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2006年11月17日

sayuri_House 6ヶ月点検と材木の乾燥

[0504---sayuri_House ]

昨日は、sayuri_Houseの6ヶ月点検に行ってきました。
秋から冬に変わる季節で
OMソーラーの運転が
夏の排気運転から冬の取り入れ運転に
切り替わる時期でもあります。

OMソーラーは、外気を取り入れるという仕組みから
どうしても冬場は外気の絶対湿度が低いために
室内環境が乾燥しがちになります。
これが、「乾燥しすぎ」となると
木の家にも影響を与えるようになるため、
この時期に一度点検させていただいて
建物の様子を把握しておくのは大切なことです。

さて、今回も、梁や柱にほとんど割れが生じていないことが確認できました。
これは、我々「森林をいかす家づくりの会」がやっている
材木の乾燥の考え方が正しかったという証明でもあります。

乾燥の考え方はシンプルで、材木を事前に乾燥させすぎないということです。
商品として材木を流通させるためには
含水率が15%以下であることが必要であるといわれます。
これは、15%以下では乾燥による材木の収縮などの変形がおさまるためなのですが
材木にとって含水率を15%以下にされるということは、大変無理のあることです。
特に杉材は、もともと200%も水分を含んでいるのですから、その差は著しい。
ですから、200%から15%に急激に乾燥させると、その無理がたたって、材木内部に支えきれない応力が生じます。これが材木割れの原因なのです。

もちろん、材木は乾燥させないと狂いが生じてきますから
乾燥させることは大切で、昔の人も材木は十分に乾燥させていました。
どうやって、乾燥させてきたかといいますと
丸太にして外に置いておいたんですね。
この状態で数ヶ月放置しますと、200%の含水率は20%くらいまでさがります。
いわゆる「天然乾燥」というやりかたです。
しかし、現代社会の流通構造からいますと、天然乾燥は広い場所が必要とされ、それだけでコストがかかってしまいます。また、地域によっては外に放置するだけで腐敗菌で木材が腐ってしまうところもあります。
そこで、人工的に熱を加えて乾燥させることになるのですが、
我々は人工乾燥で含水率を15%に落とすということをやめて、材木によって目標とする含水率をさだめて、乾燥させることにしました。おおよそ、目標とした含水率は30%前後です。この数値は大工さんや材木の乾燥を研究されている方の意見を参考にして決めました。
含水率30%の状態で大工さんの手刻みがあり、上棟しておよそ5ヶ月の工期を過ぎる頃には、材木の含水率は20%くらいになっています。

Taketo_Houseから始まったこのやりかたで、
このsayuri_House、そして、先日竣工したaiko_Houseも材木を乾燥させています。
いまは、実績をひとつずつ積み重ねているところですが
今回のsayuri_Houseの様子で、考え方に間違いはないとますます確信出来るにいたりました。

そして、これから、はじまるhinata_Houseでも同じ考え方で材木を乾燥させて供給してゆこうと考えています。

さて、最後にOMソーラーについて。
なんと、sayuri_Houseでは、このところ、夜間に暖房をほとんど付けないで(補助暖房はありません)、朝方の室温が20度以上あるそうです。季節柄もありますが、OMソーラーの効果がよく現れていて嬉しい限りでした。

投稿者 yasushi_furukawa : 2006年11月17日 09:41

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