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2008年03月28日

三遊亭白鳥独演会@博品館

[映画・ドラマ・舞台--movie/play ]

三遊亭白鳥師匠の二夜連続の独演会に行ってきました。
二日とも素晴らしかったですが
二日目は感動すら覚えました。
良かった。

演目は
○26日(初日)--テーマ メルヘン
オープニング「メルヘン子ほめ」
「ある愛の歌」
ー中入りー
<「冗談音楽」ポカスカジャン>
「隣の町は戦場だった」

○27日(二日目)--テーマ 江戸
オープニング「大山椒魚の恩返し」
「ねずみーー萩の月の由来」
ーー中入りーー
<「漫才」昭和のいる・こいる>
「明烏」ーネタおろし

白鳥師匠は高校の時の同級生ということもあって
なかなか冷静に見ることが出来ないでいましたし
今までは、高座に行くのもお付き合い半分というのが正直なところだったことを告白しておきます。

が、今回の独演会で、師匠はすごいなと純粋に感じて少し興奮気味。

前回は、師匠の話は、いわゆる「落語」ではないところ、「落語」から限りなく逸脱しているところが師匠の良さであるというようなことを書いた覚えがありますが、今回、特に二日目は、たっぷりと「落語」を聞かせてもらった充実感がありました。

これは、なんか、吹っ切れたというか、ある種のすがすがしさを伴ったもので、つまらない表現でいえば「一皮むけた」というような感じ。「落語」でも「反落語」でもない、白鳥師匠の世界。「落語」なんていう目の前のたんこぶを気にしなくても良いという自信。パワフル全開で突っ切らないと乗り越えられないという危機感ではなく、自分の世界への自信が生まれていて、それを観客がしっかりと受け入れている。
二日間の博品館は、それゆえに愛に満ちた場所となっていたのでした。

感想は一言、とても良かったです。

白鳥師匠の今後にますます期待です。

<追伸>
最近講談社から本が出たようです。
この本については、あらためて紹介させていただきます。


※新しいホームページで情報更新中!!

投稿者 furukawa_yasushi : 2008年03月28日 10:30

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コメント

 白鳥の独演会、2日目に行きました。じいさん(古川氏の古来からのあだ名)のコメントと同じことを感じました。私の思いをさらに付け加えれば、その良さは、単に師匠のエネルギーと台本の奇抜な展開で笑わせるという内容ではなかったからだと思います。何より、昔ながらの“人情”を織り交ぜ、しかも緻密に練られた台本が今までとの大きな違いだったと思います。師匠が開口一番、「江戸というテーマは、(古典が不得手な)私としては、一番、やりにくいテーマでして・・・」と場内の笑いを誘ったのですが、とんでもない、さすが、博学の師匠らしく、テーマの『江戸』を、『人情』というまさに江戸の真髄に求めて表現していました。数十年かかるかと思いますが、これからは“枯れた”演技力も育てていってほしいと新しい期待を持ちました。また、師匠には、ぜひとも、映画の脚本を書いて欲しいと改めて思いました。

投稿者 万太郎 : 2008年04月05日 16:00

万太郎さま
独演会は良かった。
私が感じ入ったのは、物語の骨格がしっかりとしていたということです。
私は、歌舞伎をよく見に行くんですが、丸本ものといって浄瑠璃から持ってきた古い話を何百年も演じ続けている題目があります。その中でも忘れられないのは吉右衛門さんがやられた「熊谷陣屋」なんですが、これはもう、ほんと、物語の骨格が表現されていて、すごいなあと思って、今でも忘れられないくらい感じ入ってしまったんですが、今回の師匠の話にも同じものを感じたのですね。
これは、物語の骨格と言ってしまいますが、なにか言葉や演技を超えたところにあるもの、それは表現ということになるんでしょうが、落語もそうした表現のひとつだなとあらためて教えられた感じがしました。
ちなみに、物語の骨格を感じさせてくれる噺家って、今はほとんどいないんですよね。

投稿者 fuRu : 2008年04月07日 10:29