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2008年05月05日

sasabe_House(R)---壁塗りセルフビルド

[0802---sasabe_House(R) ]

「sasabe_House」の壁塗り工事をセルフビルドでやるということで、この5月の連休に行ってきました。

実は「sasabe_House」は私の家内の実家になります。
そして、松本にある家内の実家の改修工事をするにあたり、私が図面をひかせてもらい、工事監理の大役を仰せつかったのでした。

今回の工事は、耐震補強に始まり、お風呂やキッチンの取り替えと2階のトイレの新設、室内の仕上げの全面改修、そして外壁改修もあります。改修工事としては大規模な方ですね。
その中でもどこを直すかというといろいろな選択肢があります。私としては、床は無垢材のフローリングにしてあげたい、壁は左官塗りの壁にしてあげたい、と、やっぱり考えます。しかし、誰にも予算というものがあります。そこで、様々な選択肢を整理してゆく。床はあとでやり直すことは難しいですが壁は数年後にやり直すことも出来ます、とか、そうした打ち合わせを重ねて、最後は、床を無垢のフローリングとして、壁はクロス、もしくは、最近よく使う和紙貼り、あるいはペンキか、というところで工事契約となったわけです。

ところが、今回の工事を請け負ってくださった杉野建築店さんが手がけられたお仕事を、建て主さんである義理の妹夫婦が見学させていただいたところ、床は無垢のフローリングで壁が左官仕上げだったようで、左官壁の良さに義理の妹夫婦はひたすら「良いなあ、良いなあ」を連発するばかり。
うーん、予算は決まっているのだから、その中で左官壁に出来ないものか、と頭をひねること3回。いくら頭をひねっても予算が増えるわけがありません。
その時、一緒にいた、杉野建築店の専務さん。「自分で塗られたらどうですか?」とのアドバイス。クロス貼りの材料と職人さんの手間があれば左官材料が買えますよ、ということなんですね。グッドアドバイスです。そういうことを快く思われない工務店さんも多いなか、言っていただいて私も助かった。だって、私としても、やはり左官仕上げの壁にしてあげたかったところなんですから。

そこで急遽、壁の左官塗りをセルフビルドで行うように準備が進められました。義理の妹夫妻の友達も助っ人として参加してくれることにもなり、私も家内とお手伝い。日程も5月3日と4日の2日間で、ということで、塗れる範囲は三部屋程度と見積もって、材料は杉野さんに手配していただき、道具は杉野さんから全部お借りしてしまいました。

これだけの面積をやってみるチャンスはなかなか無いことや、自分のお客さんの仕事としてというよりも、身内の手伝いという気持ちで参加できたので、いろいろ勉強させていただきました。

<覚え書き>
仕上げた部屋は、2階の7帖半の部屋、8帖の部屋、そして1階にある16帖のLDKです。
20リットルの既調合のしっくいを2階で三缶、1階で三缶程度使いました。
素人の大人の手で、一日目が6人で2階を塗って、10時半から3時まで(途中昼休み1時間)かかりました。
二日目が1階で、基本6人で、1時間程度2人の助っ人も加わって8人、10時半から12時半で完了しました。

私は塗る方に一生懸命になっていて写真が撮れませんでしたが、杉野建築店さんが写真をご自分のブログに載せてくださっていますのでそちらをご覧下さい。私の姿も写っています。
壁塗り隊 参上!

<080507.追記>
左官の材料について書き留めておきます。
村樫石灰工業株式会社の「マリンライム」という商品です。
石膏ボードに直接塗れますし、下塗り不要で一回で仕上がるのも利点だと思います。
また、村樫石灰工業株式会社のホームページでは成分情報の開示をしています。その他にも漆喰の出来るまでとかためになる記事も多いHPになっています。
ちなみに、検索するとインターネットでは20リットル一缶1万4千円弱で購入出来ます。


※新しいホームページで情報更新中!!

投稿者 furukawa_yasushi : 2008年05月05日 21:40

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コメント

私も壁を塗ってみたい。
もし今度そういう企画があったら参加したいなぁ。
助っ人として参上いたしまする。
腕前はさだかではない。

やっぱりずいぶんと時間がかかるものですね。
お子さん達も楽しそうですね。

投稿者 reirei : 2008年05月05日 23:53

reirei さま
壁塗りは楽しいですよ。
今度は是非ご参加下さい。
腕前は、私も含めてみな定かではありませんですが、それが良いと思いました。

かかった時間ですが、我々の場合は普通よりもずいぶんと早く終わったようですよ。
工務店の方はこうしてセルフビルドで壁を塗る人たちをよくお世話しているようですが、早く終わったのでびっくりしていました。塗り始めると早いです。

投稿者 fuRu : 2008年05月06日 00:45

fuRuさま

しっくいを塗る下地というのは、どういう処理をするのでしょうか?
(例えば石膏ボードを貼るとか)

投稿者 yum : 2008年05月07日 12:52

yumさま
追記でも書きましたが、今回使った「マリンライム」という材料は、石膏ボードに直接塗ることが出来ます。ボードの継ぎ目もパテ処理しておけば大丈夫です。一切の下地処理がいらないのにはびっくりしました。10年以上前になりますが、その頃にはラスボードにモルタルを塗って下地をつくってから表面に漆喰を塗るのが一般的でした。その後、タナクリームなどの石膏ボードに塗れるものが出てきましたが、それでも最初の頃は石膏ボードに全面にシーラーなどを塗っておかないとうまく塗れなかったものです。今では下地処理、一切なしでO.K.。技術は進んでいますね。
ただし、リフォーム工事で古い壁に塗る場合には全面にシーラーをかけるなどの下地処理をした方が良いようです。

投稿者 fuRu : 2008年05月07日 16:45