けの学校です。

母校である武蔵野美術大学でも鳥取環境大学でも学生さんに特別講師としてお話させていただいた経験はありますが、今回は、家づくりの会に入ってからの知見を総括的にまとめておく良い機会であり、出版された本の内容を、今度はプロ向けにトレースして見る良い機会でもありましたので、すこしばかり集中して講義内容を考えてみました。

講義のあとの懇談会でも受講生から講義内容については概ね好評だったことを聞き、「家づくり学校」の一こまという大役を果たすことができたかなと思っています。

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2009年11月24日

「小さな家の気づき」---塚本由晴

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「小さな家の気づき」
著:塚本由晴 発行:王国社
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建築家の塚本由晴氏は発見します。
敷地に対して家を十分に小さくすると得られる自由を。
私はこの本を、その発見のプロセスのドキュメンタリーとして読みました。
そんなのあたり前のこと?
しかし、現在の家づくりは、家を十分に小さくすることが難しくなっています。

家は大きい方が良い。
だから、法律で許される限りあらゆる手を使って大きく大きく作ろうとする。
土地の値段が高価だからそれに見合った大きさの建物を造らないと損をする、etc....

また、建物の配置についても縛られている。南面信仰。猫も杓子も敷地の南側を開けて建物を北側に寄せて大切な部屋を南向きに配置している。南向きが絶対に良いという考えです。でも、そんなことはないのです。夏の日差しは避けた方が良い。南向きの部屋は夏の暑さから逃れられない。夏場の北側の部屋の快適なこと。
南から直接入ってくる強い日差しの魅力もありますが、北側の窓からの回り込んでくる優しい光も魅力的。昔から、あえて北側に庭をとったりしてきた日本人の光に対する感性、さらには、明るいばかりではなく薄暗さの魅力も感じていた感性。

敷地に対して法律で許される目一杯の大きさの建物を北側に寄せて建てる。画一化されてしまった家づくりのそのような考えから自由になること。実は、そうした画一化された考えが日本の街並みから魅力を奪っているのではないかということ。

塚本氏の現在に至る言説をトレースしているわけではありませんので、その後、どのように彼の論理が展開していったのかを私は知りませんが、ここにある発見の大切さは、今こそ重要な意味を持ってきていると感じているのは、私だけではないと思います。

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2009年11月16日

CASBEE評価員

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もうずいぶん前の話になりますが、5月14日に行われたCASBEE評価員の講習会と、7月1日の評価員の試験を受けてきました。試験は合格。CASBEE評価員としての登録をしました。
CASBEEというのは「建築物総合環境性能評価システム」。英語表記で「Comprehensive Assessment System for Building Environmental Efficiencv」となり、その頭文字をとって「CASBEE(キャスビー)」といわれています。
一言で言うと、建築行為(作る・使う)で地球環境にどのようなダメージ(負荷)をあたえるのかを総合的に評価する方法です。
評価方法は、環境品質(Q)と環境負荷(L)として、環境効率をQ/Lとして評価します。

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2009年11月15日

ホームインスペクター

日付が変わって昨日になりますが、「日本ホームインスペクター協会」の平成21年度「ホームインスペクター資格試験」を受けてきました。事前講義が約一時間半に試験が一時間半でした。
「ホームインスペクター」とは「住宅診断士」と訳されます。具体的には中古住宅を購入しようとしている人たちに対して、その中古住宅の診断をして専門的なアドバイスをする人です。今までは、建築士などがその役割を担ってきましたが、業務として明確な位置づけはされていませんでしたので、この資格を設置することで、職務と職責について明確にしてゆくことが目的だと思われます。
家の履歴書の整備も住宅診断も、中古住宅の流通をもっと活性化しようと言う動きになります。
消費型の住宅政策から蓄積型の住宅政策へ。長期優良住宅、200年住宅という流れと同じ流れにあるものです。

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2009年11月13日

「10宅論」---隈研吾

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「10宅論」
著:隈研吾 ちくま文庫
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1986年10月にでた本を、遅ればせながらといえばあまりにも遅く(何といっても四半世紀)読了しました。
この本の面白いところは日本における住宅のあり方を、考現学的に、それも俯瞰的に眺めようとしているところで、もちろん23年も前の視点ではありますが、それによって建築家という存在を相対化しようとしているというところです。それも、隈研吾さんという建築家が書いているところがますます面白いわけです。

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2009年11月06日

「建築する動物たち」---マイク・ハンセル

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「建築する動物たち」
著:マイク・ハンセル 訳:長野敬+赤松眞紀 発行:青土社
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人以外の動物が行う構築行為について分析することで
人間の構築行為について考える好著。
もっとも印象に残った言葉は「空間の記憶」。
「空間の記憶」によって構築行動を起こすのは人間だけではないのかと、この本は問いかけてくれているようです。
各章の内容をメモしておきます。

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2009年10月30日

セルフビルダー・ハンスさん

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セルフビルドで家作りを進めておられる
スイス人のハンスさんです。
ひょんなことからハンスさんのセルフビルドをサポートさせていただくことになりました。
セルフビルドの家庭教師、案内役です。
デザインや作り方、素材など、ご自分で使いたいもの、やってみたい方法があって、それをうまくやるための専門家からのアドバイスを求められています。
昨日は横浜の現場まで出かけて、出張家庭教師でした。

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2009年10月28日

二世帯住宅の「さびしさ」--今朝の毎日新聞より

今朝の毎日新聞に載っていたコラムです。(クリックすると拡大します)
読んで、いろいろなことを考えてしまいました。
私も二世帯住宅の設計を依頼されることが多く、ご両親の世帯と若夫婦の世帯の関係についていつも頭を悩ませ、それぞれのご家族に一番あった「かたち」を作り上げることに集中します。
家を新築する前から同居していた二世帯のご家庭でしたら、今までのルールを見直すことで、二つの家族の関係性が導き出せるでしょう。設計のプロセスとしても、今までの生活の見直しを最初にしてもらうことになります。これからの生活をより良いものにするための問題点の洗い出しとその解決方法の検討ですね。

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2009年09月23日

茅葺き屋根の葺き替え@可喜庵

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町田にある鈴木工務店さんの「可喜庵」は茅葺きの民家で、鈴木社長さんの生まれ育った家を改築してギャラリーとして利用しておられます。
その「可喜庵」の茅葺き屋根の葺き替え工事を行っているというので見学に出かけてきました。
我々が行った、昨日(22日)はちょうど古い茅の解体作業をやっておりました。

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2009年08月27日

管理建築士講習

今日は東京ビックサイトで行われた「管理建築士講習会」に行ってきました。

設計事務所を生業としておこなうためには管理建築士が必要です。管理建築士はその設計事務所に専任する建築士です。自分が管理建築士になるか誰かに管理建築士になってもらわないと設計事務所としての業務をやってはいけません。
今までは建築士ならば届出さえすれば管理建築士になれましたが、耐震偽装事件以降の建築関連の法律改正で、所定の講習をうけてテストに合格しないと管理建築士になれないことになりました。
これから管理建築士になろうという人、つまりは自分で設計事務所を開こうと思っている人は、まずは建築士の試験に合格して、それから三年間の実務経験をつみ、さらにそれから講習会を受けてテストに合格で初めて管理建築士として登録できる、設計事務所を開設できるということになったのです。
では、すでに設計事務所の管理建築士である人はどうするかといいますと、暫定処置として三年間の猶予期間が与えられ、その期日内に講習を受けテストに合格することが管理建築士として登録するための条件とされたのでした。
さて、話は長くなりましたが、今日はその管理建築士講習会に参加してテストを受けてきたのでした。

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2009年07月29日

「住宅政策のどこが問題か」---平山洋介

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「住宅政策のどこが問題か」
著:平山洋介 光文社新書396
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副題が「<持家社会>の次を展望する」です。
豊富なデータによる興味深い一冊です。
特に、興味深かったのは第2章で展開される、ジム・ケメニーの提唱する二つの住宅システムの類型による分析です。この類型は賃貸住宅をもとに考察されますが、それだけではなく、住宅の所有形態の全体像まで説明されます・
ジム・ケメニーは「デュアリズム」と「ユニタリズム」という二つの類型を、公営住宅を代表とする、社会システムとして提供される賃貸住宅(社会賃貸セクター)と、民間の賃貸住宅(民間賃貸セクター)の関係で提示しました。
「デュアリズム」は民間賃貸セクター中心に賃貸住宅の供給を考えてゆく政策で、社会賃貸セクターはそれを補うものとしてとらえられる。一方「ユニタリズム」は民間賃貸セクターと社会賃貸セクターの統合による賃貸住宅供給をはかります。

