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2008年09月17日

「猫のあしあと」---町田康

[books ]

「猫のあしあと」
著:町田康 出版:講談社
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ある日、家に帰ると家内が
「大変だ、大変だ」と言っています。
何が起こったのかと聞けば
豆太郎が栗饅頭を食ったのだと言うではありませんか。
豆太郎と言うのはわが家の飼い猫でありまして
家猫として家族とともに12年。
もうずいぶんと年老いているわけでありますが
それが、まんじゅうを包む透明のセロファンを食い破り
中の饅頭を貪ったと言うのです。
猫に小判とは聞いたことがありますが猫に饅頭とは。

もちろん、豆太郎は栗饅頭など今まで食ったこともなく
最近左目が緑内障にかかっているような様子で、動きも今までの俊敏さがなく、トイレもおそそが目立つようになってきていて、ついに猫認知症がでたかと、家内とはひそひそ声で話しあっていた矢先でありましたので、今回の饅頭事件は、古川家に大きな衝撃をあたえたのでありました。

猫とても生き物。寿命が来ることは避けられません。人間も同じですが、猫の場合には、あそこの猫は化け猫のように長生きと言われてもせいぜい20年。普通は10年から15年が寿命とされています。とすると、わが家の豆太郎も、いつ天国から呼ばれてもおかしくないわけです。そんな日が来ることなんて、いまだに想像も出来ない古川家なのであります。

町田康の「猫にかまけて」という前著は、愛猫の死という、猫好きにはいたたまれないエンディングを持った本でした。この「猫のあしあと」はその続編。
町田家には、続々と新しい猫が加わります。
そして、やはり、死が最後に描かれている。

いけませんね。こういう本は。

我が身にいつ訪れるかもしれない境遇。

シュミレーションなんて出来ません。
こころの準備なんてできません。

困ったものです。


※新しいホームページで情報更新中!!

投稿者 furukawa_yasushi : 2008年09月17日 11:40

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コメント

お初にコメントさせていただきます。
今年4月に老猫を看取ったので、猫の話題があるといてもたってもいられぬ私です。

豆太郎どの、12才とのこと。
猫長寿社会ですから、病気もあるかもしれませんが・・・
猫の「本能」でなんとか順応して乗り越えていく「野生能力」をきっと持っているはず。
自然に任せるしかありませんが、ご家族は心配で仕方ありませんよね・・・。
一過性の症状であることを祈るばかりです。

投稿者 クラッカーランド : 2008年09月17日 23:21

私の知り合いの猫ちゃんは18歳で天寿を全うしましたが、
家族のように一緒にいるペットの命、いつまで続くのか、それはわからないです。
私も今の鳥が8歳で、ペットの本など見ると、8~12歳くらい。
突然その日が来るとして、いつなのか、と思うけれど
毎日を大切に過ごすくらいしか思い浮かばないですね。

その時が出来るだけ長く続きますように、と祈ります。

投稿者 reirei : 2008年09月18日 23:48

クラッカーランドどの
猫長寿社会ですので
20歳の老い猫も良く見かけるようになりました。
我が家の豆太郎も家猫ですしカリカリを中心とした食生活にしていますので
結構長生きするのではないかと、は、思っています。
でも、着実に老いているのですね。
私も少し目がかすんで老いを少しづつ自覚していたりします。
老いというのは人間にも猫にも大いなる問題です。

投稿者 fuRu : 2008年09月19日 00:13

reirei さま
ピーチちゃんですね。
ペットが死んでも意外と冷静にしていると自分では思っていたのですが
豆太郎という存在がすでに家族と一緒になっていることを強く感じるようになっています。
困ったものです。

投稿者 fuRu : 2008年09月19日 00:16