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2008年09月24日

「爆笑問題のニッポンの教養」に川崎和男

[デザイン---design ]

爆笑問題のニッポンの教養」というNHKの番組はとても面白いのですが
どうしても見逃してしまう、ということで毎週自動的に録画するように設定してみたのがつい先日のことのこと。
自宅の部屋を片付けながら、本棚にあった「デジタルなパサージュ」を見て、ちょっと感じ入っていたのも数日前。
「デジタルなパサージュ」はデザインを考えるときのバイブルだったなあと思い返します。
今は季刊誌として復活している「MacPower」という雑誌には
その昔、川崎和男という人がエッセイを連載していました。
「デジタルなパサージュ」というのはそのエッセイをまとめた最初の本です。
この二つのことが期を同じくして私に訪れたという偶然に驚くばかりです。
川崎和男が爆笑問題の番組に出ていたのです。
これは、とても個人的な事件に過ぎないことではありますが、一人の人間に何かきっかけを与えるには充分過ぎる事件です。

デザインするという行為は
ともすると高度資本主義社会の
使い捨ての大量消費活動を活性化するためのものとして捉えられがちですが
実はデザインという行為にはもっと奥深いものがあることを教えてくれたのは
川崎和男のエッセイでした。

同時に、ヴィクター・パパネックの「生きのびるためのデザイン」も、デザインとは何かという基本的な問いかけをしてくれた大切な本です。

建築の設計もデザインであり、私もデザイナーでありますが
この2人の本に出会わなければ、デザインの世界に踏みとどまることはなかったかもしれません。

私は大量消費という風潮にどうしてもなじめないわけですが
建築の世界も、なんだかんだといって、実に大量消費、使い捨て、どんどん消費するようなデザインが横行しているわけで、奇抜さ、差異化、異化、というキーワードで語られるデザインは、近いうちに消費され、捨てられてしまうことでしょう。でも、仕事のオファーをうけるには、そうした世界にも手を染める必要があるのか、と自分自身に問い続ける毎日。
そんな自問自答にある種の勇気を与えてくれたのがこの2人でもあるわけです。
大量消費、高度資本主義、でも、それだけではない、もっと大きなデザインの世界で、人と人がつながって、社会に対して効能を発揮できるようなこと。それこそが建築のデザインではないかと、そんな思いを持つことが出来たのです。

爆笑問題の二人を前に語る川崎和男。
もうそろそろ還暦なんだそうで
ちっともそんな風に見えない。

デザインとは何か?

いまもって、その問いに真摯に答えようとする姿勢。変わっていません。

昔々に読んだ本ですが
今一度、川崎和男の本を読んでみようと思っています。


※新しいホームページで情報更新中!!

投稿者 furukawa_yasushi : 2008年09月24日 00:50

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コメント

今から20年ほど前、銀座松屋の6階くらいに、デザインの素敵なものたちを扱う売り場がありました。今もあるのかしら・・・。
そこでKazuo Kawasakiの白い目ざまし時計を買いました。
そぎ落とされたストイックなデザインでしたが、真四角な綺麗なボディと、文字盤の面の緩やかなカーブが際立って見えたんです。。
自分の持ち物にこだわるようになった最初のころだったと思います。
そして白いものに執着するようになったきっかけだったようにも思います。
「爆笑問題のニッポンの教養」見なかったの、悔やまれます。
本はなかなか読む気力と時間がなくて(ダメだわぁ。。)。


投稿者 羊のjun : 2008年09月24日 02:11

見ましたよ!
連続物にして欲しかった・・
私の古〜〜いパソコンモニターは彼のデザインのEIZOですが
今買い替えを検討中。

投稿者 いちよう : 2008年09月24日 09:16

羊のjunさま
本日はお邪魔いたしました。
そうでしたか、白い時計ですね。
私の方はどちらかというと彼のエッセイのフアンでした。
彼がデザインしたものを持ったことがあるかな?
CRTディスプレはどうだろう。
でも、とてもストイックですよね。
彼のデザインは私も好きです。

投稿者 fuRu : 2008年09月24日 15:16

いちようさま
見ておられましたか。
川崎和男は日本を代表するデザイナーですよね。
私もEIZOのモニター、持っていたようなおぼえが・・・
記憶があやふやですね。こまったものです。

投稿者 fuRu : 2008年09月24日 15:21

私も佐渡で見ました!!
彼と昔、LEGO/Logoのワークショップを福井で一緒にやったことがあります。
当時の彼は暴君で、口癖だったのが「福井のために死んでくれ!」でした。
そのときは「この人、何をいってるんだろう?」って思いましたが、
あとから、真摯な彼なりの表現なのだと理解でき、光栄に思いました。
タイプは違っている方がいいけど、こんなパワーのあるデザイナーが
日本にもっといたら、少しは変わるかもしれませんね。

投稿者 栗田 : 2008年09月26日 08:56

栗田さま
マックユーザー大先輩!
コメントありがとうございます。
川崎和男のエッセイは過激な論調でありながら正論をついていて切り口が新鮮でした。そういうことを成し遂げるためには凄いパワーが必要です。なんといっても、人を動かすのですから。そういう意味でも彼はリスペクトするデザイナーの筆頭にいます。

投稿者 fuRu : 2008年09月26日 10:28