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2009年09月07日

フォルマ・フォロ セミナー 第1回 坂本一成講演会

[建築--architecture ]

土曜日は日月会主催の「フォルマ・フォロ セミナー 第1回 坂本一成講演会」に出かけました。「日月会」とは武蔵野美術大学建築学科の卒業生の会です。
建築家の坂本一成氏は、私が武蔵野美術大学在学中で3年生になる時に東京工業大学に籍を移されました。私は坂本先生のゼミには参加できませんでしたが大学2年生の最後の課題で先生の設計演習を受講する事が出来ました。当時は、坂本先生は1年生の図学を担当されていて、確か土曜日の午前中の2時間の、1時間目に講義があり2時間目が演習となっていました。反抗的だったのか朝起きれなかったのか、そこのところは定かではありませんが、私は1時間目の講義をさぼって演習だけ受講。それでも、図学はもともと得意だったので講義を受けなくとも主題された課題を解くのはさほど難しくなくこなして いい気になっていた記憶があります。
坂本先生は当時、祖師谷の家を発表されたばかりだったと思います。新進気鋭の建築家として注目を浴びていました。そんなこと新潟の田舎から出てきた私は知る由もなく、無礼な事をしていたなあ、などと思い出されます。

その坂本先生の今回のテーマは「構成形式と現実条件の緊張関係・ニュートラルな建築空間のために」。散田の家から最新作までを振り返りながら「建築とは何か?」というとても大きなテーマをお話してくださったと思います。

以下、セミナーの覚書。

<坂本一成語録。忘れないうちに。01。>
自由で生き生きとした空間を求めること。形式と便宜性。形式に縛られ便宜性に流されないようなありかた。

<坂本一成語録。忘れないうちに。02。>
建築とは形式を作ることだ。70年代の閉じた箱から80年代の家型へ。箱という強い表現を避けるための家型。ありきたりの家型は形体操作、フォルマリズムから自由になるため。

<坂本一成語録。忘れないうちに。03。>
形からの解放。分節による構成。都市へ開くこと。House SAからHut Tへ。架構の強い表現が外皮側から建物中央に逆転。外への解放と浮遊感。

<坂本一成語録。忘れないうちに。04。>
都市はできるだけ大きなボリュームで占拠されてきた。資本の巨大化に従っているのではないか。適切なボリューム感。スモールコンパクトユニットとして小さいまとまりを考えそれを分棟で配置するアイランドプラン。

<坂本一成語録。忘れないうちに。05。>
庇を取りたい。庇があると形にならない。ではどうするか?そのせめぎ合いが建築の面白さ。

坂本先生は言っていませんでしたが、これは「なぜ庇が必要か」をわかっていないとわからない面白さですね。これはかなり重要で形態操作の面白さだけを引き受けてはいけないというメッセージでもあります。

<坂本一成語録。忘れないうちに。06。>
スケール感。形式と便宜性のせめぎ合いはスケールによって決定される。形式がスケールを伴ったものが建築である。スケールとは配分のプロポーション。


※新しいホームページで情報更新中!!

投稿者 furukawa_yasushi : 2009年09月07日 09:45

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