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2007年05月08日

Keith Jarrett Trio@Tokyo Bunka Kaikan

[ジャズ--jazz ]

On Green Dolphin Streetが好きだ。
若葉が萌え出ずる。花々はむせ返るように薫り立つ。
風は吹き、空が眩しい。
On Green Dolphin Streetは、そんな季節にとっておきの一曲だ。
そして、今日のコンサートはこの曲から始まった。

思えば、Jack DeJohnetteのドラムが聴きたかったのだ。
昨年の暮れ。
しかし、Jackの音を聞く最も現実的な選択はKeithのトリオを聞きに行くことであり、
調べれば、なんと来日が予定されていた、というわけでありました。
9月から発売されていたチケットを12月に買うのですから、
当然のことながら良い席はありませんでしたが
それでもと思ってチケット購入。それから5ヶ月。
待ちくたびれて、忘れてしまった頃にやってくる。
あれ?どうしてKeithのチケットを買ったんだっけ???

聞きたい、と思ったときに、すーっと、聞きに行けるのが当たり前であって欲しいけれど
まあ、そんな難しいことは言うまい。
今日、私はJackのドラムを生で聞くことが出来て、
最初の一発からばっさりとやられてしまっていたのだから。

ともかく、素晴らしい演奏でした。
JackのドラムもGaryのベースも、すごいなあ。
途中の20分の休憩を除き、2曲(!)のアンコールを含めて2時間の内容は、ほんとに密度が濃い。
もう1曲アンコールやってたら聞いてるこっちがまいちゃったかもしれない。
それほどの充実した演奏でありました。

しかし、まあ、その、なんですね。
先日のJim Hallの時もそうだったんですけれども、
あのギタリストはBill Evansと演奏していたんだとか、
あのベーシストは、Milesのとてつもなくすごいアコースティックバンドにいたんだとか、
どうしても、そういうことが頭から離れないのですね。
今日も、Milesの過激なエレクトリックバンドのキーボードとドラムであったり、
Albert Aylerと演奏していたベーシストだったり。

でもですね。
それは、聞いているこちら側の問題なんであって
演奏している三人にとっては、どうでもいいこと。
彼らの演奏が、今を生きているものであることがそれを証明しているわけです。

そう思ったら、目の前の3人が一つになって見えてきました。

Keith Jarrettは、一昨年、ソロコンサートにも行きましたが
それほど得意ではなかったんですが
Keith Jarrett Trioは、やはりすごいなあと思いました。
ちょっと、このトリオ、もう少し突っ込んで聞いてみよう。

○MADCONNECTIONのiGaさんが4月30日の東京文化会館にいかれています。
Keith Jarrett Trio 2007

○KARA-KARAのnOzさんが日本公演最終日(5月10日)にいかれています。
Keith Jarrett Trio JAPAN TOUR 2007/ 東京厚生年金会館

<蛇足>
第2部の1曲目。It's Alright with Me。
出だしに、思いっきり反応していたのは私だけではなかった。
私にとってこの曲は、Brad Mehldauのトリオで聞きなれていた曲で
Keithの弾く出だしは、どうしてもMehldauの演奏を連想してしまうものだったからなんです。
そんな連想をしていたのは私だけでしょうかね。
ともかく、世代は違えどもとかく比べられがちなこの2人のピアニストは
ともにトリオとソロを得意としています。
ソロの演奏についてKeithと比べられたMehldauは
インタビューに答えて
自分のソロは、基本となる曲がしっかりあるもので、そうした曲のないところから自由に始めるKeithのソロとは違うんだというような、説明になっていない主張をしていたりします。
多分に両者共々、強く意識しているに違いありません。

<セットリスト>
1st Set:
1) On Green Dolphin Street
2) Doxy
3) 不明(Slow Ballad)
4) Joy Spring
5) I Should Care
6) Basin Street Blues

2nd Set:
1) It's All Right With Me
2) A Raggy Waltz (Keith Jarrett)
3) Masquerade is over
4) Ballad of the Sad Young Men

Encore:
1) God Bless the Child
2) When I Fall in Love
(鯉沼ミュージックブログより)

覚え書き
1階19列30番 SS席 12000円


※新しいホームページで情報更新中!!

