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2006年12月05日

U2@さいたまスーパーアリーナ

[音楽--music ]

というわけで、昨日は、U2のコンサートに行ってきました。
4月に横浜で行われるはずだった公演が延期されたのです。
会場は変わって、先日、初優勝を決めた「浦和レッズ」の本拠地「さいたまスーパーアリーナ」です。
「Vertigo Ture 2006」ということで
2年前のアルバムのツアーなのが、ちょっと不思議な感じですが、
2曲の新曲も披露してくれましたよ。

すでに昨年のシカゴでのライブがDVDで発売されていますから
その様子はだいたいわかっていたのですが
目の前にこうしてステージがあると、これまた不思議な感じです。

開演は15分ほど遅れて
「City Of Blinding Lights」「Vertigo」と続いて
なんと「Out Of Control」。たしか、彼らのファーストシングルです。

最初から誰も座ってなんかいません。
指定席の人々も踊りまくっています。
アリーナ席は押しくらまんじゅう。
U2って、こんなに人気があったんだ。変なことに感心してしまいます。

それにしても、ボノの声が変な感じです。
生で聞いたのは初めてですから、こういうものかな、と思って聞いています。

30分くらいからボノの声もこちらに響いてくるようになりました。
ステージの大音響にこちらの耳が慣れてきたからかもしれません。

ちょっと、びっくりしたのはU2はビデオや録音は厳禁なんですけれど
写真撮影はO.K.なんですね。

会場のみなさんに交じって
携帯で何枚か写真を撮ってみました。
鞄の中にはデジイチもあったのですが、どうしてかそちらで撮る気分にはなれなかったんですよね。

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会場の様子が少しは伝わったでしょうか。

おもえば、U2を見に行こうと思ったのは
今年の春にでた「Rockin'on」に載っていたボノのインタビューを読んだからでした。

パフォーマーの心理っていうのはほとんど書かれたことがないよね。パフォーマーがパフォーマンスをするのはある欠落から、つまり、なんか埋めたい、ぽっかり空いた穴を持っているもんで、それは明らかだよね。でも、あんまり知られてないのは、この不安から僕達はある種の三つ目の目というか、部屋で何が起きているかを察知する爬虫類的な感覚を育んでるっていうことなんだ。あなたの家に行ったとして、僕はそれでも、誰が来て、誰が帰って、どのカップルが喧嘩をしていて、あなたがストレスを感じているのかどうか、そういうことを自覚してるんだ。全部そういうのを拾っちゃうんだよ。ほとんどノイズみたいなものなんだ。そのうちなんだかひどいノイズになってきて、スイッチを消したくなるんだ。

でも、それがパフォーマーの印だったりするんだよね。だからステージに上がって、曲がうまくお客さんと繋がってないと、僕にはそれが感じ取れるんだ。お客さんがトイレに行ったり、Tシャツを買いに行ったりするのがすぐにわかって、気分が悪くなるんだ。ミック・ジャガーなんかもそういうパフォーマーだよね。デヴィッド・ボウイやエディ・ヴェーダーもそうなんだよ。

なんだかすごいことを言っていますよね。
インタビューは興味深くまだまだ続くのですが
このインタビューを読んで、私はU2のコンサートに行きたいと思ったのです。

今回のコンサートで、個人的にもっとも感動的だったのは
ボノが自分のお父さんの話をして
編み棒で指揮者のまねをしていたんだ、と語り、
「Sometimes You Can't Make It On Your Own」を歌ったところでした。
ボノの声が、こちらまでほんとうに響いてきていました。

アンコールは2回。そして最後は「Vertigo」がもう一度演奏されておしまい。

終わってみれば最後まで立ちっぱなしでくたくたでした。
足腰を鍛えないといけませんね。

<蛇足-1>
こういう巨大コンサートは初めてだったのですが
音が割れていて耳がびんびんしてしまいました。
ボノの声がよく聞こえなかったのも、音が割れていたせいですね。
PAなんとかならないのかな、と、ずっと考えていました。
最近の音楽のマイブームが「ジョアン・ジルベルトだったりするので
よけいに音量の大きさ、巨大さについて行けない感じがして、取り残されていたようです。
43歳は、やっぱりおじさんです。自覚しないといけません。
でも、会場には私と同世代かそれ以上の方も多くおられましたね。

<蛇足-2>
観客の中の外国人比率が高かったのが目立ちました。
会場でアイルランドの国旗をいくつも見ました。
日本人でも、なぜだかアイルランドナショナルチーム(サッカー)のユニフォームを着ていたカップルがいました。

<蛇足-3>
「Miss Sarajevo」のあとで
世界人権宣言がステージのスクリーンに映し出されました。
別の曲では、小泉前首相とブッシュ大統領の顔が並んで映し出されました。
ボノは他のメンバーとともに、アムネスティインターナショナルをサポートしています。
こういう彼らの動きを偽善的だとして非難する方もおられるかもしれません。
一方、今回のステージで印象的だったのは
日本に対してのボノのアジテーションです。
パロディといいますか、なんといいますか。
「どうも、どうも」とコミカルに叫んだり
「Mysterious Ways」では、京都から読んできた舞妓さんがステージに上がってきたり。
こういう、なんと言いますか、屈折した表現をみていて
ボノの中にある何かとてつもなく人間的なものを感じてしまいました。
私としては、ますます、そうしたボノの人間的なところにこころ惹かれるものがあったのですね。
単なる偽善性だけでは片付けられない、ある種の大きさが、そこにはあると感じたのでした。

U2//VERTIGO//2006 TOUR

投稿者 yasushi_furukawa : 2006年12月05日 12:00

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コメント

U2頑張ってますよね。25年目でしたっけ?
大きい会場というのは音が割れて声と演奏が聴きにくいと私も思っていましたが、
ライブ会場によってだいぶ差があるように思います。

インタビューの記事、レミオの藤巻さんも同じようなことを言ってました。
前回、ものすごく未来に向かって切り開くようなポジティブな歌を書いて
そして、今回の新曲は、というと、
内面の暗い部分なんですよね。
開かれた部分と閉ざされた物、両方必要なんだって。
自分がよくわからないうちは歌が作れる、っていうことらしいです。
足りないところを埋めていくってことなのかもしれませんね。

思うに、こういう人たちって動物のように五感が研ぎ澄まされているんじゃ
ないでしょうか。

投稿者 reirei : 2006年12月06日 10:25

良かった様ですね~、横浜はいこうと思っていたのですが浦和はちょっと遠いです。
最新、ベストアルバムU218を買って聴いています。

投稿者 カーク : 2006年12月06日 10:27

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