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2009年07月18日

建築知識 8月号

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「建築知識 8月号」です。
特集は「建築現場[段取り]ガイド」。
「家づくりの会」の5人の仲間+αで執筆しました。
設計契約から基本設計・実施設計への流れから始まり
着工、上棟、完成、そしてアフターメンテナンスまで
家づくりの全体の流れを要点を押さえてまとめています。
私の担当は工事編の「軸組工事」から「内部工事のスタート」まで。
一応、プロ向けですが、一般の方にとっても参考になるようにまとめたつもりです。
書店でみかけましたら手に取ってご覧いただければと思います。

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2009年07月14日

住まいの履歴書

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土曜日は東京フォーラムにて
一般ユーザー向けのセミナーに参加してきました。

「私の家の情報活用術」

長期優良住宅制度が始まり、先導的モデルでなくとも100万円の補助金がもらえるとか税制優遇があるとかということで、関心が高まっています。ただし、そのためには住まいの履歴を整理することが求められています。そこで、住まいの履歴とはどういうものなのか、履歴にどういう意味があるのか、という話から、現在、住まいの履歴として具体的に運営されているいくつかのシステムの紹介が今回のセミナーの内容でした。

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2009年06月25日

清家清さん 再発見

「あたり前の家」ネットワークというのがあって
昨日はその総会とシンポジウムに参加してきました。

シンポジウムのなかのプログラムに
堀啓二さんの「名作に見る小さな家の魅力」という講演会がありました。
江戸時代の長屋から小さな家の系譜をたどってくださったのですが
その中でも清家清さんの自邸が目を引きました。
もちろん、学生時代から清家清さんの自邸は作品集などで穴があくほど見てきましたが、今回は他の小さな家と併置して並べて見ることができて、他との違いが際だった感じがしました。
まさに、清家清さん再発見です。

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2009年06月18日

祝!!!上棟

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とあるご夫婦のお宅が上棟しました。
様々な苦労の末の上棟です。
陰ながらサポートさせていただいた私も感無量。
多くの汗と多くの気持ちがあってこその上棟でした。
皆さん、本当にお疲れさまでした。
完成まで、ひと踏ん張り、ふた踏ん張り。
微力ではありますがサポートできることは最後までやらせていただこうと思っております。

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2009年06月16日

「ほぼ1円の家」---石倉ヒロユキ

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「ほぼ1円の家」
著:石倉ヒロユキ 出版:NHK出版
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「ほぼ1円の家」とは築年数が経過して評価額がほとんどなくなった「中古住宅」のこと。
そして、サブタイトルは「中古住宅ともったいないDIY術」。
現在、日本では住宅の評価額は築年数とともに年々下がり続け、ついには値段がつかなくなります。でも、値段がつかなくとも、まだまだ立派に使える中古住宅が多いわけです。評価額がなくなった、まだまだ使える中古住宅を土地の値段だけで購入することができるのです。つまり、家の値段は「ほぼ1円」ということになるわけです。

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2009年06月04日

一級建築士定期講習を受けてきました

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建築士法という法律があって
その法律の改正で建築士は3年ごとの定期講習をうけることが義務付けられました。
本当は、是正措置で、法改正から3年の間に受講すればいいのですが
早めにすませておこうと、今日の講習に申し込んだのでした。
午前中に2時間半、午後に2時間半、あわせて5時間の講習の後
くたくたになりながらのテストです。
講習会を受けてもテストに合格しないと受講したことにならないのですね。
テストはテキストを参照できますが、
出題範囲が広いので
講義をしっかり聴いていないと、
何が問われているのか、どこを見たら良いのかわからない、というもの。
集中しないとわけがわからなくなりますね。
しっかり勉強するための講習会でした。
テストの結果は7月末だそうです。
まだ、管理建築士の講習会も受講する必要があります。
建築士もなかなか大変なのです。
ちなみに、大勢の方が3年ぎりぎりまで粘って受講しようとしているためか、受講率が低く、このまま3年後に受講者が殺到すると、講習をする側のキャパシティを越えてしまうから、早めに受講してくださいと、担当の方は言っていました。

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2009年05月25日

第一期 家づくり学校が開校しました

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昨日のことになりますが
第一期家づくり学校が開校いたしました。

第1回目の昨日は
元新建築住宅特集編集長の豊田氏を案内役に
若手建築家として活躍されているTNAの武井、鍋島両氏をお迎えし
「建築家になるためには?」というテーマでのシンポジウム形式で行いました。
前半はTNAのお二人に建築家として独立した経緯をお話しいただくとともに代表作をご紹介いただきました。
後半は豊田氏を中心に、家づくり学校の校長を務められる建築家の泉幸甫氏、副校長の川口通正氏を交えて、建築家になるということについての興味深くもリアルなお話を伺うことが出来ました。とても内容の濃い第1回目となりました。

講義の後は場所を移動しての懇親会。
受講生に聞くと、こうした学校を待ち望んでいたという声も多く、運営に携わるものとして嬉しい限り。私も、12月の第8回目に「木を通して考える」というテーマで講義を受け持ちます。少し先になりますが、受講生のみなさんの期待に応えられるような内容にしたいと思っています。

公式ブログ

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2009年05月23日

建築家は豆腐をつくれないのか

建築家の丸山純夫さんと先日お話しした時のことです。
丸山さんは建築家の大野勝彦さんのところにお邪魔してきたばかりということで、大野さんの言葉を僕らに伝えてくださいました。

「建築家は豆腐を作れないのか」

大野さんはみなさんご存知の通り「セキスイハイムM1」の開発者です。彼の提唱した「無目的な箱」という概念は、現在、再評価されつつあります。いやいや、再評価というよりも、この概念にやっと時代が追いついたというところでしょうか。

それはともかく、大野さんの言うのは
豆腐は買ってきて冷奴にもなればお味噌汁にも入るし、焼いてステーキにもできる。あるいは、あげれば厚揚げや油揚げになる。豆腐は目的に応じて様々に姿を変える便利なものです。豆腐はそういう「便利な素材」という意味なんだそうです。素材というより食材でしょうか。

「様々な料理に使ってもらえるような食材としての建築」

これは建築をプロダクト化することではないですね。
プロダクトは目的がはっきりしているわけで、食材は多目的です。

建築家は利用価値の高い多目的な箱をつくれないのか。

大野さんの言葉はそういう意味に読み取れそうです。

「無目的な箱」から「多目的な箱」。
この違いは言葉尻を超えて大きいような気がします。

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2009年04月23日

「わたしの家」---大橋歩

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「わたしの家」
著:大橋歩 講談社文庫
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建築家永田昌民に三軒の家の設計を依頼したイラストレーターの大橋歩さん。この本は自らの手になる、一軒目と二軒目の家のドキュメント。ドキュメントというと大上段に構えた感じがあるから、家づくり日記という紹介が良いかもしれません。とても面白い本です。

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2009年04月19日

ACTUS講座 全三回終了

新宿のACTUSで行われた三回連続の家づくり講座も昨日で最終日。
今回も大勢の方々にご来場いただきました。
そして、私もお話しさせていただきました。
人と人をつなぐ家。
森と街をつなぐ家。
私が家づくりでいつもテーマにしていることを
shijimi_Houseの例をあげてお話しさせていただきました。
PCにデータを入れていたつもりが入っていなくてスムーズに始められなかったり、持ち時間を間違えて急いで進めてしまったり、失敗だらけではありましたが、終了後の皆さんの感想を聞くとおおむね好評だった(!?)ので少しほっとしております。
講座の全体をまとめてくださった、徳井さんと根来さんのご尽力に感謝です。

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2009年04月16日

ハーフビルド講座 第1回目(正)---終了しました

昨日は、あたり前の家ネットワーク主催の「ハーフビルド講座」の第1回目でした。
私古川と、菅沼悟朗氏の二人で講師を勤めます。

実は先月に1回やっているのですが、それは本講座に先駆けて行われたプレ講座で、セルフビルドやハーフビルドについて興味関心がある人が集まっての意見交換会という趣向でしたので、今回が正式な第1回目となります。
本講座は一般ユーザー向けで三回連続の講座となります。

第1回目の昨日は「家づくりの方法」をテーマに行いました。

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2009年04月14日

これは何でしょうか?---tonton

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木で出来ています。
さて、これは一体何でしょうか??

