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2005年01月02日

TABULA RASA--Arvo Pa¨rt

[音楽--music ]

TABULA RASA--Arvo Pa¨rt
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むかしむかし、なにげなく手にしたECMレコードのサンプル盤に入っていた
Fratresを聴いてこころうたれた。

Gidon Kremer --Violin
Keith Jarrett----Piano

ECMというレコード会社は独自のレーベルカラーをもっていることで知られている。
僕も、ヤン・ガルバレクなどをECMを通じて知った。
しかし、ジャズのレーベルだという認識しかなかったので
このレコードを手にした時は驚きだった。
ECM NEW SERIES
このシリーズがなかったらArvo Pa¨rtなんていう作曲者なんて
今でも知らなかったに違いない。
記録されるレコードというもの。
音楽はリアルタイム(ちょっと誤差あり)で海を渡り世界を巡り日本にたどりつく。
Arvo Pa¨rtはエストニアの作曲家。
ECMはドイツのレコード会社。
僕は日本人。
音楽の世界の「想像の美術館」。

MADCONECTIONのiGaさんが教えてくれた
萩原健太さんとピーター・バラガンさんの対談
日本に世界のCDが集まってくるというようなことが書いてあった。
小説にしてもそのようで
アメリカなどではハードカバーの本はある時期を過ぎて
売れると判断されればペーパーバックになるが、そうでなければそのまま増刷されることはない。
よって、欲しいと思った本は店頭にならんでいる時に迷わず買っておかないと
後ではなかなか手に入らないそうだ。
日本はちょっと違う。
村上春樹がなにかのインタビューで言っていたけれども
レイモンド・カーヴァーの小説を読みたいならば日本の書店が一番。
ポール・オースターも来日した時に英語のペーパーバックを何冊も買って帰ったそうだ。
アメリカでは手に入らないって言って。
日本は、音楽にしても小説にしても、吹きだまりなのかもしれない。
それとも、それぞれの文化がたどりつく最後の部屋。

ともかく、僕らは日本で生活をしていることで
文化的に特別な環境を与えられているのは間違いないようだ。

新たな年を迎えて、蒼く燃える焔のごとき演奏を静かに聴きながらそんなことを考えた。


※新しいホームページで情報更新中!!

投稿者 furukawa_yasushi : 2005年01月02日 00:30

コメント

古川さん、あけましておめでとうございます。
ベルトは知りませんでした。今度聞いてみようと思います。
このタブラ・ラサの中の演奏者「ギドン・クレーメル」は映画「シャコンヌ」でバイオリン演奏をカバーしていて、その重厚なシャコンヌの演奏に打たれてからよく聞くようになりました。彼のピアソラのタンゴは大好きです。
追悼歌のある作曲者のベンジャミン・ブリテンは「ノクターナル」というギターの名曲をギタリストのジュリアン・ブリームに捧げましたが、同時代のウィリアム・ウォルトンとともにそれまでと違った感性の曲を作り、ギター音楽に新しいページを加えた新鮮な曲風がとても好きです。
余計なことを書いてすみません。
今年もよろしくお願いいたします。

投稿者 中里 : 2005年01月02日 15:01

中里さん あけましておめでとうございます。
「シャコンヌ」という映画は観ていませんが
バッハのお話か、あるいはバッハの無伴奏ソナタとパルティータに関係するお話しなのかなと推測しています。
と言いながら、クレーメルのシャコンヌはまだ聴いたことがありません。シェリングと古いですがシゲッティくらいを耳にしていますがそれほど聞き込んでいないので、何か語れるほどではない程度です。ヴァイオリンでなくてチェロだったら無伴奏は好きでいろいろな人の演奏を聴いています。そういえば、無伴奏チェロはギター演奏用の編曲もありましたね。
ブリテンも何曲かCDで持っていますが、その全体像はまったくつかめていません。このCDに収録されている追悼曲は、ミニマルミュージックをバッハ風にした、あるいはグレゴリア聖歌風にした不思議な曲で、結構僕は好きです。
ジャズに限らず、こうした音楽ネタもエントリーしてゆきたいと思っていますので、これからもよろしくお願いします。

投稿者 fuRu : 2005年01月02日 20:26

必ずしも正確な音ではありませんし、上手く鳴ることも少ないスピーカーですが、クレーメルのバイオリンを聞くならgoodmanのAXIOM80が最高だと思います。ECMのクールビューティーとの相性は必ずしも保証できませんけれど。大きなお世話でした。

投稿者 kawa : 2005年01月02日 20:31

kawaさん あけましておめでとうございます。
実は、最近、クレーメルをあんまり聴いていません。
このCDはとてもひさしぶりに聴いたものです。
クレーメルの音は研ぎ澄まされた音の粒をすごく感じます。ものすごいと思います。で、もう少し若い頃には、耳をだんぼにして聴いていた頃もありました。
でも、いまなら聴くならイツアーク・パールマン。
ベルグのヴァイオリン協奏曲で、その違いは顕著です。
これもいつかはエントリーしたい記事の1つ。
kawaさんのブログのカテゴリー「AUDIO」
http://kawa.weblogs.jp/things/audio/index.html
は、オーディオに関心のある方はぜひ。

