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さて、演奏の方はどうだったかといいますと、若干の緊張はあったようにお見受けしましたが、それを越えて余りある演奏のスケールアップに、CDの発売が良いきっかけになっているのではと思ったり。私事でなんですが、私も本を出してからというもの、自分を一回り大きく客観的に見ることが出来るようになったという実感があります。本とCDとを比べるのも無理な話ですが、自分が手がけたものを社会に放り込んでみる機会というのは大切なものだと思った次第です。

さて、演奏は二部構成。第一部は岩城里江子さんと「ひゃらり」という篠笛のデュオ。篠笛デュオには、はたけやま裕さんというパーカショニストがゲストに加わり、彩りも鮮やか。

今回の企画は「ルー・タバキン・トリオと大和撫子」というタイトルがついておりまして、第一部の女性アーティストが大和撫子。見目麗しく音も華々しく、ですが、「ひゃらり」さん、初めて聞きましたがすごいテクニック。パーカッシブな篠笛とでもいうのでしょうか。デュオのコンビネーションも精巧な精密機械のようです。それでいて、アグレッシブでパッションフルな演奏。素晴らしい。
パーカショニストのはたけやまさん。この方も不勉強で知りませんでしたが、あの華奢な体からはじき出されるビートにまずはびっくり。テクニックもあり、なんだか一目惚れしてしまいそう。ググッてみると演奏活動もずいぶん活発にやられているようで、また機会があれば聞いてみたいなあと思っています。

7時半開演で一部終了が8時50分くらいだったでしょうか。15分ほどの休憩で第二部。ルーさん登場です。

柏にルーさんを聞きに来たのは今回で三回目。今までは毎回2セットづつ、たっぷり演奏してくれていたのですが、今回は1セットのみ。ですが、こんなことを言うとあれですが、今までで一番いい演奏だったのではないでしょうか。パワフルに吹き上げるブローイングスタイルは健在。70歳とは思えませんね。単調にもなりかねないトリオのサウンドを繊細なバッキングで多彩な色付けをしているベースのボーリス・コズロウさんの演奏もピカイチに冴えていました。

ルーさんの演奏に圧倒され、終演時間は10時半。第一部の充実感と共に、とっても素晴らしい、休憩はさんでの3時間でした。