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2008年04月23日

S.H._House---基本設計・住まい手の生活に耳を澄ませる

[0803---S.H._House ]

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「S.H._House」の基本設計がすすんでいます。
基本設計とは、生活の中心とその周辺、それらの諸条件をプランに納めてゆく作業です。
特に、現在お住まいのお宅にお邪魔して荷物の調査をして、それらがプランの中に収まるように考える作業は、とても大切で重要な作業です。収納計画を間違えると、せっかく家が完成しても、生活が成り立たないことだってあるからです。

「S.H._House」の場合は、当初考えていた収納計画では難しいことが荷物調査ではっきりしました。住まいには、洋服、雑貨、生活用品、それぞれのための収納スペースを用意してあげる必要があり、それらの量のバランスは 家族によって様々です。そのバランスは荷物調査をすることで把握することが出来ます。
今回は、荷物の総量については大きく間違ってはいなかったのですが、バランスを見直す必要が出てきたのでした。

さて、それをどう解決するか?ということになります。

私の場合には、住まい手さんの荷物の量とそのバランスを頭に入れながら図面に鉛筆で描き込でゆきます。ただ、荷物については条件が複雑であり、なかなか旨く収まらないことも多く、鉛筆の手も止まってしまいます。そんな時には、不思議なことに住まい手さんと会話を進めてゆく中で解決の糸口を発見することが多いのですね。

荷物というのは住まい手さんのものです。設計をするなかで、荷物がどのように大切で、どこに置くのが一番機能的かということは、実は住まい手さんが一番知っておられる。ですから、図面に描き込みながら住まい手さんとお話をしていると、いろいろなことが見えてくるわけです。それが解決の糸口。

良く考えたら、この方法は私の設計の方法そのものでした。

というのは、これからでき上がる住まいというのは、住まい手さんのものですから、そこに住まい手さんの生活がなくてはならない。住まい手さんの生活を一番良く知っているのは住まい手さんご自身です。でも、住まい手さんにはそれを具体的な形として把握することが出来ない。そこで、私は住まい手さんと会話を重ね、住まい手さんにふさわしい生活の形を具体的なかたちにしてゆくという作業を行うことになります。これが、私の考える設計という作業です。設計者は住まい手の生活に耳を澄ませる聞き役。そこから聴こえる、様々な音を耳を澄ませて聞き取り形にしてゆく。ですから、設計という仕事は聴力が求められる仕事ですね。

そして、今日も、住まい手さんの生活に耳を澄ませ、図面を描いている私がいるのです。


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投稿者 furukawa_yasushi : 2008年04月23日 16:20

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