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2009年04月08日

「住に纏(まつ)わる建築の夢」---松村秀一

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「住に纏(まつ)わる建築の夢」
著:松村秀一 出版:東洋書店
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一戸一戸の住まいがあつまりコミュニティがうまれる。
家をつくるということは、その建物の断熱や耐震の性能も大切ですが
最終的には、人が生き生きと暮らす場所になってほしいと思い我々は家づくりに関わっています。
そのために最も大切なことはなんだろうか?
松村秀一さんは、産業と住宅のありかたについて、様々な論考を続けてきた人ですが、この本では、今までの論考を下敷きに、
建築が夢見てきたことはどういうことだったのだろうか?
住み続ける、という考えが街を育ててきたのだが、それに対して作り手側の我々に出来ることは何なのか、と、新たな視点で問うています。
スクラップ・アンド・ビルドでは街は育たない。
コミュニティは育たない。

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2009年04月01日

今年度最後の実験です!

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昨日は、「家づくりの会」ですすめている
防火性能のある木製建具の研究開発のための実大実験に立ち会ってきました。
3月31日ですから今年度最後の実験です。

写真は試験体を実験装置に設置しているところ。
試験体の大きさは 幅が2.85m 高さが2.4m。
大きいです。
このくらい大きいと迫力がありますね。

実験は無事成功。
来年度も続けて認定取得を目指します。

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2009年03月26日

ハーフビルド講座 第一回目終了

昨夜になりますが、あたり前の家ネットワークが主催の
ハーフビルド講座の第一回目が行われました。

講師は私と菅沼悟朗さん。
菅沼さんはご自宅をセルフビルドで建てられた設計者です。

参加者は
現在自宅をセルフビルド中のご夫婦や
これからセルフビルドで自邸建設を考えられている方。
既に出来上がった自邸に手を加えて楽しまれている方。
工務店の方。
そして、メディア関係の方々。
多種多様。
そこが面白いわけですが、セルフビルドへのみなさんの思いをお聞きできたのが一番の収穫だったのではないかと思います。

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2009年03月17日

「建築とモノ世界をつなぐ」---松村秀一

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「建築とモノ世界をつなぐ」
著:松村秀一 出版:彰国社
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建築設計者のための本。
建築設計者の職能を問う本。
建築設計者は産業社会といかにつき合うか?
結論は「ブリッジング」。

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2009年03月16日

「NYCのシェアハウス」---写真:渡辺慎一

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「NYCのシェアハウス」
写真:渡辺慎一 文:Rai 出版:エクスナレッジ
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シェアハウスは若者の間で日本でも草の根的に息づき始めているようです。
これは「本場」ニューヨークのシェアハウスの写真集です。
与えられたスペースを自分流に創造しているのがとっても素敵です。

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2009年03月12日

ハーフビルド講座のお知らせ

ハーフビルドでの家づくり講座を行います。3回連続です。

第一期は無事終了いたしました。

2009年9月2日より第二期ハーフビルド講座を開講いたします。
第二期は、住まい手のための設計教室というおもむきで進めたいと思います。

---------------------------第一期講座の案内-------------------------------------------------
相棒がいます。
菅沼建築設計の菅沼悟朗さんです。

ハーフビルドというのは、全部丸ごと自分で作ってしまうセルフビルドではなくて
半分だけ、とか、ちょっとだけのセルフビルドです。

この講座は、自分の家を作るときに
ちょっとでもいいから参加してみたいという方から
もっともっと家づくりへ踏み込んでゆきたい方まで
自分の家づくりに積極的に参加してみたい方のための講座です。

また、そうしたユーザーを積極的にサポートしてゆきたいプロの方にも参加していただきたいと考えています。

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2009年03月02日

実大実験です!

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私が所属している「家づくりの会」では、木製の防火戸の研究開発を国からの補助金を受けてやっています。
いままで、小規模な予備実験を重ねてきましたが、今日ははじめての実大実験を行いました。
高さ2.2m、幅2mの片引き込み戸です。
大きいだけに迫力があります。
そして、実験は無事成功!
あと2回の実大実験を行い、次年度へ研究は引き継がれる予定です。

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2009年02月25日

「500万円で家をつくろうと思った」---鈴木隆之・藤井誠二

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「500万円で家をつくろうと思った」
著:鈴木隆之・藤井誠二 出版:株式会社アートン
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建築家鈴木隆之氏が施主藤井誠二氏からのオファーで、500万円で家をつくることに挑戦したドキュメント。
現代日本の家づくりに巣くう問題点を切れ味のよい刃物で手際よくさばいてくれているところには大いに共感するものの、ちょっと愚痴っぽくなっている本音話もあります。
完成した家のテイストはアトリエフルカワが向いている方向とは少し違うけれども、考え方はとても魅力的だと思いました。

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2009年02月23日

「自分でわが家を作る本」---氏家誠悟

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「自分でわが家を作る本」
著:氏家誠悟 出版:山と渓谷社
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セルフビルドで自宅を建設した氏家誠悟さんが自らの体験をわかりやすく紹介した本。
著者は基礎工事から軸組(木の骨組み)の加工、屋根、外壁、もちろん室内の仕上げ工事を行い、電気配線工事をするために資格も取得しています。
氏家さんを筋金入りのセルフビルダーとよんでも良いでしょう。
でも、筋金入りというと敷居が高い感じがしてしまいますが、家づくりは実はそれほど敷居が高いわけではないというのが本書のメッセージ。
この本を手にして、セルフビルドで家を建てることに希望を抱いたも少なくないはずです。

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2009年02月16日

銀座吉水にて映画を観ました

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先週のことです。
銀座の吉水というお宿にて映画会をやっているという話はずいぶんと前から耳にしてはいたのですが、はじめて参加してきました。

映画会の前に吉水さんのオーガニックな「少し前の日本の食事」というテーマで用意された夕飯をいただきます。今回はカレーライス。とてもおいしかったです。

食事を終えて地下のホールに。
映画が始まります。
映画と言っても記録映画で姫田忠義さんという監督さんが撮ってきたライブラリーをひとつずつ拝見して姫田さんのお話もあわせて聞きましょうという企画です。
姫田さんは「民族文化映像研究所」の代表であります。

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2009年02月10日

「住宅ができる世界」のしくみ---松村秀一

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「住宅ができる世界」のしくみ
著:松村秀一 出版:彰国社
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1990年前後に「群居」に連載していた「プロダクトとしての住宅」を中心にいくつかの雑誌で連載していた記事をまとめた本。
論の核は「プロダクトとしての住宅」です。
日本における住宅産業の全体像を俯瞰しながら、その歴史的な変遷もたどりつつ、グロピウス、フラー、イームズと世界の建築家の例もあげて「プロダクトとしての住宅」の可能性に迫まります。
また、社会がフロー型からストック型への転換を求められる今こそ「プロダクトとしての住宅」という考えが重要とし、今までの失敗と今の産業の可能性を重ね合わせ、その結果として「情報としての部品」にたどり着きます。
この「情報としての部品」という考え方はとても斬新で刺激的です。ですが、この本が出版された1998年当時から現在に至り社会の情報化は誰もが予想できなかったほど急激にすすんでしまったために、いま現在における「情報としての部品」の意味を再考する必要があると思います。

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2009年02月03日

Moiss工場見学

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「yagen_House」の外壁下地に使い「S.H._House」にも使う予定の「Moiss」の工場見学に行ってきました。
白衣を着せられた怪しい一行が我々です。
泉幸甫、伊礼智+森泉、若山真、カワイ建築、中島工務店、そして塩地博文ひきいるモイスチームの面々であります。

今回の工場見学は「建築知識」の取材に同行ということなんですが、その「建築知識」は3月号(2/20発売号)ということです。どんな記事になるのか、今から楽しみです。

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2009年01月23日

「そよ風」のパンフレットが出来ました

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空気集熱式パッシブソーラー「そよ風」のパンフレットが出来ました。

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2009年01月22日

囲い込みとセルフビルド

セルフビルドについての本を書きたいと思っていて、
出版社の方にも相談すると、大変面白がってくれているのですが
最後は、売れるかな、売れないかな、誰が買うかな、という話になります。
たくさん売れた方が良いわけですし、売れなかったら出版社に赤字をもたらします。
赤字はまずいですね。ですから、機会ある度に、いろいろな方の意見を聞いています。

