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2007年04月25日

Jim Hall & Ron Carter@BlueNote_Tokyo

[ジャズ--jazz ]

Jim Hall 1930年12月4日生まれ---76歳。
Ron Carter 1937年5月7日生まれ---69歳。
うーん、年をとるのも良いものなんですね。
昨日(4月24日)の演奏は、心にしみましたよ。心からふたりに拍手を送りたいです。

実は、このふたりの来日ライブがあると知ったときは複雑な気分でした。
私はJim Hallの大フアンです。
でも、ライブに行くか行くまいか、悩みました。
年が年だけに、過去の栄光に浸る懐メロ回顧大会だったらどうしよう、そんな不安感。
だって、ふたりが華々しく活躍していたのはもうずいぶんと前のことなんですから。

しかし、そんな不安もどこ吹く風。
行ってしまえー。で、行ってよかったと帰ってきました。

うまく乗れない感じだった1曲目。
でも、2曲目のAloneTogetherで音をつかんでからは、ふたりのはじく弦の響きは「1+1=2」ではなくて「1+1=∞」となって、私たちの目の前を濃密な空間に変えるさまは、まさにマジック。
彼らは、年からいえば老人で社会的には引退したご隠居さんということになるのかもしれませんが、決して過去のノスタルジーに浸ったり、栄光の遺産の上にあぐらをかいて演奏しているのではなく、今を生きていることが熱く伝わってくるような演奏。これこそがジャズなんだなあと、ちょっと涙腺がゆるみながらも心を強く動かされます。

建築現場で働く老齢な大工の親方の、まだまだ若い奴らにはまけられねえ、という「きりっと」した姿がかさなります。今を生きるってことですよね。

どんなに年をとっても、今を生きること。
その素晴らしさを受け止めて帰ってきた夜でした。

<蛇足>
アンコール含めて75分の演奏時間は少々物足りなかったですねえ。
欲を言えば、もうちょっと聞きたかった、素晴らしい夜。


※新しいホームページで情報更新中!!

投稿者 furukawa_yasushi : 2007年04月25日 12:00

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コメント

Ron Carter、むかぁし聴きにいたっけ。帰りにすぐにLP買ったんでした。
懐かしいから久しぶりに聴いてみようかな。
>>今を生きていることが熱く伝わってくるような演奏・・・っていいですね。

投稿者 kadoorie-ave : 2007年04月26日 19:35

あれれれれっ。
kadoorie-ave さんもJazzを聞くんですか。
どうも知りませんで失礼いたしました。
私は記事でも書いた通りJimHallのフアンなんですが
今回はRonCarter良かったですよ。しびれちゃいましたね。
結局一人で行ったんですが、一人は寂しいです。
でも、ブルーノートはチャージが高いので、やたらに人を誘えないという難点があります。
まあ、一人だったせいで、遅れていったんだけれども、前から3列目の真ん中にひょっこり座ることが出来てそれはそれはラッキーでした。
今後、ぜひともJazz、ご一緒いたしましょう。

投稿者 fuRu : 2007年04月26日 19:48

そうかぁ〜私と12年と一日違いで"Ron Carter"も丑年の牡牛座でビーフ100%なんだ。

投稿者 iGa : 2007年04月27日 11:05

iGaさんがビーフ100%だったとは知りませんでした。
なんて、書いているうちにキースジャレットトリオではないですか。
iGaさんは、たしか明日行かれるんでしたよね。
ふーんむ。
コンサートレビュー、期待しております。

投稿者 fuRu : 2007年04月27日 11:22

fuRuさん、日記のコメント、ありがとうございました
そうそう一曲目のReceipt Please 、テーマのユニゾン、バラバラでしたね?(笑)
実は私も一人で行ったのですが、私は別に寂しくは無いです!(ホントに)
かえって音楽に集中出来るし・・・
考えてみると、おじさんがおじいさんのLiveに行ったんですねぇ?(笑)
でもホント!行ってよかったですよね!好いLiveでした。

投稿者 chacha hide : 2007年04月29日 21:26

chacha hideさま
こちらにコメント、ありがとうございます。
同日、同演奏を堪能した仲間が、こうしてコメントし合うというのも
なかなかにネットの素晴らしきことです。
こういう「ふーっ」と風のようにつながってゆくインターネットの仕掛けがあるから
やっぱり、ひとりで行っても寂しくないのですな。
どちらにしても、良いライブだったからこそ
それを通してつながりたくなるというものです。
JimとRonに大きな感謝!

投稿者 fuRu : 2007年04月29日 23:22