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2014年10月06日

ホドラー展@国立西洋美術館

[アート--art ]

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スイスの国民的画家であるホドラーの展覧会のプレス向け内覧会にブロガー枠で申し込んだところ参加が出来ましたので、行ってきました。
ホドラーという人はとても不思議な人だと感じましたが、それは彼の生きた時代なのだと思うのでした。
1852年生まれのホドラーは早くに父や母をなくす孤独な人生を歩んだが、10代の頃からコローなどの少し前の時代のバルビゾン派の画家との交流を持ち20代ではコンクールで優勝するなど評価を得ていました。その頃の画風は古典的なリアリズムであり、農民を描いたミレーの影響を設けたものでした。
1895年42歳の時の「オイリュトミー」から作風はガラリと変わってゆきます。
時は世紀末、少し遅れて生まれたクリムトが世紀末の一つのイメージを作ってゆいった時代です。その世紀末の磁場のなかにホドラーも生きていたのです。
世紀末を生きながら、象徴主義的ではあるが個性的な画風の作品を描いてゆきます。そのなか、1910年にはスイスフラン紙幣の原画を描くことになります。そこで描かれたのは躍動感あふれる労働者の姿だったのです。同じく、依頼を受けて描いた壁画のテーマも民主制議会主義という社会性の強い物でした。
さらには、同時代に描いていた風景画が神秘的な雰囲気をたたえているのをみていると、神秘性と社会性が同居するという不思議が彼の作品にはあることがわかります。しかし、彼にとっては決して不思議なことなどではなかったのだろうと思います。
時代と共にホドラーの絵画作品を見ることで、彼が一体何を見てきたがが少しだけわかるような気がしました。生と死、静と動、鮮やかな対比。それこそが、ホドラーの宇宙なのでと思ったのでした。

□日本・スイス国交樹立150周年記念
フェルディナント・ホドラー展
150th Anniversary of Diplomatic Relations between Japan and Switzerland
Ferdinand Hodler : Towards Rhythmic Images

東京会場 国立西洋美術館
会期:2014年10月7日(火)~2015年1月12日(月・祝)

兵庫会場 兵庫県立美術館 企画展示室
会期:2015年1月24日(土)~4月5日(日)


※新しいホームページで情報更新中!!

投稿者 furukawa_yasushi : 2014年10月06日 16:24