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それはともかく、いやあ、なんだか、みごとでした。
一気呵成に、ちょっとシュールな白鳥の世界に観客を丸ごと連れて行ってくれるその手腕とパワーにはすごいものがあります。

4日間にはそれぞれテーマがあるようで
月曜日は「映画」だったとか。
そして、昨日は「文学」。

白鳥が己の人生を振り返るというのが4日連続の続き物としてあって
その後「だるま食堂」さんたちのコント。
そして、江戸川乱歩の「人間椅子」を落語に置き換えたというお話し。
お話自体はオリジナルとまったく別物という仕立てになっていますが
途中「芝浜」になるところなんて、あざやか。
聴いてない人は、どうして「人間椅子」が「芝浜」になるのかわからないでしょうねえ。
でも、なるんです。映画で場面が急展開するように見事に場面が変わったのが鮮やかだったですね。
今回、一番感心してしまったところかもしれませんね。

そして、仲入りのあとは再び「だるま食堂」さんたちのコント。
とりは「ラーメン千本桜」。
本人いわく、長い話だから滅多にやらないのだそうです。
こちらは人情話。
でも、最初からしんみり聴かせるのではなくて
ほぼ全体的に笑いをとって
最後の最後でほろりとさせる、わけですね。
登場人物もたくさんいて、演じ分けるのも大変な演目。
でも、まあ、たっぷりと、途中「初天神」がまぎれ込みますが聴かせてくれました。

それにしても、先の「芝浜」といいこの「初天神」といい
ぱっと展開したときのお客さんの反応が良かったなあ。
一緒に行った、同級生グループ、個人的に「心に雪が降る会」と呼んでいるのですが
一人は落語好きなので反応していましたが、もう一人は全然わからないと言っていました。
わかっていれば、それは面白いのですが、でもその分からないと言っていた人も充分楽しんでいましたから、そこがお客さんに頼らない芸の深さということでしょう。
あっぱれ。

ちなみに、残りの2回は4月の後半25日と26日。
1回で良いかなと思っていましたが（汗）、もう一度足を運んでみたくなりましたよ。

演目はこちら

＜蛇足＞
終演後に「心に雪が降る会」で、芸術劇場をでたところにあるライオンに行ったのですが
白鳥師匠たちも打ち上げで来ていました。
嬉しいことに、打ち上げを抜け出して我々の席にも顔を出してくれて少々歓談。
あれだけの高座で心身共にくたくただったでしょうけれども、マメですね。嬉しいですね。
これからも、応援させていただきますよ。
三代目圓朝なんて冗談で言っているようだけれども、冗談がほんとになる、ってこともあるからね。
意外だと思う人もいるだろうけれども、何年かして、人情話をしっとり聴かせてくれるようになるんじゃないかな、とも、私は思っています。