2008年05月31日
北田英治さんのインド
[アート--art ]
昨日は阿佐ヶ谷のドーモ・アラベスカで
写真家の 北田英治さんのスライド上映会があるというので行ってきました。
北田さんがインドで撮ってきたコルビュジェの写真を中心とした上映会です。
写真というのは
いろいろなことを説明してくれます。
しかし、写真を説明的に見ているばかりでは、
その何とも言えない奥深い世界を感じる心を
観る側が閉ざしてしまうことになるのかもしれません。
建築関係のスライド会の場合、だいたいは観客からの質問、そこに写っている建築の素材であるとか、写真に写っていない部分がどうなっているかとか、といった質問に、上映者はそれに答えることに終始します。
今回も北田さんの写真に質問が飛び交います。
その床の素材は何ですか?
その天井はどういう構造ですか?
どのくらい大きいのですか?
すべての質問は、写真に写っているものがどういうものなのか
もっと知りたいという気持ちからの質問です。
会場に集っていた人の多くが建築関係者だったから
そういう質問が飛び交ったのでしょう。
さて、いくつかの質問が出た時に
北田さんが一言 言われました。
「説明ばかりになってしまうと写真がつまらなくなるんだよね」
なるほど、確かに北田さんの写真は、写真そのものがすべて魅力的で
コルビュジェの作品が写っていることは二の次のような素晴らしい写真ばかり。
その素晴らしさとは、北田さんがコルビュジェの作品に何を見ていたかがはっきりと分かるという素晴らしさ。
決してコルビュジェの作品をないがしろにしているわけではない素晴らしさです。
その写真の素晴らしさに心を預ければ、そこにおのずとなにかが見えてくる。
ですから、よけいな説明などいらないのでは、というのが北田さんからのメッセージだったんですね。
建築を作り上げるには多くの知識が必要です。
しかし、知識だけで作ることが出来ないのが建築です。
北田さんの言葉は、そういうことさえ言っているように感じました。
良いものを見せていただいたと同時に良い経験をさせていただいたと思います。
<2008.06.03.アトリエフルカワ通信 Vol.262をもとに大幅に加筆修正>
※新しいホームページで情報更新中!!
投稿者 furukawa_yasushi : 2008年05月31日 18:00
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コメント
先日はお疲れさまでした。
風景、建築も圧倒的でしたし、写真も圧倒的でしたね。
内輪で見るスライドの「写真」とはまったく別次元「写真」でした(笑)
投稿者 boro9239 : 2008年06月02日 14:26
boro9239さま
北田さんの写真、良かったですよね。
失礼ながら、ほとほと感心しながら写真に見入ってしまいました。
やはり、説明的な写真はつまらないなあ、などとも思ったりしました。
また、機会がありましたらご一緒しましょう。
投稿者 fuRu : 2008年06月02日 16:24
「ドーモ・アラベスカ」でなんて、またいいですね...。うらやましい限りです。
「説明を始めちゃうと......」のくだり、とても勉強になりました。
投稿者 たかさん : 2008年06月03日 10:40
たかさんさま
どーも、ドーモ・アラベスカでは
毎月、こういう企画をやっているようです。
20年くらい前に一度見学させていただいたことがあるのですが
ほとんど変わっていなくて、室内の色が塗り替えられていたくらいでしょうか。
ぜひ、東京に来られる時にちょうど企画をやっていればご一緒いたしましょう。
投稿者 fuRu : 2008年06月03日 11:20
furu さま
ありがとうございます。ちょっと気にしておきます(毎月であれば...笑)。
投稿者 たかさん : 2008年06月03日 11:24