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2011年08月01日

「コクリコ坂から」

[映画・ドラマ・舞台--movie/play ]

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スタジオジブリの最新作「コクリコ坂から」を家族で見てきました。

いきなり私事ですが、私の実家は新潟県中頸城郡板倉町というところ(現在は上越市板倉区)に以前あり、精肉店をやっていました。片田舎のお肉屋さんです。
私が小さい頃は、毎朝、母親が大鍋いっぱいのじゃがいもを茹でて、コロッケを揚げていました。茹でたてのじゃがいもで作った揚げたてのコロッケ、その美味しさは私にとって、今も特別な存在です。
お肉屋さんの店頭は冷蔵装置のついたガラスのケース。その足元はタイル貼りの台があって、ガラスケース越しにお客さんとのやり取りをする母親の姿が学校から帰ってくる私を迎えてくれました。

さて、映画のはじまりの方で、主人公の海がカレーライスを作るためにお肉屋さんに行くのですが、新聞部の俊の自転車の後ろに乗せられてたどり着くお肉屋さんで、俊がコロッケを二個買って二人で食べるシーンがあります。そのお肉屋さんが私の生家にそっくりでちょっとびっくりした途端に、あの小さい頃の揚げたてのコロッケの味まで私の脳裏に蘇ってきたのです。

映画を見終えて、家族でお昼を食べながら、どのシーンで泣いた?などと話している中で、私はそのコロッケのシーンで泣いたよと言ったら、どうして?と、家内と子供。
それはね、と、先程の私の小さな頃の話をしたのでした。揚げたてのコロッケです。

人生とは個々の人の体験の積み重ねです。100人いたら100個の人生が、1000人いたら1000個の人生があります。その人生の上で喜怒哀楽の感性がうまれます。でも、人は一人では生きていない。その時々で、近くにいた人たちと時間と空間を共有している。その共有の中で喜怒哀楽を共有してゆく、そして、継承してゆく。

1963年という年は私が生まれた年です。映画ではその時代の風景が丁寧に描かれています。その丁寧さが私の琴線にふれたのでしょう。

古くなったから壊すというなら
君たちの頭こそ打ち砕け!

古いものを壊すことは
過去の記憶を捨てることと同じじゃないのか!?

人が生きて死んでいった記憶を
ないがしろにするということじゃないのか!?

新しいものばかりに飛びついて
歴史を顧みない君たちに未来などあるか!?

少数者の意見を聞こうとしない君たちに
民主主義を語る資格はない!!

「コクリコ坂から」公式HP


※新しいホームページで情報更新中!!

投稿者 furukawa_yasushi : 2011年08月01日 07:00

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