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2005年10月16日

Mahler: Symphony No. 9---Bruno Walter

[音楽--music ]

Mahler: Symphony No. 9---Bruno Walter
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1938年1月16日。
今から70年近く前のウイーンフィル定期公演会の録音。

最近復刊された岩波新書の「グスタフ・マーラー」(著;柴田南雄)から引用してみよう。

この日付はワルターにとってはまことに運命的なものだった。つまり、そのわずか二ヶ月の後、ワルターがアムステルダムへの楽旅で不在中にヴィーンはヒトラーの軍隊に占領され、オーストリアはドイツに併合される。ワルターの家も財産も没収され、礼状は逮捕されるる。むろん、彼とヴィーンの歌劇場およびヴィーン・フィルとの関係は断絶した。ワルターが、その一月に行われた「第九交響曲」の演奏時に、迫りくるファシズムの足音に気付かぬはずはない。彼はこの日と前の日の演奏会が、一九三六年以来つづいて来たワルター自身とヴィーンとの良き関係の、最後のチャンスであることを充分に予感していたであろう。

1933年。ヒトラーを党首とする「ナチス党」が政権を取った直後の三月。
ユダヤ人であったワルターは、ライプツィヒ・ゲヴァントハウスでの演奏を禁止される。

ウィーンの自宅からアムステルダムのコンセルトヘボウ管弦楽団を指揮するための行き来にもドイツを通過することができなかった。

そんな時代の緊張感が、音としてこのレコードには刻まれている。
amazonのクラシックで「ワルター」と検索すると
このレコードの日本語版がトップページに出てくる。
70年近く前の録音。
もちろん、音が良い訳がない。
オーディオや音響を超えた「音楽」そのものを
このレコードから感じる人が多い、そういうことだろう。

マラーの弟子であるワルター、
そしてワルターの弟子であるバーンスタイン
強い絆をそこに感じるというと蛇足であろうか。

「アウシュビッツ」---NHK夏の特集

投稿者 yasushi_furukawa : 2005年10月16日 01:00

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