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2010年07月21日

「考える人」-村上春樹ロングインタビュー

[books ]

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「考える人」2010年夏号は村上春樹氏へのロングインタビューが掲載されています。
写真のページをはさんで80ページ。文章だけで正味69ページ。雑誌のほぼ三分の一を占めています。これほどまでとは買って手にするまで思ってもいませんでした。
三日間にわたるインタビューの話題はさまざま。
村上氏にとってアーヴィングの「ガープの世界」は特別な存在だって言うことも良くわかりました。

インタビューの中で出てきた、いくつかのキーワードを覚書しておきます。

クローズド・サーキットとオープン・サーキット。
一度閉じてしまうと自己判断が出来なくなる怖さ。

1Q84 Book3はじっくりと読んで欲しいとうこと。読み返してみます。

心理描写なしの純文学。自我を直接描かないであぶり出しのように浮き出させる。
近代以降、ポストモダンで照らし出された問題意識だと思います。自我というものは果たして存在するのか。レヴィ・ストロースのサルトル批判というのもそういうことだったのでしょうか。内田樹さんの受け売りですが。

小説に大切なのは文体と内容とストラクチャー。
サリンジャーの最大の問題はストラクチャーをつくれなかったこと。
文体と内容とストラクチャー、なんだか建築の話みたいです。

基本的に話題は「1Q84」を中心に展開しています。
長い長いインタビュー。とてもとても面白くて刺激的でした。


※新しいホームページで情報更新中!!

投稿者 furukawa_yasushi : 2010年07月21日 13:45

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