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2011年06月07日

「マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則」---P.ドラッカー

[books ]

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「マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則」
著:P.ドラッカー 訳:上田 惇生 出版:ダイヤモンド社
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川島みなみさんがこの本を読んでいるというので読んでみました。私は本家の「もしドラ」は読んでいません。NHKで放送されたアニメを見て読んでみようと思ったのです。
実は、アニメ番組の各回の最後におまけとして、ドラッカーに影響された人のインタビューがありました。そのなかで誰が言っていたのか忘れてしまいましたが、ドラッカーの「経済人の終焉」という本の紹介をしていた方がおられて、その本が第二次世界大戦後、全体主義への批判として書かれているということを知り、私もドラッカーに興味を持ったのです。アンチ全体主義を根底に持った組織論。そう考えると俄然興味も湧いてきます。

さてさて、内容ですがとても実践的な本なので実務として様々なマネジメントの問題に直面している人であれば、水を得た魚のように読むことが出来るのかもしれませんが、組織と呼べるようなものに所属した経験のない私には、残念ながら理解が難しいところも数多く、読み終えるのが結構しんどかったというのが正直なところです。しかし、最後の最後に、マネジメントとは「人の強みを生産的なものにすること」という一言があり、人を大切にするマネジメント論の核心がここにあると思いました。川島みなみもこの言葉を噛み締めて高校野球部のマネージャーをやったことでしょう。

また、「マネジメントのパラダイムが変わった」という付章では、グローバル化などで組織として柔軟性が求められている現状が的確に分析されており、本書の原著が1974年に出版されてからの大きな変化にもしっかり向き合っていると感じました。そのために、「マネジメント」を35年以上前に書かれた昔の本と言って済ませられないものになっており、それはイノベーションの大切さをとくドラッカーの、まさにその姿勢が現れているのではないかと思いました。

この本の翻訳が最初に出たのが1975年。その本も版を36版まで重ねたといいます。そして、付章が加えられた今回の2001年の新訳も、私が買った本で43刷。
現代社会では様々な場面で組織で行動することが避けられない時代です。マネジメントすることの意味と意義を各人がそれぞれ模索している時代なのだと思います。



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投稿者 furukawa_yasushi : 2011年06月07日 00:45

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