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2006年06月09日

aiko_House 墨付け

[0506---aiko_House ]

今日の午後からは、aiko_Houseの墨付けが始まったというので
建て主さんと一緒に作業小屋にでかけました。

なかなかの材料が入っています。
斉藤造林さんからの木材です。
こういう材料を見ると、どきどきしますね。

aiko_Houseの骨組み(軸組)は、大工さんの手で墨付けをして、大工さんの手で加工します。
現在主流のプレカットではない昔ながらの「手刻み」といわれる方法です。

大工さんの手で、ひとつひとつの材料を吟味しながら作ってゆく手刻みの良さについては、以前にも書いたことがあります。(「木の家と大工さんとプレカット」)
aiko_Houseも、その良さを生かすべく手刻みとしました。もちろん、それを引き受けてくれる大工さんと、手間賃の差額を理解してくださる住まい手がいてこそ可能なのです。

現在、腕の良い大工さんに手刻みでお願いすると、プレカットに比べて、おおよそ2倍の手間賃がかかります。
具体的には、おおよそ30坪くらいの家で、手刻みならば60万円、プレカットならば30万円。その差は30万円くらいが相場だと思います。
建設工事費のなかで30万円というのはとてもおおきな金額です。
ですから、材料を一本一本吟味する必要もないよ、ということになれば、プレカットという選択肢も出てくるわけです。
しかし、材料を吟味するのは墨付けの作業です。刻みの作業は、大工の仕事の中ではわりと初歩的な部類に入ります。ですから、墨付けの作業は熟練した大工さんが担当して、刻みの作業は、若い見習の大工さんにまかせる。見習いの大工さんにとっては、刻みの作業が道具の使い方を覚える良い機会になる。
僕が働いていた清瀬(東京都)の内田工務店では、若い見習の大工さんがたくさんいて、彼らにとっては刻みの作業がとても大切な修行の場になっていました。
このことは、見習いの安い手間賃で刻みが出来るということでもあり、その場合にはプレカットとの価格差はほとんどなくなります。
木の家をつくる時、熟練した大工さんと見習いの大工さんの組み合わせは、技術の伝承という点でも、合理的な手間賃の配分という点でも理想的です。
ただし、若い大工を育てている内田さんのような工務店は、とても少ないために、一般的にはプレカットのほうが断然安いということになるのです。
今回、工事を願いしている工務店さんも若い大工さんよりも熟練した大工さんのほうが多いので、どうしても価格的にはプレカットにかなわないということになるのです。
ですから、手刻みの場合には住まい手さんのご理解が不可欠になってきます。
コストの点でも、いろいろ考えることが多い墨付け刻みの作業です。


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投稿者 furukawa_yasushi : 2006年06月09日 18:20