« 雪 | メイン | やきい・か »

2010年01月06日

有馬先生よりご指摘をいただきました

[00-「やっぱり、木の家がほしい!」 ]

「やっぱり、木の家がほしい!」の本文について
東京大学名誉教授、宮崎県木材利用技術センター所長である有馬先生より
以下の2点についてご指摘をいただきました。

1、ヤング係数について
P234からのヤング係数の説明で、九州地方では一般的に杉材を梁材として使っているので、杉材が梁材として適さないという表現には問題があるとのご指摘です。
<回答と対応>
ヤング係数の問題は含水率の問題と同様に個体差が大きく、マツ材よりも強い杉材もあれば弱いものもある。おしなべてデータを見るとマツ材の方が強い傾向にあるとは言えるかと思います。しかし、だからといって、杉材は梁材に適さないという表現は行き過ぎかもしれません。
これに関しましては、この章を担当した私の見識が浅かったためであり、関係者の方々に誤解を生じるような表現となってしまいましたことを深くお詫びいたします。
また、有馬先生からはヤング係数が低めでも梁材の寸法を大きくすることで十分対応できるのだから、その点の説明があった方が良いというアドバイスも頂きました。
改訂版で訂正補足させていただければと思います。

2、結露と素材について
杉材が合板などに対して調湿性能の点で優れているという記述がありが、有馬先生からは結露対策は設計と施工の問題がメインであるから、素材が解決してくれるような記述は誤解をうむのではないかというご指摘を頂きました。
<回答と対応>
今回の本は、今まで木の家に設計者として関わってきた私の経験から木の家の魅力を伝えたいと思って書きました。杉材を多用した家には独特の爽快感があり、夏場の蒸し暑い日でも爽やかな室内空間が実現されます。そのことを書きたいと思って結露のことに触れましたが、素材が万能であると読める記述は設計者としては言葉が足りなかったものと反省しております。
こちらにつきましても、改訂版で出来る限り補足訂正させていただきたいと考えております。

以上の回答に対して有馬先生からは快くご了解していただきました。
見識のある方からのご指摘は大変勉強になります。
どうも、ありがとうございました。


※新しいホームページで情報更新中!!

投稿者 furukawa_yasushi : 2010年01月06日 10:30

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://af-site.sub.jp/cgi/mt/mt-tb.cgi/2013