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2006年08月24日

「法隆寺宝物館」---谷口吉生

[建築--architecture ]

かねてから、見てみたかった
谷口吉生氏の設計になる上野国立博物館の「法隆寺宝物館」を
若冲を観に行ったおりに見てきました。

美しいプロポーションは写真で見るとおりで、すばらしいですね。
アプローチからの水を張った演出、そして、深く軒の出たような内側とも外側とも言えない空間の魅力はさすがだと思いました。

しかし、一方、展示室に入るとそこは空気も光も完璧にコントロールされた密室になってしまっています。それは、美術館の常識なんだけれども、アプローチまわりの曖昧な空間の魅力と、あまりにも絶縁していて、ちょっと???、でした。
無理だとは思いますが、やはり、仏像はお寺の薄暗い境内で見るのがよろしいかと思った次第です。


※新しいホームページで情報更新中!!

投稿者 furukawa_yasushi : 2006年08月24日 09:20

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コメント

大きな本尊はともかくあそこにある小さな連中は実際のお堂の中では見る事が難しいという面があるとは思います。
ただ、私も展示室の中より脇のレストランの方がお気に入りです。
晴れた日のお昼前にの庭先に出て飲むビールは格別です。

投稿者 kawa : 2006年08月27日 22:12

kawaさま コメントありがとうございます。

若冲を観たときに
日本的な、外のような内のような曖昧な空間の、その光の変化の中で
それらの作品と向かい合うことが大切だということを再認識させてもらったわけですが
その話のちょうど延長線上で
軒の深くでた、社寺の本堂のような空間こそが
外のような内のような曖昧な光の変化のある空間であるわけです。
谷口はその曖昧な光の変化を楽しむ空間をちゃんと意識、ちゃんと作っておきながら
本来そこに仏像達が置かれるべきはずなのに、なぜかそこから離れて
仏像達を密室に隔離してしまっているなと
そういう自己矛盾のようなものを、この建物に感じてしまったというわけです。

ちなみに、脇のレストランは長蛇の列で
そこでビールを楽しむと言うことは、ちと断念して帰ってきました。

投稿者 fuRu : 2006年08月27日 23:42