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2012年08月20日
「あの川のほとりで」---ジョン・アーヴィング
[books ]
「あの川のほとりで」
著:ジョン・アーヴィング 訳:小竹由美子 新潮社
長い長い、ジョン・アーヴィングの新作を、随分と長い時間をかけて読み終えました。
読み終えてわかることではありますが、主要な登場人物はさほど多くありません。しかし、場所を移動するたびに名前を変える主人公たちや、チョイ役で出てくる人物が大変多くて、読んでいるうちに頭の中が混沌としてきます。それが作者の狙いのひとつだろう、だから、頭を混沌とさせながら読むのがいいはず。それは間違いなく確かなことだと思いますが、大した役ではないと思っていた人物が、物語の実は重要な役回りとして後から出てくるなど、何人かの登場人物が物語のプロットとしても重要なので、ますます頭の中を混沌とさせて読まないといけないことになります。
こんな紹介をすると、なんだか難しそうな小説だなと嫌厭されてしまうかもしれませんが、でも、人生、そんなに簡単でシンプルなプロットと展開であるはずもなく、そうした人生の問題に身を寄せるように共感を呼ぶ物語に触れるには、そのような、極めて技巧的に構築された小説世界に触れる必要もあるのではないかと、思ったりします。そうした意味で、アーヴィングのテクニックは凄まじいものがありまして、その凄さを読むのもこの小説を読んでゆく楽しみかもしれません。
そして、最後の最後で、ほっと元気をもらえる、そんな本です。
こんな紹介文で興味を持たれた方には、超お勧めの一冊(実は上下巻あるので二冊)です。
※新しいホームページで情報更新中!!
投稿者 furukawa_yasushi : 2012年08月20日 17:30
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