« hanawa_h@us---とりあえず?の完成見学会のお知らせ | メイン | fujisan »

2008年03月05日

セルフビルドと「Be-selfbuilders」ブログ

[a-家づくりについて---house_making ]

こちらは、現在、Be-h@usで計画中のyumさんが主催するブログ「Be-selfbuilders」です。
セルフビルド関係の話題で大変盛り上がっています。
私も、設計者としてセルフビルドをどのようにサポート出来るのかを自らの課題としていますし、そうした気持ちで「Be-h@us」にも関わらせていただいています。hanawa_h@usの設計監理をご依頼いただいたのも、私のそういう考えからとのこと。ありがたい限りです。

セルフビルドというのは、一方でプロのビルダーがいるからこそ言われる言葉で、プロに頼まないで作ってしまおうということです。
プロに頼めば、家は出来てしまいますが、プロに頼まない。それは、やはり、家づくりのプロセスに住まい手側からダイレクトに関わってゆきたいという思いがあるからだと思います。

昔々、大工の棟梁は住まい手の希望を聞き骨組みを考え、材料を手配して加工して組み立てました。
そこに屋根屋さんが屋根をかけ、左官屋さんが壁を塗り、建具屋さんが建具を作って仕上げます。
住まい手は、大工さんを探し、屋根屋さんを探し、左官屋さんを探し、建具屋さんを探す。そして、それぞれに工事を依頼してそれぞれに代金を支払う。そういう時代がありました。
こういう昔のやり方はセルフビルドではありませんが、住まい手が家づくりのプロセスに大きく関わった家づくりだったのです。

ところが、いつの間にか、家づくりのプロセスから住まい手が排除されてしまうようになりました。

良く言えば、素人はプロに任せなさい、任せてもらえば間違いありませんよ、ということです。

でも、家づくりはそこに住まう人のためのもの。住まい手を疎外した家づくりは、やっぱり寂しいというか問題ありだと思うんですね。

というわけで、施主直営式とともに、家づくりを住まい手の元に引き戻すため、セルフビルドへの挑戦は、とっても有効な手段だと思うのです。

3月の15日に見学会を行う「hanawa_h@us」ですが、セルフビルドへの挑戦がひとつのテーマになっています。ただ、自分で作っても気密性能とか断熱性能がおざなりになってしまうのでは、何のために家をつくるのかわからないと建て主さんであるNさんは考えられました。
インターネットで調べ、価格や工法などデータが公開されていて誰でも使えるシステムとしての「Be-h@us」にたどり着いたというわけです。

「Be-h@us」は建物の基本的な性能である気密性と断熱性がすぐれています。でき上がった箱に屋根をかけて外壁を張れば人が住むに必要十分な箱になります。この必要十分な箱を作るということがセルフビルドの場合、難しいのです。

また、すべての自らの手で作るというのは、やはり難しい。特に会社勤めのNさんにとって、許される作業時間は平日の夜と週末のみ。
その点「Be-h@us」の箱は中を自由自在に作り込めますから、自分で作る部分とプロに頼む部分を容易に整理出来ます。これはセルフビルダーにとって大変有利な点になっています。

このように、プロに工事の一部を依頼し、残りをセルフビルドで作る方法を「ハーフビルド」と呼んだりします。

今回の「hanawa_h@us」の場合にも、基礎工事と躯体の組み立て、屋根工事と外壁工事、水道関係の工事、建具工事、タイル工事、浴槽据え付け工事などをプロの工務店に頼んで、それ以外をセルフビルドですすめることになりました。ちなみに、電気工事はNさんが第1種の電気工事士の資格を持っておられたのでご自分で工事されました。

というわけで、一言で家づくりといっても、その方法は様々。そして、可能性も様々。その可能性を熱く語る場としてyumさんの「Be-selfbuilders」は大いに盛り上がっているのです。


※新しいホームページで情報更新中!!

投稿者 furukawa_yasushi : 2008年03月05日 19:20

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://af-site.sub.jp/cgi/mt/mt-tb.cgi/1506

コメント

fuRuさま

ご紹介ありがとうございます。
個人の「我が家をかく建てり」という記録は、web上にかなり存在しますが、どうしても月日の経過とともに風化しがちです。しかし、その中にはこれから家を建てようとする人のためには、有益な情報がかなり含まれています。
その情報の中から、こんなものが役立ったというもの以外に、これで失敗したという負のデータも含めて、なるべく普遍性のあるものをカテゴリー別にデータベース化できないかなと思っていました。そんな折り、秋山先生のお勧めもありまして、ブログという形態で始めたのがbe-selfbuildersです。

我々selfbuilderは、プロの手法をなぞる限りは、どう頑張ってもそれを超えることはできません。しかし、本日のnakさんの壁塗りの手法のように、selfbuilderならではの方法でプロをも唸らせるものが出てきたら、どんなに愉快かなと思っております。

また、家というのは、設計者にとってはone of themかもしれませんが、施主にとっては、大げさにいえば一生働いたお金をつぎこむ一大事業で、両者の間には溝が存在するのも事実であります。その溝を少しでも埋められたら、というのもこのブログを作った一つの願いであります。これからも、ご指導、よろしくお願いします。

投稿者 yum : 2008年03月06日 12:22

yumさま
セルフビルドに関する情報のデータベース、ひいてはエンサイクロペディア、素晴らしいですね。加えてブログという仕掛けはセルフビルダー達のコメントで記事の内容がいっそう深まるという点で生きたエンサイクロペディアになると思います。
今後とも覗かせていただきますし、時々投稿させていただければと思っています。
よろしくお願いいたします。

投稿者 fuRu : 2008年03月06日 15:14