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2008年07月10日

cool sounds---Stan Getz

[ジャズ--jazz ]

cool sounds---Stan Getz
1953年5月16日、1954年1月23日、11月9日、1955年1月31日、8月19日録音
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レコードを聞く時、針を落とした最初の一音って、やっぱりとても大切だったと思います。
針を落とす瞬間から持続されるあの緊張感のなかで、耳を澄ませ、音に包まれる。

梅雨空がじっとりと肌に染みこむような一日。
coolなサウンドに包まれている心地よさ。(演奏はhotですが)

ゲッツのテナーはちょっと湿っていて
梅雨時に似合います。

このレコードの最初の数音は
目の前の世界を一気に変えてしまいます。
ジャズのレコードには時々そういう驚きがあって
ヘレン・メリルの「ブルーに生まれて」とかも同じ。
たぶん、この驚きは10年後、20年後にも受け継がれてゆくに違いない。


1950年代中ごろに録音された音は
こうして、何度も聞き返すことが出来るように封印されました。
そして、50年前の耳と今の耳は大きく変わっていると思いながら
50年経っても聞かれ続ける音ってすごい、と思います。

ジャズを聴き始めた当初は
聞き継がれている、ということだけで、その意味そのものが分からないまま
ジャズを勉強していたのだと思います。
ガイドブックを買い、名盤と言われているものを買いあさる。
どこそこの偉い評論家があたえた「良い」というお墨付きで聞いていた。

そのうち、自分の中で全体像がある程度見えてくる。
自分のジャズがカタログ化される。
すると、もう一つ奥にあるものが見えてくる。

それは、自分だけの名盤を発掘する喜び。
マニアな、もう一つのカタログつくり。
マニアな自分の発見。

それは、共有されるマニアな世界の発見。

ゲッツの、そしてワーン・マーシュのCDを集めている自分。

これもジャズの楽しみに。

ちなみに、ゲッツの闇の時代といわれる時期の録音です。
「cool sounds」はいわゆる名盤です。


※新しいホームページで情報更新中!!

投稿者 furukawa_yasushi : 2008年07月10日 10:30

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コメント

スタン・ゲッツは基本的にゲッツ/ジルベルトくらいしか知りませんが、このジャケットそしてタイトル、そそられますね。マーティン・デニーとかレス・バクスターとかいったエキゾッチックサウンドを想起します。(ちょっと違うか?)機会があったら聴いてみますね。

投稿者 スナフキン : 2008年07月10日 23:22

スナフキンさま
残念ながら内容は至って普通のモダンです。
でも、ジャケット、良いでしょ。
私などはジャケ買いでしたね、これ。

ところで、11月にジョアン、来日しますね。
チケットを予約してみましたが当選するかどうか・・・。
ちなみに、ゲッツはジョアンとのレコードが有名ですが
他にもたくさん良いレコードがありますよ。

投稿者 fuRu : 2008年07月10日 23:59