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2006年06月15日

つのだたかし、明日館講堂、目白バ・ロック音楽祭

[音楽--music ]

060614-tunodatakasi.jpg

昨日は、目白バ・ロック音楽祭のプログラムで
つのだたかしさんの演奏を聴きに明日館の講堂に出かけました。
目白に事務所があるというのは、こういうときに便利です。
プラス、自営業の強み。(みなさん、すみませんm(_ _)m)

まあ、土曜日の日曜日もこのところ仕事をしていたりしますんで
そこのところご理解いただければと思います。

さて、演奏会です。

あたりまえな話なのですが
PAはありません。
生の演奏を生で聴く。
特に、響きが大切なリュートやバロックギターの演奏では大切なことです。

楽器の歴史を見てみると
ひとつの性能を向上させてきたことがわかります。
その性能とは、より大きな音を出すということです。
大きな音が出るようになると、
おおきな会場で演奏しても、遠くまで音が通るようになります。
その結果、大勢の人に聴いてもらえるようになったわけです。
逆に、おおきな会場で大勢の人に聴いて欲しいために
楽器に大きな音が出ることを求めてきたとも言えます。
ただ、僕らはその過程で、自分の耳を澄ませることを忘れがちになってしまったのかもしれません。

演奏が始まる、その直前。
会場は、それぞれの思いで身繕いをして耳をたてます。
でも、なんだか、落ち着かない。
リュートという楽器の音に対して、ほんのちょっとずつ、みんなが騒がしいのです。
それでも、すこしずつ、すこしずつ、静けさを満たしてゆく会場。
聴衆の耳も少しずつ、少しずつ、透明になってゆくようです。
会場の意志が耳をとぎすませるベクトルを持ったのですね。

こういう体験は、CDを聴いていたのでは出来ません。
CDだったら、周りがうるさければボリュームを上げればいい。
あるいはヘッドフォンをすればいい。
そういう音楽の聴き方に僕らは慣れてしまっているのかもしれません。

会場の僕らは無意識のうちに耳を澄ませることを学んでいたのだと思います。
そして、耳を澄ませるよろこびを教えてもらったのだと。

明日館の講堂というのは不思議な場所で
耳を澄ませると、外でさえずる小鳥の声も聞こえてくるのです。
これも、音楽の自然なあり方ではないかと思いました。
そして、その自然さはつのださんの弦の響きと優しくかさなっていると感じました。

少し、日が傾いた午後の一時
つのだたかしの静かな音楽に浸る幸せを感じることが出来た演奏会でした。

<蛇足>
個人的に面白かったのは
やはり、演奏の合間に調弦している様子でした。
弦をゆるめて、きゅーんと張るときの音の変化を
じっと耳を澄ませてあわせているつのださんの姿が印象的でした。

つのだたかしさんの静かな音楽(「めじろぐ」目白バ・ロック音楽祭公式レポート)

幸福について昼下がりに考える(山尾好奇堂)


※新しいホームページで情報更新中!!

投稿者 furukawa_yasushi : 2006年06月15日 00:20

コメント

自由学園の講堂はとてもいい雰囲気ですね。
私もバロックヴァイオリンのコンサートに行きました。
途中で弦がゆるんで音がはずれたりして気になったところもありましたが
こじんまりした会場で聴く音楽っていいものですね。

職場が目白って本当にうらやましいです。

投稿者 reirei : 2006年06月16日 00:09

平日昼間のコンサート鑑賞、うらやましい!
私も行きたいと思ったのですが、日時を見て断念したコンサートでした。

私が一番最初に生リュート体験をしたのは、中学生のときの、「学年鑑賞会」とやらでした。
学校の体育館での演奏、しかも観客はじっとしていられない中学生。
多分、リュートを演奏する環境としては最悪だったと思います。
当時は「なんだか、鳴らないギター?」という印象しかなかったのですが、その後バッハのリュート作品などを聴いて認識を改めました。

明日堂で聴くリュートの音は、とても魅力的だったと思います。
うらやましいかぎりです。

投稿者 kompf : 2006年06月16日 04:05

reireiさん
バロックバイオリンは僕も行きたかった演奏会でした。
日曜日に予定がとれなくて、今回のような平日の方が時間の都合が付くというのも
僕のような仕事の特徴かもしれません。
ちなみに、その演奏会はライヴ録音されていて
インターネットで購入できます。
http://bravissimo-blog.mde.co.jp/blog/f/10000838.html
すごい試みですね。

kompfさん
明日館講堂でリュートは
響いていた、というよりも馴染んでいました。
その昔、リュートはこういうふうに鳴っていたんじゃあないかなと、頭をよぎりました。
タイトル通りの静かな音楽のコンサートでした。
そうそう山尾さんとも遭遇。
山尾さん、目白の街をいたく気に入られているご様子でした。

投稿者 fuRu : 2006年06月16日 08:11