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2012年08月27日

「おおかみこどもの雨と雪」

[映画・ドラマ・舞台--movie/play ]

家族で「おおかみこどもの雨と雪」を観てきました。
なんか、こう、じわじわじわ、っとくる映画です。
こんなにじわっとくる映画は初めてかもしれません。

映画というのはドラマです。そこには事件が起こります。
その事件の展開で見るものを惹きつけるわけです。

<以下、映画の内容にふれるので未見の方はご注意ください>

しかし、この映画には大きな事件は起きません。淡々と、淡々と進んでゆきます。
もちろん、「おおかみおとこ」と花との恋や出産、その子供たちも時として狼に変身するなんて、ファンタジー映画としての要素は有り余るほど持っている映画。それなのに、そこで起こっていることは、狼に変身しちゃうことでしか起こりえない事件ではなく、どちらかというと、私たちの常日頃の生活の中で、どこででも起こる事件なのです。

わたしたちはいつでも「おおかみ」のように嫌われ仲間はずれにされてしまう可能性に満ちた世の中に生きています。わたしたちの誰もがいつでも「おおかみ」に変身して人を傷つけてしまう可能性を秘めた世界の中に生きています。

この映画はファンタジーとは無縁です。しかしその一方で、寓話を通して私たちの日常のリアリズムを描いている稀有な映画であるのです。

映画を見終えて丸一日がたった今でも、その余韻がじわじわと響いています。
とてもとても良い映画だと思います。


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投稿者 furukawa_yasushi : 2012年08月27日 11:30

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