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2006年07月31日

CROSSCURRENTS---Bill Evans

[ジャズ--jazz ]

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CROSSCURRENTS---Bill Evans
1977年2月28日、3月1日-2日 録音
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ビル・エヴァンスのレコードの中では
もっとも地味な一枚かもしれないこのレコードを
まるで体温(人肌)ほどに加熱された海の底に放り込まれた梅雨あけの午後に
耳にしていると、すーっと、惹きこまれている自分がいる。

当時のビル・エヴァンス・トリオのメンバーに
リー・コニッツ(as)とウオーン・マーシュ(ts)の2管を加えたクインテット編成。
クインテット編成というのは
圧倒的にトリオの多いエヴァンスのレコードのなかでは珍しい。

ジム・ホールやケニー・バレルのギター、
あるいはトゥース・シールマンのハーモニカを加えたクインテットの他には、
最後のスタジオ盤である「We Will Meet Again」くらいしかみあたらない。
その「We Will...」も、2管の片割れはトランペットだから
サックス2管というのは、僕が知っているかぎりはこのレコードしかない。

一方、リー・コニッツとウオーン・マーシュは
レニー・トリスターノ門下生として、たびたび共演。
1955年に録音した2人名義のレコードは名盤として知られている。

ビル・エヴァンスも、その初期の頃はトリスターノの影響を受けていたわけで
そんなことから実現したこの企画に違いないのだが
いかんせん、三人とも、すでに自分の世界を確立し
トリスターノの世界からはずいぶんと離れてしまっている。
そこが、企画と現実の残酷な乖離なのだろう。

でも、こうやって、体中ほかほか、というかホットになりながら聞いていると
やはり、トリスターノ一派というのは、
時代の裏街道を歩んできたからなのかもしれないが
かなり新鮮に耳に響く。

そういえば、1500円ででていたブルーノートのユタ・ヒップのピアノにも
大変新鮮なものを感じていたわけで、
ここのところ、リー・コニッツとウオーン・マーシュ、あるいはトリスターノ門下生が気になるようになった。
特に、リー・コニッツはちゃんと聞いてこなかった分、関心も高まる。

コニッツ苦手という方も多いようだが
コニッツのアルトって、なかなか良いのではないか、という再発見もある。

こうして、コニッツ沼
さらにはトリスターノ沼にはまってゆく予感の夏のはじまりでした。

投稿者 yasushi_furukawa : 2006年07月31日 10:30

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コメント

どなたか、この記事にコメントしてくださったかた。
ごめんなさい!
あやまって、せっかくいただいたコメントを削除してしまいました。
申し訳ありません。
この場をお借りして、深くお詫びさせていただきます。

誠に勝手ながら、もう一度コメントいただけるとうれしいです。

投稿者 fuRu : 2006年08月01日 01:15

fuRuさん

ふふ、それは私です。
Warne Marshへの反応。ごく限られた音盤しか聴かなくなったジャズですが、
1950年代のトリスターノ一門、そしてウォーン・マーシュやテッド・ブラウンは
贔屓でありあります。

録音、たくさんあるんですよ。裏街道とは、ちと悲しい(笑)。
http://www.warnemarsh.info/

投稿者 tad : 2006年08月01日 08:39

tadさん
どうも失礼いたしました、です。
リー・コニッツは、それでも知っていたのですが
ウオーン・マーシュはほとんど知りませんでした。

実は、村上朝日堂で
村上春樹がウオーン・マーシュのアナログ盤を集めているということを言っていまして
そういえば、エヴァンスのこの「クロスカレント」で共演しているなあと思い、聞き始めたというわけだったりします。
ウオーン・マーシュ、録音は沢山あるようですが
アマゾンなんかでもほとんどヒットしませんね。

投稿者 fuRu : 2006年08月01日 13:38

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