セルフビルド本は売れるでしょうか?
私はセルフビルドのノウハウは「商品」になるかと問うてみます。

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2009年01月12日

建築学会のシンポジウムに参加してきました

<農地森林の持続可能な管理に向けた「新たな公」の可能性>
主催:日本建築学会関東支部農村建築専門委員会

というシンポジウムにパネラーとして参加してきました。

パネラーは

○NPO伊勢原森林里山研究会 理事長 山口寿則氏
○NPO篠原の里 理事長 加藤氏
○藍で染めよう 津山氏 岩田氏
そして、わたくし古川は「家づくりの会」の代表として参加。

実はこのシンポジウムの主催者側のコアスタッフに
家づくりの会でご一緒させていただいている根来氏がいて
シンポジウムの内容からこの私をパネラーとして推薦してくださったとのこと。

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2008年12月31日

良いお年を

さて、2008年も大晦日。
今年はどんな年だったのか。
忙しいような忙しくないような。
年齢的にも40代後半に突入したということもあり
いろいろな役がつきました。
こうして身に役をつけながら人というのはステップアップしてゆくのでしょうか、ね。
そういう意味では、来年は一つでも二つでもステップアップしたいと思っています。

来年はいろいろな意味で厳しい環境になる。
仕事をする面でも生きてゆく面でも。
そんな厳しい風に吹かれながら自分の立ち位置をしっかりと持つことが大切。
その立ち位置がぶれないことがとっても大切。
その中で、ひとつでも多くの良い出会いがあることを願いつつ。

それでは、皆様、良いお年をお迎えくださいませ。
また、来年もこのaf_blogともども、よろしくお願いいたします。

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2008年12月26日

木のサンプルを並べてみました

先々日、伊那の有賀建具さんが送ってくださった木のサンプルを事務所の壁に並べてみました。
なかなか良い感じです。
建築でよく使う材料、家具で使う材料、いったい何に使うのだろうかという珍しい材料。全69種類。眺めているだけで飽きませんね。木というのは本当に面白い素材だと思います。

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2008年12月16日

「TINY HOUSE」---レスター・ウォーカー

「TINY HOUSE」
著:レスター・ウォーカー 訳:玉井一匡、山本草介 出版:ワールドフォトプレス
amazon

「タイニーハウス」-小さな家。副題は「小さな家が思想を持った。」。
訳者は私が敬愛する建築家の玉井一匡さん。玉井さんは「小さな家」の良さをずいぶん早くから言われていた人です。My Placeというブログもやっておられます。

「歴史上の・・・」「移動する・・・」「パネルの・・・」「紙と布の・・・」「用途限定の・・・」「道ばたの・・・」「アートとしての・・・」「自然の中の・・・」それぞれのタイニーハウスが集められています。

著者はアメリカの建築家。アメリカのフロンティア精神がこの本からあふれています。
この本のあとがきには

誰もが同じグランドに立って家づくりを楽しむことができるのだとこの家たちは言う

とあります。
実に感動的な言葉です。

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2008年12月15日

伝統構法、そして 2x4

2x4工法の現場を一度見に来ませんかという
工務店さんからのお誘いで行ってきました。
2x4工法と一口では言っても
パネルを工場で組み立てるものと現場で組み立てるものとがあり
今回見せていただいた物件はプレカットされた部材を使って現場でパネルを組み立てていました。

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2008年12月10日

とどいた!!---羊毛断熱材だ

「とどいた!!」シリーズもずいぶんと回を重ねておりますが
今日は羊毛断熱材の特大サンプルがとどきました。

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2008年11月17日

奥村事務所@中村橋にて

15日の土曜日は中村橋にある木曽三岳奥村設計所にて行われた
パッシブソーラーシステム「そよ風」の研究会に参加してきました。
参加者の実例をもとにした意見交換のあと、用意していただいたお料理とお酒でいろいろな話題に花が咲きます。
その中で奥村先生がデザインして現在も木曽でつくられている椅子の模型に参加者の関心が集まりました。
写真は「ハンペンチェア」の5分の1の模型です。
私も事務所でも使わせていただいておりますが、基本的なデザインは今も変わりありません。
それよりも何よりも模型の精度の高さに皆の目は釘付けです。

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2008年11月14日

木製建具の実験です!

私も所属する「NPO法人家づくりの会」は
ゆたかな家づくりを支える様々な技術の研究活動も行っています。

その活動で防火性能を持つ木製建具を考えています。

この活動が国土交通省の「地域木造住宅市場活性化推進事業」に選ばれました。

事業の名称は
「防火性能を有する木製建具の開発に関する事業」で
その内容は
「特殊な金物や仕組みを使わず、適度な技能を持った一般の建具店が製作可能な防火性能を持つ木製片引きガラス戸の開発を行う。」です。

ポイントは「一般の建具店が製作可能な」という所だと思います。

そして、木製建具の防火性能を実証するための予備実験の第一回目が本日行われました。
写真は実験の様子。
実験の結果から次の課題が生まれ、次の予備実験へ。
最終的には規定の防火性能を持った木製建具の認定をとります。

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2008年11月10日

男性原理・女性原理

宮崎駿の最新作「崖の上のポニョ」で
最も印象的だったシーンのひとつは
ポニョが宗佑のガールフレンドの着ているものを
お得意の水鉄砲でびしょびしょにして台無しにしてしまう所でした。
買ってもらたばかりのドレスをボーイフレンドの宗佑にみてもらいたい女の子。
女の子の心情としては「可愛い服だね」と宗佑に評価してほしい。
ポニョはそこに水鉄砲。洋服はびしょびしょ。女の子は泣いちゃいます。
ポニョの価値観には「きれいな洋服」はありません。
宗佑が好きなポニョですが、ガールフレンドの女の子と「洋服」で競い合うということはない。
ポニョにとって、身につけているもので競いあうこと自体がナンセンス。
ナンセンスとは、人物の実態ではなくて
洋服という見かけで評価を得ようと言うことです。
そのナンセンスさを、ポニョは水をかけて沈めてしまおうとしたのだと思います。

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2008年11月04日

とどいた!!---有賀建具さんから

もうずいぶんと前の話になってしまいました。
八ケ岳の尾島山荘に御邪魔させていただいた時
少し足を伸ばして伊那谷の有賀建具さんに行ってきました。
有賀建具さんについてはリンクした杉野建築店さんのブログをみていただくとして
何十種類という木のサンプルが事務所に有ったのを声を上げて喜んで見ていたためでしょうか、木のサンプルを送ってくださるということに。
それが数日後に私の事務所に届いたというわけです。
入っていたサンプルは木の種類で50種類以上。
ふだんなじみのある木から名前だけ知っていた木までさまざま。
段ボール一箱分。何度も何度も眺めております。
有賀建具さん、どうもありがとうございました。
事務所の家宝にさせていただきますね。

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2008年10月29日

200年住宅について考える

「超長期住宅」、いわゆる「200年住宅」についての個人的な考えを書いておきます。

戦後の持ち家政策でマイホームブームが起こり、数多くの家屋がつくられましたが
その多くは25年から30年で建て替えられています。
作っては壊し、作っては壊しの繰り返し。
資源浪費の負のスパイラルといっても過言ではないでしょう。

建て替えの主な原因は次のようなものだと考えられます。

1、安普請でもマイホームを、ということで、そもそも長もちしない家屋だった。
2、生活のスタイルが変わってしまい、間取りの変更なくしては不自由でならない。
3、住宅の性能に不満がある。構造強度、断熱や防音など。

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2008年10月24日

東京都 耐震診断事務所登録証

東京都の「耐震診断事務所」の登録証です。
東京都には所定の講習を受け考査に合格した者が所属する事務所を登録する制度があります。
私も考査に合格し「アトリエフルカワ一級建築士事務所」が東京都に登録されました。

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2008年10月17日

うれしいメール from MUSE_House

うれしいメールが
MUSE_Houseの奥様からとどきました。

今日は、息子の幼稚園時代の友達が海外に行くことになったので、うちで朝からその送別会をしておりました。

手作り昼ごはんにお菓子をもって5家族が集まり、子供は小学生、幼稚園生、赤ちゃん合わせて10人、大人は5人でした。

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2008年10月08日

小さい家

「家」って、こういう感じだと思います。

シンプルで必要以上のものがない。

三春堂ギャラリーにて

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2008年09月23日

とどいた!!---丸山純夫さんから

宅配のお兄さんが両手で抱えて持ってきてくれました。
いったいこれは、なんでしょう・・・・

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2008年09月13日

合格しました!!

