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2010年05月17日

下山先生の講義 第二回目

[建築--architecture ]

昨日は、下山先生の講義
「知っておきたい日本の木造建築工法の展開」の第二回目でした。
古代および中世-1ということで
竪穴式住居から浄土寺浄土堂まで。
第一回目に引き続き大変密度の濃い講義でした。
テキストが図版が豊富でとても良いと思います。

軸組工法のルーツは竪穴式住居にあるわけですが、竪穴式住居のような元の形が分からないものの復元には、形のわかる類似の建物が参照されるそうです。外国の文献も踏まえ、軸組工法のルーツを想定します。

掘立柱から礎石建てに移り変わってゆきます。基壇を作ることもふくめて中国の技術が入ってきた。母屋と下屋の関係で架構がつくられていること。屋根のかけ方もサスから和小屋へ技術が変遷していったこと。

掘っ立てから礎石建てへ柱の建て方が変わり、自立しなくなったため、軸組を固める技術が発展したこと。
しかし、日本では壁を作り軸組を固める技術は発展しなかった。
下山先生曰く、壁よりも開口部を求めたために違いない。私も同感です。

壁に頼らずに軸組を安定させる技術として鎌倉の大仏様にいたる。

面白かったのは、奈良時代の秋篠寺で、屋根を支える架構を隠す天井がつくられたこと。いわば、張りぼてづくりです。
その原因として下山先生は、中国から伝来した建物の屋根勾配が緩く、雨の多い日本の気候に対応出来なかったために、建物を建てたあとで屋根の大改修の必要が生まれ、その時に勾配を急にしてもうひとつ屋根をかけたからであると、自説を述べてくださいました。

このハリボテつくりも鎌倉の大仏様になり、一掃されます。

時代の意識の流れが大きく変わったのでしょうか。
とても興味深いお話でした。

次回は残念ながら参加出来ないのですが
ますます面白くなってきそうです。


※新しいホームページで情報更新中!!

投稿者 furukawa_yasushi : 2010年05月17日 10:20

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