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2005年06月11日

MILES DAVIS VOLUME 1、2

[ジャズ--jazz ,音楽--music ]

MILES DAVIS VOLUME 1
(→amazon
1952年5月9日、1953年4月20日録音

マイルス率いるオールスターセッション。
1954年の「Walkin'」に向けて突き進む、若きマイルスの姿がここにある。

「マイルスはチャーリー・パーカーの陰画だ」
中山康樹が書いているのを読んで、なるほどと思った。
僕がもっているCDでは
1945年11月26日のSavoyでのセッションから
Dialのセッションを経て、1951年1月7日のVerveでのセッションで
マイルスとパーカーの共演を聴く事が出来る。

1945.11/26 Savoy
1947.12/17 Dial
1948.9/24 Savoy
1951.1/17 Verve

特に、1945年から1947年にかけて、マイルスの演奏は俄然うまくなっている。
チャーリー・パーカーのコンボで切磋琢磨した努力の結果だろう。
その努力の末に、自分はパーカーのまねをしていてもダメだ、自分のオリジナルをアピールしなくては埋もれていってしまう。そう、切実に感じたに違いない。何たって、パーカーの隣で演奏していたんだから。

そして、1955年の「'Round About Midnight」のミュートプレイにそれは結実する。
自由奔放なパーカーの自由自在なアドリブプレイの陰画としてのマイルスのミュート。
その二つの世界の対称性は、とても分かりやすい。
そして、このブルーノートの記録は、ちょうどその真ん中の姿をとらえている、そういっていいんじゃないかな。
演奏は素晴らしい。麻薬中毒で最低だったマイルスとは思えない。いっしょに演奏している仲間も良い。
でも、ここで聴く音、感じる空気はマイルスでなければ出せなかったとは強く言えない。
悪く言えば、時代の潮流であった、ハードバップのその他大勢に、下手すると埋もれてしまいかねない。
それは、「'Round About Midnight」のような、マイルスでなくては出来なかった世界ではないのだ。

第2集と言うのもあって、これは続編というよりも、この2枚でひとつ。
いっしょに聴くべきもの。

MILES DAVIS VOLUME 2
(→amazon
1952年5月9日、1953年4月20日、1954年3月6日録音

<蛇足>
中山康樹の「マイルスを聴け!」では、どうして、パーカーコンボのマイルスを外しているんだろうか?パーカーコンボのマイルスは聴いちゃあいかんということなのだろうか?よくわからん。
miles-wo-kike.jpg
amazon


※新しいホームページで情報更新中!!

投稿者 furukawa_yasushi : 2005年06月11日 11:34

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コメント

なんかすごく外したコメントだと思うんですけど、昨日「コラテラル」を見ていたらマイルスのエピソードを使ったシーンがありまして。
fuRUさんご覧になったかしら?と。思わずにやにやしてしまったんですけど。

投稿者 kazoo : 2005年06月12日 08:22

kazooさーん
残念!それ、観ていません。うーん、どんなエピソードなんだろう。
気になります。

投稿者 fuRu : 2005年06月13日 09:54

うふふふふ。見てのお楽しみですね。結構重要なシーンで使われてましたよー。

投稿者 kazoo : 2005年06月13日 13:28