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2005年08月23日

落語ブームなんて知らねエ

[映画・ドラマ・舞台--movie/play ]

文藝春秋」9月号は
芥川賞受賞の「土の中の子供」が掲載されています。
60年前の終戦の日についての56人の方のエッセイも載っています。
こういう雑誌はあまり買わないのだけれども
この2つに心引かれて買ってきました。
そしたら、なかに「落語ブームなんて知らねエ」と題した
立川談志と宮藤官九郎の対談があってとても面白かったです。

談志はリアリズムはつまらないという。

落語リアリズムには限界を感じる。おもしろくない。そこで、何か次元の違うものを探してやろうと思ったわけです。それを「イリュージュン」と名付けた。

落語の世界の荒唐無稽さの面白さをさらに開花させたような世界。
リアリズムというのは何に対してリアリズムなのでしょうか。
私の目の前にある世界に対してのリアリズムなのでしょうか。
でも、その世界をみて体験して認識して、そこに意味を与えているのは「私」ではないでしょうか。
とすれば、「私」の外ばかりを見ているリアリズムからは何も生まれないでしょう。
談志師匠の言う「イリュージョン」というのはただの妄想ではない。
私と私を確かにつないでいるものとしての「なにか」。
そうでなければ、笑いという複数の人間が同時に体験するような現象は起こりえない。

そう考えて、談志さんて、やっぱりすごいんだなと思いました。
これは、昨日、歌舞伎について感じていたこととかなり近いものだとも思いました。

談志師匠の「現代落語論」。
読んでみようと思います。

投稿者 yasushi_furukawa : 2005年08月23日 09:36

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