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財団法人 東京都防災・建築まちづくりセンター」が行う
「東京都木造住宅耐震診断技術者育成講習会及び修了考査」を8月31日に受講。
そして、9月9日に終了考査合否の発表が有りめでたく合格いたしました。
これで、耐震診断を行う事務所として東京都に登録出来ることになります。

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2008年09月07日

ふりかえり

杉野建築店さんによばれて講座の講師を務めさせていただいていろいろ得ることがありました。
最近は「家づくりの会」で講座をやることが多いのですが
その場合には、狭小地を豊かに暮らすアイデアとか、森をいかした木の家のこととか、どうしてもテーマが絞られてしまいます。
今回のお題は「設計」。何とも漠然としたテーマですが、今まで設計をとおして考えてきたことを振り返ってみる良いチャンスとなりました。
こうして振り返ってみると、私にとって設計とは人と人をつなぐこと、その関係を形にすること、つまりは生活を形にすることだったのだと気づかされます。今回の講座では、考えてきたことを写真と図面を使って語り続けました。語り続けてみると、何か、ひとつのまとまりが自分の中に現れた感じがしました。
講座の終わりに、参加された方から、講座で喋ったことが本としてまとめられていないのか、との問い合わせがありました。もちろん本にしているわけもないのですが、かといって、ホームページでは狭小地でのいくつかの手法と施主参加の家づくりを語るにとどめていて、生活から考える設計についてはまったく紹介できていないことにも気がつきます。我ながら広報活動の未熟さに身を引き締める思いでした。もっともっと自分のやってきたことを表現したい欲求もでてきます。
それにはどういう方法が良いのか。生活から考える設計を知ってもらうには、紙媒体が良いなと思いました。そうなると自費出版まで大げさなものではなくともちゃんと編集したアトリエフルカワの小冊子が欲しくなってきました。
すぐにできるような話ではないのですが前向きに考えてゆきたいと思っています。このブログでも、生活から考える設計について触れてゆきたいと思っています。

投稿者 furukawa_yasushi : 20:40 | コメント (2) | トラックバック

2008年09月06日

松本に行ってきました

今日は松本まで勉強会の講師に招かれて行ってきました。
sasabe_Houseの改修工事をお願いした
松本の杉野建築店さんは
「地元の山の木で家をつくる事をみんなで勉強する会」を企画しておられます。
今回はその3回目として生活から考える住まいの設計についてユーザー向けに話して欲しいということで松本まで行って来たというわけです。

松本と東京では住環境の面でいろいろなことが違います。
気候が違いますし、土地や敷地の周辺環境も違います。
ですから、私の話もどこまで通じてくれるやらと少々不安を抱えて出かけていったのですが、帰りがけに書いていただいたアンケートを見る限り好評だったようです。
これをきっかけに設計の大切さに少しでも関心を持っていただければ幸いですし、そのことがきっと素敵な家づくりを成功させることにつながってくれると思います。

ご参加いただいたみなさま、お疲れ様でした。
そして、お招き下さった杉野建築店さん、どうもありがとうございました。

杉野建築店さんでは、今回のような勉強会をこれからも企画されてゆくそうですので興味・ご関心のある方は杉野建築店さんにお問い合わせをお願いいたします。

杉野建築店公式ブログ

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2008年08月05日

shijimi_Houseの階段

私は設計したお宅に完成した後も時々顔を出します。
建物の不具合がないか聞いたり、生活の様子を拝見させていただいたり。
この土曜日には「shijimi_House」に寄らせていただきました。
「shijimi_House」の1階の大きさは7坪。
ええっ!というような可愛らしいお宅です。
階段もリビングのインテリアとして重要です。
リビングの一部になるように設計の時から考えていました。
そして、生活が始まり、落ち着いた頃に訪れてみる。
これも住まい手の力でしょう。
階段は単なる上り下りの機能をこえて生活の中に溶け込むように使ってくれていました。
使い方にルールはありません。
そこに生活の知恵があり、生きているという自由があるのですね。

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2008年07月22日

出来るところから

インターネットのコミュニティで
ある方がこんなことを書いていました。

持っているお金のぶんだけ家をつくってゆきます。 すこしづつ自分も作業に参加して、家をつくってゆきます。

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2008年06月18日

「家をつくる」という自由

現在、家づくりの相談を受けている方からいただいたメールに
次のような言葉があってびっくりしてしまいました。

「大手銀行はどこも建て売りとマンションのみの融資に切り替えているところで、土地から建築家さんにお願いする形の融資には応じないというのです!」

家が完成してからの一括融資しかダメという話は数年前からでていましたが
事態はさらに変わっていることに愕然とします。

この方は、大手銀行では埒が明かなくて、地方銀行や信用金庫などをまわることになり、そこでも「融資には応じない」という一律の回答で「いったいどうなっているんだ」と思ったそうです。それでも、原則は応じられないけれども相談次第というところもあって、いくつかの金融機関ともう少し話を進めてみられるそうです。

それにしても、お金を借りずに家を手に入れることの出来る人などほとんどいないわけですから、銀行が「建て売り住宅」と「マンション」を買うためにだけ融資するということは、「家をつくる」という選択肢を我々から奪い取ってしまうことになります。これはいったいどういうことなんでしょう。
「家をつくる」という自由が、我々から奪われようとしている。これは大変大きな問題です。

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2008年03月12日

高野保光さんのお仕事を拝見する

少し前になりますが、立川で建築家の高野保光さんのお仕事を拝見させていただきました。
建築面積で9坪ちょっとの小柄な住まいですが、とても快適な空間がしつらえられていました。外との距離感を様々なアイデアで生かしきりながら、それらの技が嫌味でなく自然に納まっているところはさすがです。
2階のリビングには和室がありますが広さは2畳半。とても2畳半には見えない。それは、空間のプロポーションがていねいに計画されているからだと思いました。

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2008年03月05日

セルフビルドと「Be-selfbuilders」ブログ

こちらは、現在、Be-h@usで計画中のyumさんが主催するブログ「Be-selfbuilders」です。
セルフビルド関係の話題で大変盛り上がっています。
私も、設計者としてセルフビルドをどのようにサポート出来るのかを自らの課題としていますし、そうした気持ちで「Be-h@us」にも関わらせていただいています。hanawa_h@usの設計監理をご依頼いただいたのも、私のそういう考えからとのこと。ありがたい限りです。

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2008年01月28日

東京の地盤(Web版)

<敷地を知る-3>
川の地図辞典」を手にし、国土調査課のデータで地層を知っても、建物を建てるその土地の地盤がどうなっているかを知らずには建物の計画は出来ません。
その地盤がどのような地盤かどうか調べる必要があります。
その調査の方法としては、スウェーデン式サウンディングのような簡易な方法もありますが、やはり実際にボーリングをしてサンプリングするのが一番です。ただ、ボーリング調査となると費用もかかりますので、出来ればすでに調査された周辺のデータを知ることが出来れば、おおまかなところではありますが、その土地の地盤の様子を知ることが出来ます。
そうしたボーリングデータのデータベースが「東京土木技術センター」のホームページで「東京の地盤(Web版)」として公開されています。

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2008年01月27日

国土交通省国土調査課ホームページ

<敷地を知るー2>
川の地図辞典」は敷地を知るための基礎資料となるわけですが、関東周辺などでは国土交通省が地質調査のデータをまとめたものを公開していますので、こちらのデータを照らし合わせることで、敷地の情報はより厚みを増したものとなります。

国土交通省国土調査課のホームページで東京などの地質調査データを閲覧、およびダウンロードが出来ます。

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2008年01月22日

「川の地図辞典」---菅原健二

「川の地図辞典」
著:菅原健二 出版:之潮
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<敷地を知る-1>
こういうブログをやっていると自分の生業が一体なんだかよくわからなくなりますが、私は建築の設計をやっているわけで、その建築の設計をするにあたり、とても重要なことは、建物が建つ土地の状況を良く知るということです。

私の場合には、まずその土地が、かつて人が住んでいた場所かどうかを調べ、その次に近くに川があれば、その川を中心として地形を読み、河川敷であった可能性などを考えます。
その時に、明治くらいの地図があると大変参考になるわけです。
明治期くらいまで、人が住んでいた場所というのは、それなりの理由があって住んでいたんだと思うのですね。もう少し時代をさかのぼれば縄文期まですすんで、まさに「アースダイバー」の世界になるのですが、そこまで行かずとも、そうした地形から歴史をさかのぼり、そこでどのように人が営んできたのかを知るということは、その土地の状況を知る重要な手がかりになります。

