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2008年12月03日

「六ヶ所村ラプソディー」---鎌仲ひとみ

[映画・ドラマ・舞台--movie/play ]

朝の電車はトラブルで遅れ、いつもより少し遅い時間に自由学園の前を通ると人だかり。
何かと思って覗き込めば、これから映画が始まるとのこと。
当日券もあるというその映画は、以前から気になっていた「六ヶ所村ラプソディー」。
これも何かの縁とチケットを買って映画を観ました。
会場は、自由学園の講堂。
音楽の演奏会で何度か訪れたことはありますが映画ははじめてです。
音はともかくこういう場所で映画を見るのも良いものです。

映画は六ヶ所村の使用済み核燃料再処理工場をめぐるドキュメンタリー。

問題の骨子は「六ヶ所村核燃料再処理事業反対運動(Wikipedia)」に詳しいので、そちらを参照してください。

プルトニュウムの危険性は映画のなかで京大助手の小出氏の発言で痛烈に指摘される。

1986年の映像。漁業権を死守しようとする漁民たち。

漁業権の買収。工業団地の誘致。働く場所の保証。
工業団地計画の崩壊。再処理工場の建設。

イギリスの再処理工場の話。事故。操業停止。
汚染された海は戻らない。

問題の核心はどこにあるのか?

エネルギーを大量に消費して発展してきた社会であるということ。
そして、これからもエネルギーを大量に消費し続けるであろうこと。
社会のシステムがエネルギーを欲し、社会のシステムに従う人間。

六ヶ所村に住む人は、再処理工場の実態を知らない。
本格的に稼働すればどのようなことが起こるのかわかっていない。
でも、再処理工場のおかげで生活ができているということは無視できない。
再処理工場からのお金に依存する生活。
昔は生産に依存する生活だった。漁師も農家も。
その昔のあり方を守ろうとしている人々の姿。
おいしそうなトマト。

監督の鎌仲ひとみは中立の立場でこの映画を作ったといいます。
それは、原発側と反原発側のあいだというよりも
それらを全部ひっくるめて立っているこの地球の立場でつくったという感じがします。

映画の後は監督自らが登壇されてトークショーとなりました。

そのなかで、今作っている映画について話されました。

瀬戸内海での核施設の建設に反対する人々の映画。
反対運動に駆けつけた若者のこと。
シーカヤックで、サーフボードで瀬戸内海を横断する。
若者たちのアクションに新たな可能性を感じたと言います。
また、スエーデンの話。
スエーデンは20年かけて化石燃料・核燃料に頼らない国づくりをすすめてきたということ。
そういえば、ドイツでは住宅規模でのソーラー発電が盛んです。それは、国の政策によるもの。
日本でも10年ほど前にはソーラー発電に対して補助金が出ていましたが、数年で消えてしまいました。
環境政策は持続可能な社会をつくるためです。そのためには、やはりスエーデンのように20年越しでのビジョンを持たなくては何もなしえないのではないでしょうか。
そんなことも考えさせられました。

以前から気になっていた映画であるとはいえ
たまたま偶然にみることが出来た映画に多くのことを考えさせられました。

「六ヶ所村ラプソディー」公式HP

DVDにもなっているようです。



※新しいホームページで情報更新中!!

投稿者 furukawa_yasushi : 2008年12月03日 15:20

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