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2004年11月13日

大多喜の森を訪ねる

[01-森林をいかす家づくり--moriiki ]

今日は、「森林(もり)をいかす家づくりの会」の企画で、
会の仲間である、千葉県夷隅郡大多喜町の齋藤造林さんを訪ねる見学会を行った。
紅葉が間近に迫まった晴天の秋の一日、
参加者は普段見ることが出来ない
森の様子から、伐採、丸太の皮むき、製材、乾燥施設と
木材として市場にでる姿への一通りの過程を見学することができた。

大多喜町の場所


↑齋藤造林さんの森は、杉の植林による植生だけでなく
広葉樹の雑木も点在する、複雑な様相だ。
このような森は、人工造林で山全体が植林されたようなところと違って、森林が本来もっている生物の多様性が維持されている。
千葉県が長野や静岡のような林業県でなかったことが幸いしてこのような結果を生んでいると思うのだが、多くの生物にとって、この森が貴重な資源であることはとても重要なことだ。


↑植林された杉林は林床の植生が豊かである。
さらに、50年生以上のものから、20年生、10年生など、樹齢に幅がある。
こうした森は、択抜という方法でこの森林資源を利用することによって
生態系を維持した森林経営の理想的な姿を実現できる可能性を秘めている。


↑伐採の様子を実演していただいた。
見学者の方に倒れてしまいそうな木を、くさびを巧く使って見事に目的の方向に倒してくれた。


↑水圧で丸太の皮をむく機械。ちょっとめずらしい。
きれいに杉丸太の皮がむけていた。


↑製材の様子を見学する。

山を持ち、製材から乾燥まで手がける齋藤造林さんの存在は大きい。
山しか持っていない人にとって
木を切って市場に出しても、元が取れないと言う現実。
製材やさんに製材をお願いすればその分、足も出てしまう。
乾燥やさんに乾燥をお願いすればその分、足も出てしまう。
ましてや、山をもっておらずに、伐採の権利だけ持っている場合には
様々なコストがかかってしまう。
家づくりではコストは大きな問題だ。
地場産材を使うから、国産材を使うからといってコストが高くなるのでは
持続するシステムとはならない。
我々の「森林をいかす家づくりの会」が多くの方に(特に千葉県在住の方、関東圏在住の方)
アピールしたいのは、まさにこの点である。

これからも勉強会や見学会を企画してゆきますので
関心を持たれた方は是非メールにてお問い合わせください。

事務局古川あてメールはココをクリック


写真の順序は製品としての木材が出来るまでの過程にしたがってならべています。
実際の見学の順番とは違っています。

また、今回の見学会は一般の方の参加が
遠方に現地集合であったにもかかわらず5組7名ありました。
参加していただいた方々には大変感謝しております。
ありがとうございました。

投稿者 yasushi_furukawa : 2004年11月13日 23:40

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