ここでポイントは、明治と現代、そして川筋です。

アースダイバーの端くれとして、そんなことを日ごろ考えていたら、masaさんのブログ「kai-wai散策」にて、とても興味深い本が紹介されているではありませんか。
この本は、多くの方の琴線に触れたようでコメント欄も大変な盛り上がりを見せておりますが、私も遅ればせながら、この本のご紹介をさせていただきたいと思いました。

まさに、これは、明治と現代、そして川筋をつなぐ本なのです。

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2008年01月18日

「第三の脳」---傳田三洋

「第三の脳」
著:傳田三洋 出版:朝日出版社
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自分の身体の皮膚から1mmくらい、全身を薄い膜が覆っていて、その膜がアンテナのように周囲の様子を感じているような、そういう身体のイメージが、私には昔からあったのです。
言い方を変えると、ちょっとオカルトチックな感じにも受け取られかねないことなので、今まであんまり口にしたこともなかったのですが、この本を読んで、なるほどこういうことだったのだ、と納得してしまいました。

「第三の脳」とは「皮膚」のことなのです。

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2007年12月31日

from 2007 to 2008

本年も多くの方々に助けられ一年が過ぎてゆきました。
また、来年もよろしくお願いいたします。

来年のことを言うと鬼に笑われると言いますが
いろいろ考えていることをこの機会にまとめておきます。

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2007年12月07日

耐震診断

最近は、木造住宅をリフォームする時には必ずと言っていいほど耐震診断を行います。
大きな地震が近々来るとか、そういう噂が広がっていて
みなさんやはり不安になっているのだと思います。

この書類は「一般診断法」による診断書です。
国土交通省で定められた方法で既存の家屋の耐震性能を診断します。

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2007年11月28日

「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」---村上春樹

「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」
著:村上春樹 発行:平凡社
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最近、ほぼ同年代の建築家の仲間と出会う機会が多くて
それらの方々の少なくない人たちが、こぞって「アイラ」と口にされます。
建築設計者にはシングルモルトのフアンが多いのでしょうか。
あるいは偶然か。
しかし、こうあちこちで「アイラ」「アイラ」と聞くと、とっても気になってきます。
そういえば、もう何年も前に村上春樹がウイスキーのことを書いていたエッセイを買って読んだことを思い出し、書棚から引っ張り出してきました。
奥付を見ると1999年。うわーっ、8年も前でした。
書店に並んですぐに買った本ですが、はずかしながら当時はウイスキーに興味もなく本の内容もまったくといって覚えていません。というわけで、再読。

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2007年11月06日

選択肢

パッシブソーラーについて最初に知ったのは大学生の頃。
1985年、大学四年生。
長谷川敬さんの事務所でアルバイトをしている時です。
長谷川さんはご自分のアイデアでパッシブソーラーを取り入れた住宅を何件も設計されていました。
屋根で太陽熱を使い空気を暖めて床下に送って蓄熱させる。
私は、太陽熱をうまく利用して暖房などに使うという発想にびびっときてしまいました。

その後、私は筑波大学の大学院に進み、ハンガリー人の所長さんがいる設計事務所で務めた後、舞い戻ってきたかのように長谷川さんの事務所で務める事になります。1990年。

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2007年10月21日

壁内充填断熱について

Tomy-rinmei_Houseの工事をお願いしている
キューブワン・ハウジングさんからの案内で
「充填断熱と外張りベニアの危険な関係」と題された
断熱材のセミナーを聞いてきました。
講師は住宅断熱コンサルタントで工学博士である石井宏氏。
考えさせられた内容を覚え書きしておきます。

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2007年10月18日

信頼の担保

ちょっと古いネタですが9月29日付の日経新聞によると
住宅の着工戸数がこの8月で昨年比43%の減なのだそうです。
おおむね、マンションが6割減で戸建て住宅が3割減、平均して4割減とのこと。
日経新聞は、今年の6月20日に施行された改正建築基準法が厳しいために
建築確認がなかなか下りなくなったことを原因としていますが
戸建て住宅に関する仕事をしている人の3割以上が仕事にあぶれているという恐ろしい事態になっています。

カトラーさんの人気ブログ「katolerのマーケティング言論」の
10月14日の記事「耐震偽装問題の彼方に見える「住宅金融革命」という陰謀?」では、今回の混乱を独自の視点で分析しています。その元になっているのは「あたりまえの家ネット--カラスの家」での東京町家さんとの往復書簡です。

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2007年09月18日

「セルフビルド---家を作る自由」

「セルフビルド---家を作る自由」
著:矢津田 義則、渡邊 義孝 編纂:蔵前 仁一 出版:旅行人
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那須にある「Bar+Gallery 殻々工房KARAKARA-KOBO」の野澤夫妻は、お店と自宅を作っています。
私も何度かお邪魔させていただきましたが、
生活しながら、お店もやりながら、少しずつ今もバージョンアップしているようで、最近は最新のウエブツールであるWikiでご自身の経験をまとめ始めています。
KARAKARA-FACTORY'S DIY DIARY

その野澤夫妻の家づくりがこの本に紹介されています。

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2007年09月13日

ハイサイドライトと北側天窓

隣地が迫っている場合、もちろん、十分なスペースを隣の家との間に設けることが出来ればいいのですが、家と家が限りなく接近してしまうことが多いのも事実。
そんな場合には窓から十分な明かりを取り込むことが難しくなります。
そこで活躍するのがハイサイドライトと北側天窓。

最初の写真は CD_House 2階リビングのハイサイドライトの例です。
天井を高くとった居間の上の方で隣の家が影響しない高さに窓を付けて、そこから光を取り込みます。

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2007年09月12日

家から発信する--外へつながる家

家にはどのくらいの広さが必要か?昨日の続きです。

この写真は私の設計したshijimi_Houseの地下室です。
昨日のsakura_House同様こちらも建築面積が7坪です。

というわけで、7坪の家で何が出来るのか、という もう一つのお話です。

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2007年09月11日

家にはどのくらいの広さが必要か?

sakura_HouseはJRの最寄り駅から歩いて3分のところにあります。
その駅からは東京まで40分、横浜なら10分かかりません。
しかし敷地は約9坪。
この土地を見付けられた建て主さんから連絡をもらいすぐに現地に。
さて、どんな家が出来そうなのか、ノートに簡単なスケッチをして購入するべきかどうか検討します。

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2007年08月21日

仏間

昨日は、二間続きの和室にお仏壇があって、という話を書いたんですが
そういえば、昨年の暮れの同級会の前に立ち寄った友人K君のお宅は古い名主の酒屋で、
そこには立派な仏間があったことを思い出しました。

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2007年08月20日

二間続きの和室

実家が上越市から長岡市に移って
夏の帰省は長岡の花火大会(8月2日、3日)に合わせていたために
今年のようにお盆の頃に帰省したのは久しぶりでした。

お盆といえばお墓参り。
この冬に亡くなられたおじさんのお墓に
そして、母方の祖父母のお墓にと お参りをしてきました。

お盆に帰省するのも久しぶりなら新潟のお墓参りも久しぶりです。

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2007年08月03日

ひとつの原点---大草原の小さな家

「大草原の小さな家」の第1シーズンがやっと日本でもDVD化されて、
うちの奥さんが大のフアンで私も嫌いではないから、さっそく夜なべをして見入っていました。
このTVシリーズを最初に見たのが小学生の頃でしょうか。
ウオルナットグローブを舞台に展開する人々の物語に心動かされたことを思い出しながらDVDを見ている時に、私の中には、インガルス父さんがつくった、この小さな家が
何とも言えない憧れのような初恋のような存在としてあったのだなあと
そんなことを思い出していたのでした。

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2007年07月13日

hanawa_h@us---床下暖房

これはなんでしょう?
実は、hanawa_h@usの床下に設置されている発熱装置です。
1kwの電気ヒーターを耐火レンガで覆ったもの。
深夜電力を利用して耐火レンガに蓄熱させて使います。
建て主さんがセルフビルドで現在製作中。