投稿者 furukawa_yasushi : 2007年05月08日 22:50

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コメント

Live、行かれたのですね!
On Green Dolphin Street私も大好きです!
Aメロの最初の半音でシフトしていくところが特に・・・
この曲私、昔シンガーズ・アン・リミテッドで知りました

Keith Jarrett Trioは私も好きですがKeith Jarrett は・・・私もアノ(ウメキ)がぁ!
Jack DeJohnetteも好きです!特にバラードの時のリズムアレンジがいいですね
この人とピーターアースキン、派手さはないけどいいんですよね
JAZZ界を代表するドラマーです!
Gary Peacock、体の具合は大丈夫なのでしょうか?

>曲のないところから自由に始めるKeithのソロ

そうコレ、ギターで言うとアラン・ホールズワースが近いかなぁ?

そうそう、ユ二クロでECMのTシャツ売ってますね
このKeith Jarrett TrioとPat Metheny 買いました♪

投稿者 chacha hide : 2007年05月09日 00:12

初日は二曲目"My Funny Valentine 〜 Improvisation" での"Jack DeJohnette"のマレット奏法が秀逸でした。"Jack DeJohnette"も"Gary Peacock"も夫々、At The Montreux Jazz Festivalと"Trio64"で"Bill Evans"と共演してますね。"Gary Peacock"は日本滞在中の1970年に銀座のジャンクで菊地雅章と村上寛とのトリオを聴いてます。このトリオもドラムが村上寛でなく"Jack DeJohnette"だったら最高でした。そういえばも菊地雅章も唸りますね、"Keith"程じゃないですが、、、(^_^;)

投稿者 iGa : 2007年05月09日 05:45

chacha hide さま
行ってまいりました。
Keithはあいかわらず、うめいていましたね。
ドラムでピーターアースキン。いいですよね。
私も好きです。
Garyは、やはり体調があまりよくない感じで、演奏開始直後はどうかなと思いましたが、すぐに絶好調で、全体を通しても良かったですよ。
私から見て、昨日の一番はDeJohnette、2番はPeacock。
一番のりきれていなかったのがKeithかな?
こういう印象は聞く人によって変わると思いますが。

追伸
私もKeithの「up for it!」のTシャツを買いました。
でも、恥ずかしかったので昨日は着てゆきませんでした。σ(^_^;)

投稿者 fuRu : 2007年05月09日 17:22

iGa さま
東京初日と大阪、そして横浜と昨日の東京。
すべてプログラムが違っていたのですね。
それにしても、1970年のGary Peacockとは!
その時代に聞いてみたかったですね。
どんなふうに聞こえたのか、いろいろ想像(空想)してしまいます。

投稿者 fuRu : 2007年05月09日 17:26

厚生年金会館も良かったですが、こんどは文化会館でも聞いてみたいですぅ・・・。
こう演奏曲がちがうと複数日見に行く人も気持ちが分かるなぁ (^^;)

投稿者 nOz : 2007年05月13日 11:14

nOz さま
いやあ、良かったですよね。
ひょとして、自分が知っているCDでのライブよりも良いのではと思う瞬間も多くて
彼らの演奏は、常にレベルが高いということに、うなりながら帰ってきました。
これだったら、曲目も違うし前日制覇もしたくなるってものですよね。

ちなみに、なんと私、東京文化会館は初体験でした。
iGaさんも書かれているように、とってもアコースティックな響きなんですね。
楽器の音が生々しく聞こえる。
一昨年のソロの東京芸術劇場の響きとはずいぶん違っていて
もちろん演奏はKeithなんだけれども、その響きの違いがとても面白かったです。

でも、このトリオ。今まで食わず嫌いだったことが強く惜しまれるのでした。
挽回するというのも変ですが、1983年の録音から聞き直しています。(^^;)

投稿者 fuRu : 2007年05月13日 11:21

キース・ジャレットきてたんですね。知りませんでした。
すごく良かったようですね。うらやましい。

投稿者 BBQ : 2007年05月14日 22:40

BBQ さま
むむむ!
KeithフアンのBBQ さんでしたら、ご存知かと思っていました。
そんなことなら、お知らせするべきでしたね。
でも、あれですよ。お仕事が忙しすぎるんですよ、きっと。

それにしても、次回はいつになるかわからないのが困ったものですね。
KeithとJackはともかく、Garyのことを考えると、ひょっとして、ひょっとする、のが、ちょっと悲しいところです。

投稿者 fuRu : 2007年05月14日 22:51