しかし、最近スピーカーから出る音楽を ほとんど聴いていません。
理由は明らかで、家に帰ると子供たちがいるのでまず音楽が聴けない。
子供が寝静まったら、スピーカーから音は出せない。
というわけで、昨年のiPodとシュアのE2cとの出会いは僕の人生観を変えてくれるほどの出会いでした。そこには二つの発見があります。インナー型イヤフォンでこれだけ自然な音が聞けるんだというのが第一の発見。そして、うるさい電車の車内でも音楽が聴けるのだって言う発見。これはすごい。

投稿者 fuRu : 2005年01月03日 11:18

>インナー型イヤフォンでこれだけ自然な音が聞けるんだ、、
箱形スピーカーボックスは共振によって、音を打ち消したり、歪ませているということらしいです。僕もヘッドフォンで、あれ!と思うことがあります。スピーカーボックスからは聴こえなかったベースラインがくっきり聴こえたりすることがあります。

ECMのマンフレッド・アイヒヤーはベルリン・フィルに在籍していたこともあるらしいコントラバス奏者だったようですが、インディレーベルの一つだったECMの初期のレコードは録音機材が良くない為か音質がいまひとつですね。Dollar BrandのAfrican Pianoが1969年10月の録音になっていますが、このCD(LP)も録音が良いとは思えない、この年にECMをマンフレッド・アイヒヤーが立ち上げています。
キース・ジャレットも1971年の最初のソロピアノ「Facing You」は今一つの音質、1972年のチックコリアのリターン・トゥ・フォーエバーが日本で爆発的にヒットして、余裕がでてきてから、これがECMの音だ!と言えるようになってきたような気がします。

投稿者 iGa : 2005年01月03日 16:23

iGaさん あけましておめでとうございます。
音がよい、ということで評判のECMも初期の頃は情けなかった、というところでしょうか。
Dollar BrandのAfrican Pianoは僕も愛聴していますが、最近までECMだと思っていませんでした。
iGaさんも言われるように、その後のECMは音を聞いただけでこのレーベルを想像させてくれる独特な世界を持っていますね。
ちなみに、「リターン・トゥー・フォーエバー」のヒットは日本だけのことですか?
きっとiGaさんはランドセル背負ってチック・コリアのコンサートに行ったに違いないと僕は睨んでいます。

投稿者 fuRu : 2005年01月03日 16:39

そう、ランドセル背負って黄色い帽子被ってね、
ん〜それじゃ〜ドリフのコントじゃないの。
しかし、「リターン・トゥー・フォーエバー」のチック・コリアのコンサートにはびっくりしました。
今までのジャズコンサートでは考えられないくらい、女性の観客層が増えていました。流石に黄色い帽子でランドセルの「チビまる子ちゃん」風はいませんでしたけどね。

投稿者 iGa : 2005年01月04日 09:54

fuRuさま

TB有難うございます。「快楽原則」のkompfです。

日本の文化環境の話、興味深かったです。
西洋の文化とのしがらみが浅い日本ならではなのでしょうか?
現在はネットで買い物が出来る時代だから、もう少し様相が違ってくるのかもしれませんが。

萩原健太さんとピーター・バラカンさんの対談も、一気に読みました。ピーター・バラカン氏は、私が学生時代、新宿の丸井地下にあったヴァージン・レコードで月1,2度DJのようなことをされていて、そこで紹介されたCDを良く買っていました。当時の私にとって洋楽部門の先生でした(笑)

ところで、コメント欄で話題に上った映画「シャコンヌ」ですが、原題は「Le Jeueur de Violon(バイオリン弾き)」です。地下鉄の構内で演奏活動をするバイオリニストの話です。劇中、バッハの無伴奏シャコンヌが演奏されるシーンが印象的だからそういう邦題になったのでしょう。

遅くなりましたが、今年もよろしくお願いします。

投稿者 kompf : 2005年01月10日 05:51

こんにちは
kompfさんに 音楽の話題、特にジャズではなくてクラシック系でコメントをいただけると恐縮してしまいます。
kompfさんのブログ「快楽原則」は、音楽ネタのブログとしてはとても興味深く参考になる記事で構成されています。僕のような素人からすると、ちょっとあこがれてしまうブログです。
http://kairakugensoku.cocolog-nifty.com/weblog/

ところで、バッハの「シャコンヌ」ですが
kompfさんのおすすめのCDなどありましたら、今度教えてください。
こちらこそ、本年もよろしくお願いします。

投稿者 fuRu : 2005年01月10日 16:38