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2005年11月03日

シュトゥットガルト室内管弦楽団トリオ

[音楽--music ]

すでに昨晩になりますが、芸大の奏楽堂で行われた
シュトゥットガルト室内管弦楽団トリオの演奏会を聴きに出かけました。
「芸大の奏楽堂」を目指していったら、なんと「奏楽堂」と呼ばれている建物がふたつあって
僕は、芸大音楽部の真新しい奏楽堂の前でその事実を知って、汗をかきかき道を戻るなんていうこともありましたが
(ほんと、そそっかしいですね)
開演前には無事に席を確保できました。

さて、今回の演奏会は、今月、11月10日より、東京芸術大学 大学美術館で行われる「吉村順三展」を記念するイベントです。
今回の演奏者のなかで、ヴィオラを演奏される林徹也さんが、吉村順三さんの奥様である吉村多喜子さんにヴァイオリンを師事されたということが、本日のパンフレットに書かれていました。そういう縁で実現した演奏会ということなんでしょうね。

演奏の方は、バッハとモーツアルトにはさまれて
アルフレッド・シュニトケの弦楽三重奏曲が演奏され
たぶん、この曲が今回のメインですね。

いきなりの現代曲で、会場に詰めかけた方々はちょっとびっくりされていたようですが
緩急の激しい展開の曲の中に
よく聞いていると、パンフレットの解説にもあるように
アルバン・ベルグのヴァイオリン協奏曲を連想させるような美しいフレーズが出てきます。
調べてみますと、この曲は1985年作曲というとても新しい作品。
アルバン・ベルクの生誕百周年にちなんでベルク協会の委嘱により書かれた曲だそうです。
また、ヴァイオリンのアンケ・ディルさんはアルバン・ベルグ・カルテットに師事したということですが
これは、ちょっとこじつけになりますね。

というわけで、僕としては大変有意義な上野の夜は更けていったのでした。

それにしても、「吉村順三展」は楽しみです。
特に19日には記念シンポジウムの第一回目があって
植田実さんと藤森照信さん、松山巌さんが登場するのですが、このシンポジウムが一番楽しみです。
先日、OZONEで聞いた植田さんのお話の続きが聞けるのではないかな、とか
藤森さん、松山さんが語る吉村さんってどんなかなとか、興味は尽きませんね。

○現代音楽について、ほぼ同じ日にエントリーされたkompfさんの記事
ポリーニ ノーノを語る」は、今回の演奏会で感じたことを言葉にしてもらったような感じでした。

投稿者 yasushi_furukawa : 2005年11月03日 00:02

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コメント

fuRuさま、拙ブログへのコメント有難うございました。

旧奏楽堂で、そんなコンサートがあったとは知りませんでした。
ここのところ、興味を惹くコンサートが目白押しなのですが、なかなか行くことが出来ず、悔しい思いをしています。
このコンサートも事前に知っていたら悩んだことでしょう(笑)

シュニトケのTrioをバッハとモーツァルトの間に持ってくるプログラムにセンスの良さを感じます。
シュニトケは過去の音楽を自分の作品に積極的に取り入れた作曲家でしたし、そういう並びにすることによって、それぞれの作品の新たな魅力に気付くこともあったのではないでしょうか。
こういう、現代作品とクラシックを同列で演奏する機会がもっと増えていけばいいな。と思います。
現代作品を“聴かず嫌い”している人でも、過去とのつながりを感じることで「まんざら悪くないな」と見直すこともあるのではないかと。
音楽は他の分野と比べて、新旧の壁が厚い気がするのですが、少しずつでも、その壁を取り壊していくよい機会になるのではないかと思います。

投稿者 Kompf : 2005年11月04日 17:15

Kompfさま
先ほど、クロノスのカルテットの三番を聴き直していました。
あらためて聴くと、シュニトケというのは不思議な作曲家ですね。
うまく言葉では言えませんが、とても現代的な「構造」を持っていると思いました。
Kompfさんの言うとおり、現代作品というのは、古典と並べて演奏されて初めてその意味が浮き彫りになるような気がします。そういう意味では、バッハ以前の作品とシュニトケを一枚のレコードに収録したクロノスの意図が少しはわかったような気がします。

投稿者 fuRu : 2005年11月04日 20:25

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