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2006年03月14日

Live Music ArchiveとGrateful Dead

[音楽--music ]

Kai-Wai散策のmasaさんの記事にコメントさせていただいたら
Grateful Deadの音源を送ってくださった。

送り主のmasaさんに、これは海賊盤なんですかと尋ねれば
いや、それは違いますね、という答えが返ってきた。

調べてみれば、Grateful Deadというバンドは
フアンに自分たちのコンサートの実況録音を認めていたのだという。
それだけではなく、ライブ会場のオンラインにオープンリールの接続まで許し
サウンドチェックが出来る場所まで用意していたというのだ。
こうして録音された音源は、バンドからフアンの間でのトレードが許され
世界を駆けめぐった、いや、今でも世界を駆けめぐっている。


Internet Archive
というサイトがあって、
その中に、Live Music Archiveがある。
この中にGrateful Deadのライブ音源が登録されている。

1965年から1995年まで。
登録数は、現時点で2923(間違えていないかな?)。
僕は、このリストを見て、いささかの誇張でもなく
カルチャーショックを受けてしまった。

もちろん、オンラインからの音源は、下手な公式盤よりも音がよいと思う。
古いものの多くは個人のカセットテープデッキで録音されたものだったりするが
それでも、こそこそ隠れて録音していないから、こちらも下手な海賊版よりもよほど優れている。
というわけで、音質はどれもすばらしい。
登録された音源の多くは、基本的にそのすべてがストリーミングで聞けるようになっているし
すばらしい音質の、ほぼそのままでデジタルデータとしてダウンロード出来るものも多い。

海賊盤というのは、一部の熱狂的なファンをあてこんだ
海賊盤業者が、己の私腹を肥やすために
公のルートを通さないで極秘に制作し販売するレコードのことだ。

しかし、僕らの目の前にあるこれらの音源はどうだろう。
これだけの音質というのはともかく、その数の多さ、
そして、これらの音源は、
Grateful Deadの音楽に少しでも興味を持った人へのコピーの配布まで自由なのだという。
つまり、これだけの数の良質な音源が僕らの目の前に「自由に・正式に」並べられているゆえに
「海賊盤」という負の概念は、ここでは消失してしまう。

これは、一つの音楽の桃源郷ではないだろうか。

Grateful Deadというバンドがカルトでありえるのは
こうした音楽の園を実現させたということにあるのは間違いない。

masaさんが、海賊盤ではないと言った言葉の意味がそこにあると思った。


※新しいホームページで情報更新中!!

投稿者 furukawa_yasushi : 2006年03月14日 09:00

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コメント

fuRuさん こんにちは! 私もmasaさんから このバンドのユニークさを教えていただき
リーダーであるジェリー・ガルシアを好きになってしまった一人です。 グレイトフル・デッド
以外のジェリー・ガルシアが これまた 切なくてとても良いですよ〜  

投稿者 いのうえ : 2006年03月15日 00:17

送りつけられた音源を聴くというのは、けっこうダルかったりしますが、お聴きいただき、さらに奥まで突っ込んでいただき、嬉しいです。
デッドとテープトレードに関しては、書き始めるときりがないほどアレコレとありますが、まず気になることは、これらの音源の多くが日本製の機材とテープで録音されているということです。日本は多くの機材を製造していますが、日本にはこういった習慣がまったく根付いていません。こういった土壌(文化)が育たなかったことが、日本で iTunes Music Store のオープンが遅れたいちばんの根底的原因だと思います。
日本の音楽産業界 (中心はSONYでしょうが) にとっては、ガルシアが言った "Music is free." なんてことはあり得ないことで、"Music is money." でしかないんですね。

投稿者 masa : 2006年03月15日 02:53

いのうえさん
デッドの音楽は、ディランとのライブを聴いたのが、恥ずかしながら初めてだったのですが
masaさんに送ってもらった音源は、最初の一音からなんの抵抗もなく自然に身体にしみてゆきました。
まだ、デッドの音楽のほんのちょっとはじっこを舐めた程度なのでその音楽について語る言葉を持ってはいませんが
僕の身体に合う音だと言うことは確かなようです。

masaさん
ほんとに、僕はカルチャーショックだったんです。
こんなことが世の中に実現しているなんて、今の今まで知らなかったのですから。
音楽に著作権があるのは間違ったことではないと思っていますが
その権利をミュージシャン以外の人が利権として振りかざしているようなことは、
やはり、音楽の本道からはずいぶんとずれていると思います。
音楽というのは、街に野にあふれているものであって
誰のものでもないのが本来の姿だと、僕は思っているからです。

投稿者 fuRu : 2006年03月15日 09:35