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2004年05月09日

冬のソナタ

[映画・ドラマ・舞台--movie/play ]

ペ・ヨンジュンが人気。本屋さんでは彼の写真集が何冊も並び、それを抱えてレジの前に並ぶ奥様方の姿を見かけた。同じくチェ・ジュウさんも、彼女に会える韓国ツアーで本人が出てこなくて問題になっていたりして、こちらも人気は過熱気味。
「冬のソナタ」NHKの衛星放送で人気だったドラマが地上波での放送を開始した。
良くできたドラマだという前評判と、主演の男優のエスカレートした人気ぶりに興味をそそられ、初回から見逃すことなく観ている。

第一印象は、日本のトレンディドラマの良いとこ取り。確か、韓国は日本文化の輸入制限をしていたはずなのだが、日本の大学には韓国からの留学生もたくさんいるから、日本で人気の出た(当たった)テレビドラマの情報は間違いなく韓国のテレビ制作関係の耳にも届いていることだろう。

ドラマといえば、ちょっと前に設計相談の問い合わせのあった方が、「愛していると言ってくれ」というドラマで主人公が住んでいる家が私の理想だから観て欲しい、と言われたことがあった。このくらい具体的に自分の希望する家を提示してもらったこともなかったので、レンタルビデオで12話を全部観た。なるほど、すてきな家に住んでいる。と、それはわかったのだが、レンタルビデオのそれぞれの巻の最後におまけで収録されていた本放送ではカットされた部分があって、それを観て思った。一回の放送時間がほぼ45分の12話では、シナリオライターが書いた結構重要なシーンもカットせざろう得ないのだね。カットされたシーンを観てはじめてその場面の意味が理解できたことが少なくなかった。放送向けの編集の段階でカットされてしまう。わずか数分のシーン。その、何とも言い難い、時間に縛られた慌ただしさ。その慌ただしさで、じっくり見せるドラマもばたばた慌ただしくなってしまう。とっても、惜しいなあと思った。

「冬のソナタ」が良くできたドラマであることは、いまのところ、たぶん間違いがない。しかし、最近の日本のドラマに比べて、とくると、うーんとうなってしまう。1話1時間で20話。それだけの時間が与えられたら、良いドラマをつくる日本人スタッフたちは結構いるのではないかということだ。日本のテレビ界における条件の過酷さは誉められたものではない。その点、NHKの大河ドラマ。これはすごい。1話43分くらいだが、50話はある。シナリオを書く方も大変だろうがその分、やりがいはあるだろう。書きたいことを時間の制約だけで端折らなくてはならない、なんてことも少ないはずだ。
まあ、ともかく、男女の恋愛ものなのだが、観ていてとても面白いなあと思ったことがいくつかある。

ひとつは、まるで日本のドラマを観ているようだということ。韓国の人も違和感なく観ていたのであるから、日本人と韓国人の感性が似てきているのだろう。これだけの情報化社会。情報はグローバル化していて、地球のどこにいてもおもだった情報を得ることが出来る。サッカーだって日本と8時間も時差のあるヨーロッパのクラブチームの試合を生放送で観ることが出来る。僕も、先日イングランドのプレミアリーグでアーセナルが優勝を決めたスパーズとのノース・ロンドンダービーを生中継で観た。
こうなってくると人間の喜怒哀楽も少しずつグローバル化してくるのではないかと思う。
ドラマだって、ビバリーヒルズ高校白書、それに続く青春白書。これらは日本でもずいぶん人気だった。これもグローバル化の現れではないだろうか。

それから、「冬のソナタ」で、日本のドラマと「これは違うな」と思うところがあって、それは、出演している人物のそれぞれが、かなりはっきりと自分の意見を言うところ。日本のドラマでは、自分の意見をはっきり言わないがために(言えないがために)誤解を生んでドラマが展開する、と言うケースが多いのだけれど、それとは違って、演者は自分の考えをはっきり言う。これはどちらかというと、アメリカのドラマ。先ほどもあげたビバリーヒルズ高校白書などにとても近い。韓国人の感性は、そういう点では日本よりアメリカに近いのかもしれない。

あと、ドラマの食卓ででてくる料理。真っ赤でとても辛そうなチゲ鍋がよくでてくる。韓国のおもちのような食材(名前を忘れました)を家族で頬ばるシーン。とても印象的だった。そういうシーンになると、いきなり「ああこれは韓国のドラマだったのだ」と現実に引き戻される。
よく考えてみると、食べ物はなかなかグローバル化できない文化の一つではないだろうか。我々日本人も、なんだかんだと言ってお米を食べている。みそ汁を飲んでいる。「食」というのは根が深いところにある文化に違いない。

根が深い文化と言うことでは、住まいはどうだろう。外国のドラマを観る時の一つの楽しみだ。
ただし、主演の女性がインテリアデザイナーで、彼女が手がけるスキー場の仕事はどうも日本にあってもおかしくないデザインになっているようだ。主演男性の会社のインテリアも、ニューヨークや日本でもよく見かけるちょっと高級な感じのデザインになっていて、こちらはどうもグローバル化が進んでしまっているようだ。

「住」と言う文化が、どのくらい根が深いものなのか。韓国のドラマを観ながら考えいる。

投稿者 yasushi_furukawa : 2004年05月09日 23:24

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コメント

先週の土曜に偶然夜中に見てしまいました。実は数週間前にも夜中に偶然見てしまっていたのです。わざわざ番組をねらってテレビをかけるほどではないと思っていましたが少し気にはなっていたのです。もうだいぶ前になりますが,妹たちが(もういい歳ですが)一度母親の葬儀で田舎に集まったときに,お通夜の夜,控えの部屋でテレビにかじりついてみていた番組がこれだったようで,どこがいいのだろうと思っていたのですが。不覚にも見てしまいました。いかにも臭い設定であることは重々承知ですが,どうしても最後まで見てしまいますね。あの男優がなかなか良いようで,彼ならあのようなせりふも許されるかなと。感情移入してしているような,のぞき見していて妬んでいるような,はらはらしたり,どきどきしたり,大声で馬鹿にしたりと久しぶりに騒がしい観客になれるドラマです。

投稿者 田辺 久 : 2004年05月17日 13:25

先週の土曜日はサッカーを観ていたので「冬のソナタ」は録画で観ました。
やっぱり観てしまった。

「何で、そんなこと言うんですか!」
「それは、僕が君を好きだからだ!」

すごい展開です。また来週もきっと観てしまうでしょう。

投稿者 古川泰司 : 2004年05月17日 14:02