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2007年07月11日

hanawa_h@us---屋根

今日の午前中はhanawa_h@usの現場へ。
内部階段と外部のパーゴラが完成したということで確認。
板金との取り合いのチェックなどなど。

最初の写真は、その話とは別でhanawa_h@usの屋根です。
折板(せっぱん)という材料で、工場の屋根などに使われます。
ガルバリュウム鋼板ですから耐候性に優れています。
鉄板を折り曲げて作っているので強度がありますから、補強なしで軒先を出すことが出来ます。
今回はBe-h@usの高性能な箱にちょこんと載せてみました。

色は銀色で夏の輻射熱をはね飛ばします。
さらに、屋根のすぐ下の開放的な空気層が夏の日射で熱くなった折板(屋根)の熱を室内に伝えず自然に逃がしてあげることができます。
これは、日本古来の土蔵の知恵と同じ。
土蔵の場合には、置き屋根といって、土で作った箱の上に木造の屋根を浮かせるようなかたちで置いています。屋根が受け取った熱を土蔵の内部に伝えない工夫です。
hanawa_h@usでは、夏の熱さから室内空間を守る古くからの知恵を現代に応用しました。

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2007年06月29日

工務店を選ぶと言うこと

私の仕事は建築設計です。
おもに個人の住宅を設計しています。
家というのは設計しただけでは出来ないもので(あたりまえですが)
作ってくれる人が必要です。
そして、個人住宅の場合、だいたい中小の工務店さんが工事を請け負ってくれることになります。

私の仕事は建築設計ですが
作り手を選ぶというのも私の仕事です。

今までは信頼できる工務店を特明で建て主さんに紹介してきました。
しかし、ここのところ、考えが変わってきました。

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投稿者 furukawa_yasushi : 14:30 | コメント (14)

2007年05月23日

水分計

「水分計」というのは、様々な物質に含まれている水分の量を計るものです。
これは、木材の水分を計る「木材水分計」で、
イタリアのLOGICA社の LG6NG(高周波容量式)です。

木材の品質の指標とされるのは
節のあるなし、目のきれいさのほかに「含水率」と「ヤング係数」があります。
「含水率」は木材に含まれている水分を重量比で表したものです。
「ヤング係数」は材料の粘り強さですね。

「森林をいかすいえづくりの会」で
林業家から材木の直接購入を始めてから、木材の品質に関して今まで以上に関心が深まりました。
そこで、「ヤング係数」を調べるのは個人的には無理ですが、「含水率」ならばこういう機械で自分で調べられるわけですね。
もちろん正確な「含水率」の測定はかなり面倒ですし、製材された製品を破壊せずに、傷つけずに測定することを考えると、こういうタイプのものが良いとの判断です。

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2007年05月22日

集成材金物パネル工法と日本の森林

先日、上棟した「hanawa_h@us」は
Be-h@usという、集成材の柱と梁を金物で組み立てた骨組に精度の高い工場生産のパネルを組み込む木構造のシステムです。
同じようなシステムは、世間にはたくさんあるのですが
それらが企業、メーカーの利益を生むための仕組みであるのに対して
Be-h@usは設計者主導でつくられた
開かれた非営利のシステムであることに大きな違いがあります。
私が、Be-h@usを支持し、応援しているのもその点に尽きるのですが
それだけではありません。
集成材の柱と梁による工法に、森をいかす家づくりの可能性を感じているからです。

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2007年04月26日

「住宅の射程」---藤森照信の「分離派問題」

「住宅の射程」
著:磯崎新、藤森照信、安藤忠雄、伊藤豊雄 発行:TOTO出版
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4人の講演を収録した本書の中から磯崎新の「住宅は建築か」と
藤森照信の「分離派問題」が興味深く刺激的でした。
今回は藤森照信の講演について論旨をクリップしておきます。

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2007年02月25日

hinata_House---屋根通気(なつをむねとすべし)

hinata_Houseの工事は順調に進んでいます。
てきぱきとした工務店さんの仕事ぶりは、見ていてすがすがしいですね。

さて、この写真はhinata_Houseの屋根の下地工事が完了した様子です。
(2007年2月22日 撮影)
野地板に防水シート、そしてその上に「屋根通気」をとるための下地材が取り付けられています。

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2007年02月09日

hinata_Houseのプレカット

昨日上棟しました「森林をいかす家づくりの会」でサポートさせていただいておりますhinata_Houseでは
大多喜町から木材を買い付けるだけではなくて
大多喜町の大工さんに墨付けと刻みまでお願いしました。

これは、プレカットが主流となっている今の時代に
大多喜の木材を、さらに広く流通させるためのひとつの試みです。

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2006年12月15日

A House Is Not A Home---Burt Bacharach

The Look Of Love: The Burt Bacharach Collection
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僕らは仕事で家づくりに関わっている。
「家」というのは「House」である。
そして、僕らは「House」をつくることは出来るが「Home」をつくることは出来ない。

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2006年11月07日

「「間取り」の世界地図」---服部岑生

「「間取り」の世界地図」
著:服部岑生 青春出版社青春新書
amazon

タイトルが大げさで読んでがっかり、という新書が少なくない。
この本も、「世界地図」とうたっているものの、それはまあ大風呂敷。
期待してはいけない。
けれども、日本人の「南面信仰」についてふれている下りが面白かったので
書き留めておこうと思う。

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2006年08月26日

「「間取り」で楽しむ住宅読本 」---内田青蔵

「「間取り」で楽しむ住宅読本 」
著:内田青蔵 光文社新書189
amazon

戦前から戦後にかけての、貸家から持ち家への変遷をふまえ
住まいの中で間取りというものがどのように考えられてきたかを紹介している。
章立てで「玄関」「居間」「台所・食堂」「客室」「子供室」「寝室」「トイレ・浴室」と、それぞれの部屋について、歴史的な視点から、変わったもの変わらないものについてふれることによって、間取りっていったい何なんだろうという問題を、われわれに投げかけてくれる。

こうした歴史的な視点は、これから、家を作られる方には、常識にとらわれない自分にあった間取りを考えるきっかけを与えてくれるだろう。また、僕ら、間取りを考えることを仕事としている者にも興味深い内容になっている。

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2006年07月11日

まだまだ知らないことは多い。

今日は、関係者からは「そんなことも知らなかったの?」なんて
突っ込まれそうな話題です。

先日、設計者仲間のご自宅を見学させていただいたときに話題に出ていたので、いろいろ調べてみるとこういう報告書が見つかりました。

廃石膏ボードのリサイクルの推進に関する報告書

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2006年06月03日

Tana_House---6年10ヶ月

Tana_Houseの竣工は1999年8月。
竣工以来、毎年のように遊びに寄らせていただいているのですが、
今回はパン焼き小屋を増築したいという相談。
趣味が高じて本格的に営業許可が取れるようなパン焼き工房をつくりたいと言うことでした。
このあたりに、このくらいの大きさのものが出来そうだとか、
水がどこから引いてくるとか、排水はどうするとか
パン焼き小屋でパン焼き教室もやりたいとか、いろいろ様々。
予算など現実的な選択と可能性についてお話しさせていただきました。
それにしても出していただいた焼きたてパンのおいしかったこと。
こういうパンは、ほんと、多くの人に味わっていただきたいですね。

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2006年05月22日

ローコストで家を建てるということ

NewHOUSE ムック本「1000万円台で家を建てる」に
7.dd._Houseが再掲載されました。
内容は2005年3月号に掲載されたものです。
というわけで、この機会に、ローコストについて、もう一度考えてみました。

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2006年01月19日

「ハローアーキテクト」にコラムを書きました

060118-ha-01.jpg

旭硝子が運営している
Glass Plazaというホームページのコーナー
ハローアーキテクト」にコラム記事を書きました。

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2005年12月30日

「ものをつくる」ということ--2005年を振り返る

2005年は暮れになって偽造計算書の事件で 一級建築士という存在が注目されました。 また、建設業界というものも注目されています。 この事件に関しては テレビで盛んに報道されていますね。 黒幕を追求することも結構ですが まじめに建設現場で働いている人たちまで 疑いの目で見られるような、そんなことにだけはなって欲しくないと思っています。

ものをつくると言うことは
管理することではないのです。
管理されてつくられたものには魅力はない。
つくる人の自立した気持ちがものをつくる元なんです。
その大本は、信じることでしかその存在を証明できないもの。
信じることが出来なくなったら
そこには、魅力的なものを作り続けてゆく関係は崩壊してしまうのです。
そんな疑心暗鬼の世の中にはしたくないと思っています。
(アトリエフルカワ通信 No.141)

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2005年09月09日

設計者は芸者稼業か?

