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2005年03月15日

「オキナワの家」--伊礼智

[books ]

「オキナワの家」
著:伊礼智 出版:インデックス・コミュニケーションズ
amazon

くうねるところにすむところ-子どもたちに伝えたい家の本シリーズの第3巻。

子どもたちが家に出会うために、建築家、クリエーターが初めて子供の視線から家について語ります。

ここで、僕は伊礼さんを「テーゲーの建築家」と敬意を込めてよびたいと思う。
「テーゲー」とは、「適当」「だいたい」「いい加減」という意味の沖縄の言葉とのこと。
この本の中で、「テーゲー」の大切さが、自分が生まれ育った土地が育んできたものとして、語られている。
そして、僕は、伊礼さんが設計した住宅を見学させていただく時に感じるある種の「懐の深さ」が、この「沖縄的テーゲー感覚」から生まれているんだと思った。
そして、この「テーゲー感覚」こそが、今の我々が見失いがちな、「住まう」ことをより豊かに育ててくれる「種」ではないだろうか。そんなことを、この本を読ませていただいて思った。


※新しいホームページで情報更新中!!

投稿者 furukawa_yasushi : 2005年03月15日 10:20

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トラックバック時刻: 2006年02月09日 00:48

コメント

ネーネーズのお姉さんたちに♪テーゲやっさテーゲー♪というのを初めて教えて貰いました。好きな言葉のひとつです。石垣の豊年祭のオジイには「なんくるなるさぁ」という素敵な言葉を教えて貰いました。
Blogにも書いたのですが照屋林助さんもユニークな人で、面白い話は多くあるのですが、本当に妖怪や精霊は今でもきちっといるそうです。もちろん、オキナワの家にも、大きな木にも、お墓にもです。オキナワは凄いですねぇ・・・

投稿者 Lucha? : 2005年03月15日 16:42

Lucha?さん おひさしぶりです。
Lucha?さんのブログの記事は読ませてもらいました。
沖縄とその周辺の音楽を聞いているとそこには精霊がいると確信させてくれます。オキナワの音楽は音階(ピッチ)がちょっと違うんですよね。日ごろ流れる音に聞きなれた耳には空間が歪んでくるような不思議な感じがします。レゲエを一日中聴いていて頭がくらくらしてくるのに似ているかもしれません。

投稿者 fuRu : 2005年03月15日 16:55

育った環境はぜんぜん違いますが、この本を読んだときは、「ああ同じなんだな」と感じました。

小さいころの家や環境がその人の行動表現になるんだ、ということです。

この本を読んだ後で見せていただいた伊礼さんの家(写真のものでも)は、その歴史を紐解いてから訪れた街はあちこちに見所が出来るように、予期して見えるようになりました。

投稿者 中里一雄 : 2005年03月15日 18:35

古川さん、ありがとうございます、本人です(笑い)。
先ほど、選対部長の真壁さんより、「オキナワの家の在庫があと200冊ほどになったよ」と報告がありました。早々とノルマを果たせそうでほっとしています。
「次の妹島さんたちの出来もかなりいいよ」とのこと、真壁さんもほっとしたことでしょう。このシリーズは期待できそうです。

ところで。「テーゲー」の懐の深さを残しつつ、
安藤さんみたいにパワー溢れ、妥協しないで、建築に集中する事というのは
やっぱり無理なんでしょうかね?「テーゲー」を極めるしかないのでしょうか。

ちなみにもとネーネーズの古謝みさこさんは、
うちの新しい実家の斜め向かいに住んでいます。

投稿者 伊礼智 : 2005年03月15日 20:07

中里さん こんにちは
>小さいころの家や環境がその人の行動表現になるんだ
そうかもしれませんね。
僕も小さい頃見ていた風景、雪国の冬、とか生まれ育った家に
知らないうちに影響されている事に、はたと気付かされることがあります。
そういう「気付きの連続」を繰り返すうちに自分のことが少しずつ見えてきたような気がします。

伊礼さん こんにちは
良い本だと思いました。(そう、思っているひとは多いでしょう)
こういういい仕事をされた伊礼さんをうらやましくも思います。
ところで、安藤忠雄に「テーゲー的感覚」はあるのか?
面白いテーマですね。どうなんだろう。
僕は、「良い建築」というものはかならず「テーゲー的」なものをもっているのではないかと思いました。

投稿者 fuRu : 2005年03月16日 09:19