2005年02月05日
2980円の椅子
2980円(税込み)の椅子を見つけた。
台湾製。
座面・背板:プライウッド(合板)一体成形加工
脚:スチール製メッキ
アアルトがプライウッド(合板)を使って椅子を作ろうとしたのは、
良いデザインのものを多くの人に使ってもらうための
コストを押さえてつくる方法としてだった。
アアルトのプライウッドでつくられた数々の椅子はそのように生まれた。
たとえば65chair。
おそらく、その当時はローコストは現実のものだったのだろう。
時代は変われどもイームズが目指したものも工業化社会における豊かさの象徴としてのプライウッドであり、多くの人に愛されるためのリーズナブルな価格で実現できる技術=デザインであったと思う。
もちろんヤコブセンも同じ。
ところで、アアルトの椅子は現在はヤマギワでしか買えないようなのだが
ヤマギワで65chairは御いくらか調べてみると、3万1千円なり。
ちなみに、ヤコブセンの7chairは4万5千円前後。
かなり乱暴な言い方をゆるしてもらえば、見つけてきた椅子が2980円でできる技術で7chairがつくれないとは思えないのだが、いかがなものだろうか。
だから、2980円の椅子との価格差はデザインの差ということになるのだが、
デザイナー亡きあと、「デザイン」はデザイナーの意思とは相容れず
思いも寄らぬ方向に独り歩きを始めてしまったようだ。そんなことをこの椅子を見て考えた。
投稿者 yasushi_furukawa : 2005年02月05日 14:39
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