« 石の上にも何年? | メイン | 7年目の「7.dd._House」 »

2011年07月20日

「<現代家族>の誕生」---岩村暢子

[books ]

110717-in-gensoukazoku.jpg

「<現代家族>の誕生」
著:岩村暢子 出版:勁草書房
amazon

変わる家族 変わる食卓」での「食ドライブ」の調査を補足するものとして「親の顔が見てみたい!」という調査が行われました。「食ドライブ」調査では崩壊した家庭の食卓が報告されたのですが、その崩壊を生んだ原因は一体なんだったのか、という問いかけから、調査対象の主婦たちの親の世代への聞き取り調査「親の顔が見てみたい!」が行われたのです。本書は、その親世代への聞き取り調査をまとめたものです。
副題は「幻想系家族論の死」。

ところで、現在放映中のNHKの連続テレビ小説「おひさま」は、戦前から戦後にかけての時代を生き抜いたひとりの女性が主人公のドラマですが、食べ物がひとつのテーマと言ってもいいくらいにドラマの重要な要素になっています。食べ物が家族を、そして人々をつないでゆくのですね。そして、ちょうど「親の顔が見てみたい!」調査は、この「おひさま」の主人公たちの次の世代が対象となっていて、「おひさま」世代と「親の顔が見てみたい!」世代の二つの世代の間に横たわる大きな距離こそがこの本のテーマなのです。
この「距離」というのは、戦争による日本という国のイデオロギーの大転換と経済の混乱によるものなのですが、その大きな距離について、この本を読みながら「おひさま」をみながら考えてしまうのでした。

というわけで、内容については触れません。
ただ、「変わる家族 変わる食卓」そして、「食ドライブ」の調査の継続報告である「家族の勝手でしょ!」を読まれた方に、この本を読んでみられることをおすすめしたいと思うのです。


※新しいホームページで情報更新中!!

投稿者 furukawa_yasushi : 2011年07月20日 07:45

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://af-site.sub.jp/cgi/mt/mt-tb.cgi/2419