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2007年10月29日

Tenryu-am@静岡ツアー

[c-森林をいかす家づくり--moriiki ]

27日。台風が迫り雨足が強くなるお昼ごろ
静岡ツアーの一行は天竜杉を扱うTenryu-am(アマノ)さんにお邪魔いたしました。
最初の写真は製材された材木の山を見上げるツアーのメンバーたちです。

アマノさんの倉庫には梁に使うような大きな断面で長さも8mはある杉材が山になっていて、話には聞いていましたが、実際に目にしてみると、これには驚かされました。

驚くべきことは、まずは、これだけの大きさの材料がそろっているということ。
次に、注文を受けてから製材するのではなくてストックとしてもっているということ。
(ちなみに、これから伐採が本格化するいまの時期が一番在庫が少ないのだそうです。
天野社長さんが恥ずかしそうに「いまは少ないからお見せするのが恥ずかしい」と言っている姿が印象的でしたし、最盛期に倉庫が杉で埋まっている様子を想像してさらに驚いてしまいました。)

国産材を使って家を造るという運動が全国各地で行われていますが、まず大径木を定期的に切りだせるような産地は日本広しと言えども限られています。
また、リスク回避のために在庫をなるべく抱えないというのがいまの社会の経済の常識ですから、これだけの在庫を抱えるという決断をアマノさんがしたことに本当に驚かされたわけです。

杉材でも常に流通にのる柱材ならば在庫を抱えてもリスクは少ないでしょうが、それにしたって、木というのは保管が悪ければカビも生えるし腐っちゃって商品価値がなくなる可能性が高い。元の丸太は市場や山林所有者から買ってくるわけですから、売れないで倉庫に眠っている期間が長ければ経費の回収もままならない。
一方で、木材、特に杉材は含水率など品質を調整するためには長い時間が必要です。特に大きな断面の梁に使うような材料は、注文を受けてから製材していたのでは、品質が安定して使えるように考えると発注者にずいぶんと待ってもらう必要も出てきます。つまり品質の良い杉材を提供しようと思えば乾燥にじっくりと時間をかけたい。でも、それでは市場の動きにちゃんと対応出来ない。ちゃんと対応出来ないことを当然のように開き直る、なんてことも時々聞く事がある中で、天野さんの英断には驚くとともに深い敬意を感じます。

もちろん、こういう事は日本のどこででも出来るというわけではありません。
森林がかかえている資源の規模がまったく違うという事。規模が違えば経済の原則も変わってしまうという事。
私たちが千葉で行っている地域材を使って家を造ろうという「森林(もり)をいかす家づくりの会」でも、大径木は提供出来ますが、それを定期的に伐採してストックしておくというのは、保管の面、経済的な面で難しいでしょう。
そのために森林組合としても話し合いが進められているといいますが天竜にはかないません。
しかし、我々には我々のやり方があるはずだと考えています。
中小規模の林地からの地域材を使った家づくりを我々は追求し、実践してゆく必要があるのだと思います。そのためには解決してゆかなくてはならない、コストの問題、乾燥の問題(品質)などたくさんあります。コストに関しては流通の合理化でなんとかなりそうだという手応えを感じていますし。乾燥についても、乾燥の方法や家の作り方でかなり対処出来るという手応えもあります。これからも、そうした実践を積み重ねてゆきたいと考えています。


※新しいホームページで情報更新中!!

投稿者 furukawa_yasushi : 2007年10月29日 16:15

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コメント

こんばんは。世間が狭いことを知っているつもりでも、
やはり身近な方と意外なところで繋がりがあるのは新鮮ですね。
夜の宴会は盛り上がったそうで、参加できず残念でした。
2日間、いかがだったでしょうか?また感想などお聞かせください。
ブログ見られてるからと遠慮なさらずドーンとお願いします!

投稿者 サトー : 2007年10月29日 22:10

サトー さま
コメントありがとうございます。
静岡では大変お世話になりました。
懇親会楽しかったですよ。
今度は是非、お酒の席、ご一緒いたしましょう。
遠慮なんてしませんから。(^_^)v

投稿者 fuRu : 2007年10月29日 23:02

土曜日はお疲れ様でした(昼間も夜も)。
懇親会も楽しかったですね、ゲストも多彩で・・・。
来週も山林見学会を開催しますので、お時間があったら遊びに来てください(少々遠いですが)。
では!

投稿者 山口 : 2007年10月31日 15:51

山口さま
静岡では大変お世話になりました。
ただ、ゆっくりとお話しできませんでしたね。
今度は、じっくりと山や木について語り合いたいですね。
今後ともよろしくお願いいたします。

投稿者 fuRu : 2007年11月01日 00:05