ある人、大先輩の建築家ですが、ちょっと前にこんなことを言っていました。

「建築家(設計者)は芸者稼業だ」

ようするに、お金を払ってくれる旦那さん(建て主さん)のご機嫌取りも大切だ、ということなんです。
ただ、設計者は「大きな期待」を込めて設計を依頼されるわけで
それに答えられるだけの技(芸)を持っていなくてはしかたがない。
そして、出来上がったものが、社会に対してメッセージを持っていいてほしい。
そのメッセージが、次なる「大いなる期待」を生むのですからね。

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2005年07月02日

おとぎ話を語ることと設計について--「空腹の技法」から

オースターの「空腹の技法」のなかにおさめられている
インタビューで、
オースターが興味深いことを言っているので、引用してみよう。

私の作品に一番影響を与えているのは、おとぎ話、つまり物語を声に出して語りつたえる伝統だと思う。グリム兄弟、千夜一夜物語、子供に読んで聞かせる類いの物語だ。いわば語りの骨子だけで出来ていて、細部はろくにないのに、膨大な情報がわずかな時間にわずかな言葉で伝達される。おとぎ話が証明しているのはおそらく、読み手にーーあるいは聴き手にーー物語を語っているのは読み手や聴き手自身だということだろう。テクストは想像力のスプリングボードにすぎない。「昔むかし、ある女の子が、大きな森のはじっこでお母さんとくらしていました。」少女の顔立ちも、家の色もわからないし、お母さんは背が高いか低いか、太っているかやせているかもわからない。わからないことだらけだ。だが、そうしたことを我々の頭は空白のままにしておかない。自分で細かい点を埋め、みずからの記憶や体験に基づいてイメージを創る。だからこそ、この手の物語は、我々のなかでこれほど深く反響する。聴き手が物語に積極的に参加するんだ。

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2005年03月19日

「設計」は、すまい手の生活の「翻訳」

つねづね、住まいの設計というのは、住まい手の生活を「家」というかたちに翻訳する作業だなと思っている。そんなことを、今までいろいろ考えてきた。
「村上春樹と柴田元幸のもうひつとのアメリカ」--三浦雅士
「翻訳夜話」--村上春樹・柴田元幸

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2004年12月29日

森林をいかす家づくり-2

<2、理想に限りなく近いところから>--1から続く--

しかし、今もう一度考えてみれば、「下草刈り」「枝打ち」「間伐」などの過酷な労働を強いられる林業というのは「皆伐」による一斉造林によってもたらされているのではないかということです。

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2004年12月28日

森林をいかす家づくり-1

僕らの「森林をいかす家づくりの会」が
考えていること、目指していることを2回にわけて書きます。

「森林をいかす家づくり」について僕は語ろうと思います。
それは理想かもしれません。
でも、その理想に少しでもこの現実を近づける事が大切なのであって
理想を否定することも、現実を否定することも、どちらにも意味がないと思うから、僕は理想について語ろうと思います。
「皆伐(かいばつ)」から「択伐(たくばつ)」へ。
「生産主義」から「生態主義」へ。
僕が考える理想はそこにあります。

<1、まずは僕が知っている現実から>

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2004年10月12日

基本設計とは?--cucu_Houseの場合

基本設計というのは設計者によって いろいろなとらえられかたをしているようですが
ここでは、アトリエフルカワの場合どうなの、っていうことをcucu_Houseを例にしてお話しましょう。

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2004年10月04日

お父さんの場所

cucu_Houseのご主人から
自分の部屋が欲しいと言われました。
「お父さんの部屋」です。

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2004年09月01日

僕のOMソーラー原体験-1990

5月の南相木村は
日中はTシャツでも過ごせるくらいだけれども
日が沈めば冷気が空から降りてくる。
僕らはその日小屋の中でにぎやかに歓談していたのだが
いつの間にか暗くなった外に広がる星空を見ようと
みんな外にでた。
外の寒さは格別で、みんなの息は白く、それでも夜空の星は輝くばかりで
みんなで見とれ、しばしを時間を過ごす。
そして、もうそろそろかと、戻る僕らをむかえてくれた小屋の中の暖かなこと。
寒空に冷えきった僕らの身体を芯から暖めてくれる。
ほっぺもポーッと赤らんでくる。
「これがOMソーラーなのか・・・」
その時の感動は、僕の身体にいまでもはっきりと記憶されている。
1990年のことだ。

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2004年08月31日

「世界をデザインする家」

事務所の近くで工事が始まった。新築住宅だ。
そこに、こんな看板が建っていた。
「世界をデザインする家」・・・・。
ところで「世界をデザインする」ってどういうことだろう。

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2004年08月17日

next,and...--そして設計が始まる

設計の相談のはじめは
何回か会ってお話をすること。
書いてもらった「設計ノート」を開くと
面談でのインタビューではでてこなかったような話もでてきます。
さまざまなご家族、さまざまな家。
さまざまなアプローチ、さまざまな価値観。

10人10色です。

そして、そのご家族の生活の様子が少しずつ僕の中にイメージされてゆきます。
その段階になって、初めて家の「かたち」を描き始めます。

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2004年08月16日

second step--設計ノート

設計の依頼は、まず相談から。
メールや電話でのやり取りの後、直接あってお話しします。

相談者とのそうしたキャッチボールで
相手の望むこと、自分が答えられることが少しずつ見えてきます。
あるいは、お話だけではピンと来ない場合には
僕の仕事を実際に見ていただくことになります。
百聞は一見にしかず、ですね。
それから、どんな家が良いのか、今までの家はどうだったのか、
そういうことを書き留めておくための「設計ノート」というものを
相談にきてくださった方々にお渡ししています。

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first time--初回面談のとき

初めて会う人
待ち合わせの場所で
アンテナをピンッ、と立てていると
お互いに目が合う。

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2004年08月07日

いやな暑さ--都市の輻射熱

松本と長岡の実家から
東京に戻ってみて気づくのは
東京のこの「いやな暑さ」だ。
日中の気温は松本も長岡も東京と変わらないだろう。
では、この「いやな暑さ」の原因は何か、考えてみた。

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2004年07月29日

「施主直営」と「family」

家をつくる方法としては、
まずは、すべてを自分でやってしまう方法がある(=セルフビルド)。
しかし、それではあまりにも大変だ。
だから現実的な選択としては、お金を払って専門家に依頼することになる。

一般的には「工務店」「ハウスビルダー」に窓口となってもらって
家づくりに関わる数多くの職人さんを手配・管理してもらうことになる。
これが「請け負い」方式。一般的な方式だ。
この場合、「工務店」「ハウスビルダー」を「元請け」という。
これに対して、「施主直営」とは、各職人さんの手配やとりまとめを建て主(施主)自らが行う。
あるいは、誰かにコーディネートしてもらう場合には単に「直営」方法と呼ぶ場合もある。

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投稿者 furukawa_yasushi : 20:02

2004年07月19日

「世田谷のアウトレット住宅」

世田谷区のS_Houseが、本日、テレビ東京の「快適!住まいるナビ」で紹介された。
テーマは「アウトレット住宅」と「施主直営」。

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2004年07月18日

「トラック・列島3万キロ」-流通について

NHKスペシャル「トラック・列島3万キロ」を観た。
http://www.nhk.or.jp/special/libraly/04/l0007/l0718.html
「追っかけ」と呼ばれる長距離ドライバーの姿をとらえていた。
流通と地産地消について考えた。

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2004年06月11日

「北の国から」--五郎さんの家

五郎さん、とは黒板五郎さん。北の国から、である。
実は、私はこのドラマに全く縁がなかった。
テレビで放映しているときも、その後定期的にスペシャル番組が放映されたときも
一度として観たことがなかった。

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投稿者 furukawa_yasushi : 10:34

2004年05月26日

木の家と大工さんとプレカット

take_Houseのプレカット図についてのエントリーを読んでくださった
建築家の大先輩でblogの大先輩である秋山さんからお電話をいただいた。
お電話の中でいろいろアドバイスをいただいたので自分なりに消化して整理してみた。

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2004年05月11日

たたみ--取り外し可能な床

tatami-01.jpg
まちで畳を見た。
たたみというのはとてもすごいと思った。
何たって、誰にでも取り外しが出来て、こんなふうに外で干しちゃう事が出来る。
一体世の中のどこの国にこのようにフレキシブルな床材があるのだろうか。
外で干せる!!!!

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