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2004年10月30日

イラクで・・・

[報道・TV--topics ]

イラク武装勢力の人質になっている香田証生さん(24)の福岡の実家に
証生さんを批判する電話が相次いでいるという報道を見た。

「自分探しの旅」でイラク入国か、といわれれば身もふたもない。
ただ、高遠さんらの前回の人質事件では
「自己責任」ということばが世論をにぎわせたが
その時の批判の焦点は、「何でそんな危険なところに行って何かあったらどうするんだ」という声だった。多くの人は、勝手に行ったのだから国が対策をとる必要はないとか、そんなことに税金を使うのは無駄だ、とか寄ってたかって彼らの行動を批判した。
高遠さんらは、イラクの難民のために自分たちに何か出来ることはないかと、そういう強い思いでイラクに入国したわけで、それに対して僕らは批判するのではなくエールを送るべきだと以前のエントリーに書いた。
「イラク日本人人質に関する自己責任について」(2004.05.05.)
そういうことからすると、今回の香田さんには強くフォローしてあげたくなるようなことは正直いってない。残念だが。
しかし、いま人の命が暴力的な行為で失われようとしているその最中に、その人のとった行動について誰が批判出来るというのだ。
無事で日本に帰ってきてからいくらでも批判すればいい。
ほんとに、どうしてこういうことになってしまうんだろう。
それを考えると恐ろしくて背筋が寒くなる。

<追記>2004.10.30.
ブログを見ていると香田証生さんに対して
殺されてもしょうがないじゃないの、ということを書いている人を何人か見かけた。
その人は人の命をどう考えているんだろう?
新潟の地震で崩れ落ちてきた大きな岩のすき間で4日間生き延びた2歳の男の子。
その子が救出された姿は、被災地の多くの方々に計り知れない勇気を与えたに違いない。
生き延びるということにどれだけ大きな価値があるのか、
殺されたってしょうがない、なんて書く人たちはどう考えているんだろう。

投稿者 yasushi_furukawa : 2004年10月30日 09:41

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トラックバック時刻: 2004年11月02日 03:24

コメント

発見された邦人男性の死体が香田証生さんと確認された。
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200410300001.html

<追記>
香田さんであるとされた死体は別人であると
政府は先の発表を撤回しました。
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200410300008.html
死が確定していなくてよかった。

<追記>
http://www.excite.co.jp/News/politics/20041031101348/Kyodo_20041031a128010s20041031101400.html
香田さんのご冥福をお祈りいたします。

投稿者 古川泰司 : 2004年10月30日 11:59

香田さんの実家に電話する輩は下劣で想像力に欠けた人達で嫌ですね。
それとNHKの安否情報を悪用したオレオレ詐欺、あれもNHKは軽率です。個人情報をこんなにたれ流してよいものか懸念していたら、やはり事件が起きました。
被災者宅を荒らす泥棒、等々、人の不幸につけ込む輩は性根が腐っています。
ニュースサイトの崩落現場の車に閉じこめられた三人が生存かの記事に「人間、諦めたらいけない。」と感動しましたが、それが喜びと落胆に変わり残念です。
被災者に宿泊施設を提供しようとする自治体や民間施設がでてきたことが少しばかりの救いです。

投稿者 iGa : 2004年10月30日 13:21

iGaさん
想像力に欠けているということがいかに暴力的なことか。
ほんとにそう思います。
ある方から転送していただいたメールにはこんなことが書かれていました。
今回の新潟の地震で詰めかけた報道陣が道を占拠していて救援物資を積んだトラックが避難所に横付けできないで、ボランティアが手で運んでいる。その様子を見て報道陣はいっこうに手を貸すそぶりも見せない。
これについては、メールを発信された方の許可を得て別のエントリーで書きたいと思っています。

投稿者 古川泰司 : 2004年10月30日 13:51

「まじめ」な自分は苦手です。
「まじめに考える」とぐるぐるします。

でも、未消化ながら、とにかく無性に腹が立っている事は事実で、ぐるぐるから逃げる事ができません。

TBありがとうございました。

投稿者 kazoo : 2004年11月01日 13:49

kazooさん
コメントありがとうございます。
気持ちが伝わってきます。

投稿者 古川泰司 : 2004年11月01日 14:53

私は今時の知識薄いどこにでもいる大学生なのでみなさんのように上手く文章にすることができないのですが自分の中に溜めておくと手が震えて涙が出そうになるので思ったことを書きます。今日、友達から香田さんが惨殺される動画が送られてきました。yuki恐いの平気〜?!と、面白ろ半分のメールだったので開くまで何か分からなかったのですが見てから何も口を受け付けなくなりそのまま帰ってきました。しばらく言葉が出ず私は恐怖からか友達に転送しようとしてしまいました。しかし、我にかえってすぐにその画像を削除しました。一瞬でも好奇心に負けた自分に腹が立ち同時に罪悪感を感じました。この悲劇を通しては各人、様々な方面から考えていることと思います。日本政府の対応、アメリカの支配下にある現状、暴力に屈しないとの矛盾、私が一番強く感じたのは世間の反応でした。香田さんを深く知りもせず批判し、我が物顔で同情はしない、と言い切る人々。彼らを同じ人間として私は軽蔑します。上にもありましたが、想像力の欠如、これこそぴったりの言葉だと思います。昔の日本ならば反政府運動はもちろんのこと学生運動も盛んに行われていたことでしょう。人々の無関心、客観視。面白半分でメールを転送する友達。これからの日本を担う世代にある私はどうしたらいいか分からなくなりました。血の流れない人間たちばかりがいる限り平和が訪れることは決してないと思います。まとまらない文章で申し訳ありません。香田さんのご冥福を心からお祈りいたします。

投稿者 yuki : 2004年11月10日 02:53

yukiさん。
コメントありがとうございます。
「まとまらない文章」なんてとんでもない。
yukiさんが考えておられることが良く伝わってきます。
僕もまったく同感です。同じ気持ちでいる人を、また一人見つけました。嬉しいです。
yukiさんは大学生とのこと。
あなたのような人が一人でも増えてくれることを願ってやみません。

投稿者 古川泰司 : 2004年11月10日 09:27

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