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2006年05月28日

「武満徹の宇宙」

[音楽--music ]

takemitsu-cosmos.jpg

今日は、初台にある「東京オペラシティ」で行われた
「武満徹の宇宙」と題された、武満没後10年を記念するコンサートに行ってきました。

演目は
1,Cassiopeia
2,Asterism
3,Gémeaux

岩城宏之と若杉弘のダブルキャストの予定でしたが
岩城が体調不良により急遽降板、高関健に変更になっていました。
ソリストに
パーカッションの加藤訓子、ピアノの高橋悠治
オーボエの古部賢一、トロンボーンのクリスチャン・リンドバーグが名を連ねています。

1曲目の「カシオペア」は
ツトム・ヤマシタのために武満が書いた曲です。
ステージ上の楽器の配置が面白かったです。
ソリストの加藤訓子がカスタネットをフラメンコの振り付けで演奏しながら客席から現れるのも
レコードではわからない意外性がありました。
それにしても、加藤訓子のパーカッションには圧倒されました。
ソロで盛り上がっているときなどは
我も忘れてジャズクラブにいるかのごとく「ヤアー!」とか、かけ声をあげそうになってしまいました。
根がジャズであるところの性ですね。
また、演奏中の身体の動きも見応えがありました。
この曲は、楽器の配置、つまり、音の聞こえ方、そしてソリストの動きなど
実際の演奏で体験しないとわからないことが多いですね。
その良さが充分堪能できるすばらしい演奏でした。

2曲目の「アステリズム」は、初演者である高橋悠治が弾きます。
今回、一番楽しみだった演奏なんですが、
初めて聞く、高橋悠治の演奏は
僕には「ピアノ」には聞こえませんでした。
それは「武満徹」であり「高橋悠治」であったのです。
「武満徹の音はこうである」という揺るぎない確信、
会場でお会いしたkompfさんは「迷いのない」と言われていましたが、
まさに、そこにあった確かな「音」。
こんな体験は初めてです。
Radioheadに「Everything in it's right place」という曲があります。
「Everything in it's right place」
「すべては、それがあるべき場所にある」
今回聴いた演奏を思い出しながら、僕の頭の中では
Radioheadの曲がエンドレスで流れているのです。

3曲目の「ジェモー」は
ステージを埋め尽くす演奏者が繰り広げる音の織物に圧倒されました。
しかし、先に演奏された2曲ですでにおなかいっぱいだった僕には
ちょっと消化不良気味です。うーん、もったいなかった。
1時間くらい後で聞けたら良かったのに、なんていうのは贅沢な話ですね。

帰りは
快楽原則」のkompfさんと
山尾好奇堂」の山尾さんといっしょに
お茶をして、ブログ談義、音楽談義に花を咲かせて帰ってきました。

○「カシオペアのむこうに」(山尾好奇堂)
○「Cosmos of Toru Takemitsu」(快楽原則)

隣の席に座られていた
オーケストラ・コンサート 「武満徹の宇宙」 @東京オペラシティ・コンサートホール(Bweebida Bobbida)

その他の方の記事
武満徹の宇宙(八分音符の憂鬱--吉松隆)
快演デビュー ! (クラシカルミュージシャン!)

<蛇足>
最近読んだ、ジム・ジャームッシュの1986年のインタビュー
日本に行ったときに武満徹にジムが会ったと書いてありました。
もちろん、映画が大好きな武満ですから
「ストレンジャー・ザン・パラダイス」を見て、その監督に会いたいと申し出たのかもしれませんが
どちらにしても、面白い組み合わせですよね。

→amazon
カシオペア
アステリズム(「ノーヴェンバー・ステップス」に収録)
ジェモー


※新しいホームページで情報更新中!!

投稿者 furukawa_yasushi : 2006年05月28日 22:00

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» Cosmos of Toru Takemitsu from 快楽原則-Weblog
昨日、東京オペラシティコンサートホール、タケミツメモリアルで行われたオーケストラ [続きを読む]

トラックバック時刻: 2006年05月29日 22:43

» 「カシオペア」のむこうに from 山尾好奇堂
 僕が「カシオペア」のレコードを買ったのが、おそらく27、28年前のことだから、 [続きを読む]

トラックバック時刻: 2006年06月01日 13:52

コメント

昨日はどうも有難うございました。
山尾さんとのお茶会(?)に私も参加させていただき、とても楽しい一日でした。

この日演奏された3作品はどれも素晴らしい、まさに「ハズレのない」演奏会でしたが、一番強烈だったのはやはり『カシオペア』でした。
演奏はもちろん素晴らしかったのですが、それに視覚のインパクトが加わって、忘れられない演奏になりました。
NHK-FMで放送されるのは嬉しいけれど、この演目だけでもテレビ放映してくれないだろうか。と思ってしまいます。

ところで、「目白バ・ロック音楽祭」ですが、1日だけ行ける日がありましたので、早速チケットを予約しておきました。
こちらも楽しみです。

投稿者 kompf : 2006年05月29日 23:09

kompfさん 昨日は楽しいひとときをありがとうございました。
J・ケージとノイバウンテンがつながるというのも、とても面白いですよね。

「カシオペア」は、僕はジャズの耳で聞いてしまったので
ちょっと客観的にみれていません。
まあ、そういうことこそが音楽のなせる技であると思っているわけでもあるので
自分としては正しい接し方をしたなと満足していたりします。

でも、ほんとにテレビで放映して欲しいですよね。
コンテンポラリーダンスを見せてもらった感覚でもあります。
(kompfさんの記事にFMでの放送時間の情報あり)

また、どこかでお会いしましょう。

投稿者 fuRu : 2006年05月29日 23:56

岩城宏之氏が本日未明に亡くなりましたね。
享年73歳はまだ若いですね。
現代曲の理解者だけに惜しいですね。

投稿者 iGa : 2006年06月13日 14:42

もし、オペラシティに出演していたら
最後のステージだったのかもしれいと思うといろいろです。
岩城宏之氏のご冥福をお祈りいたします。

投稿者 fuRu : 2006年06月13日 15:14