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お昼前後は、とても暑くなるので、朝から出発。
9時半頃から釣り糸を垂れる。我が家の他には誰もいない。午前の部。
釣り糸とは言ってもタコ糸で、仕掛けとしてはとても簡単。片方を割りばしに結びつけ（釣りざお）反対側に餌（さきいか・にぼし）を縛りつける。その先に重りになる５円玉をくっつけた。これは、近所の子どもたちに教えてもらった仕掛けのようだ。
糸を水面に垂れると、すぐにザリガニ君達が食いついてきた。
仕掛けは、僕のと家人のと子供のと三つ。三つとも、くいくいとザリガニ君は引っ張っている。
よーし、と、そろりそろりと糸を引く。
水面直下にザリガニ君の姿が現れる。
やった！と思うまもなく、ぴょーんと、ザリガニ君は水の底へ。
そんなことが、何度か続く。

向こう岸で（と言っても2mも離れていないのだが）家人の悲鳴が聞こえる。
どうしたんだと思ってみると、大きなシマヘビが沼地の水面を泳いでいる。
それにしてもでかい。色も金色。不思議な蛇だ。
しばらく沼地の辺りをうろうろしていたがそのうちに姿を消してしまった。

さて、ザリガニ吊りであるが、なるほど、思ったよりも簡単ではない。
あんまり釣れないので、子どもたちも退屈になってきて、家へ帰ると進言してきた。
一時退散。

夕方、懲りもせずに4時頃、再度挑戦。
今度は、その沼地には、大勢ひとが集まっている。
小学生くらいの子どもたち。みんなザリガニ吊りをやっている。
空いているところを見つけて釣り糸を垂れる。
またしても、水面間際で逃げられる。
考えてみれば、ザリガニ君達は彼らの自由意志で餌にしがみついているわけで
「おや？なにか変だぞ」と思えば、いつでも手を放して構わないわけで
これではこちらの分が悪い。
向こう岸で挑戦している子どもたちは要領を得たものですくい網を用意して
途中まで引き上げたザリガニ君を水中ですくって捕まえている。
家人に聞けば、娘の友達は網など使わずにつり上げているとのこと。
はてさて、娘の友達はザリガニ吊りの名人か。
と、またしても、あまりに釣れないので
子どもたちから家へ帰ろうとの進言。
時間も5時。
あたりはまだ明るく、気がつかなかった。日はずいぶんと長くなったのだ。
家路にいそぐ古川家のバケツにはザリガニの姿がなかったのはいうまでもない。