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2004年11月05日
「ポートレイト・イン・ジャズ」--和田誠、村上春樹
[books ,ジャズ--jazz ,音楽--music ]
「ポートレイト・イン・ジャズ」
著:和田誠、村上春樹
ISBN:4-10-353407-9 出版:新潮社 定価:2500円(税抜き)
僕はジャズが好きだ。結構聴いている。
でも、まんべんなく聴いているわけではない。とても、かたよりがある。
この本には、26人のジャズミュージシャンが登場する。
知っている名前もあるし、相当に聴き込んだ人もいる。
一方、全然縁のなかった人の名前もいる。
なかでもビリー・ホリデイ。
僕はこれまでほとんど聴いていなかった。
どうして?
といわれても困ってしまうのだけれども
まあ、そういうこともある。
そして、僕がビリー・ホリデイを聴くきっかけとなったのが
この本なのだ。
僕は、村上春樹の文章を読んで心をつかまれたのだ。
「でもビリー・ホリデイがどれほど素晴らしい歌手かということをほんとうに知ったのは、もっと年をとってからだった。とすれば、年をかさねることにも、なにかしら素晴らしい側面はあるわけだ。」
僕も、年をとったのだ。
「ビリー・ホリデイの晩年の、ある意味では崩れた歌唱の中に、僕が聞き取ることが出来るようになったのはいったい何なのだろう?」(中略)
「ひょっとしてそれは「赦し」のようなものではあるまいか----」
と村上春樹は語りながら、それは「あまりにも深く個人的なこと」として話題から退ける。
でも、僕の心をつかんだのは、この「赦し」という言葉なのだ。
まだまだ、聴き始めたばかりだが
昔、聴いたはずの音が、まったくあたらしい音のように僕の前にあらわれることに
僕は驚きを隠せない。
ジャズの奥深さ、そしてジャズを生んだアメリカの歴史の重さ。
そうしたものが、ビリー・ホリデイの声のひとつひとつから響いてくるようだ。
音楽の奥深さがそこに具現化している、そんな出会いがビリー・ホリデイのレコードにはある。
そして、ここにもまた僕は「もうひとつのアメリカ」を聞くのだ。
※新しいホームページで情報更新中!!
投稿者 furukawa_yasushi : 2004年11月05日 11:05
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コメント
エラがいてダイナがいて、一方ケントンガールズという選択も有り得る。その中でビリーホリディになぜここまで人気があるのか
私にはよく判らない。日本人の感傷を刺激する何かを持っているのだとは思っていたが、それが「赦し」なんでしょうか?
歌手としての評価は低くてもビリーホリディナンバーは大好きです。
投稿者 kawa : 2004年11月08日 15:11
kawaさん、どうも。
僕はそもそもジャズファンだといっても、唄歌いさんにはそれほど興味がなくて
まったくの素人さんです。
良く、ビリーホリデイの歌い方は
楽器でアドリブをやっているようだ、なんて言われていますが
確かに、聴いてみるとビリーの口元から搾り出されるメロディは
チャーリーパーカーのようなひらめきに満ちています。
でも、ビリー人気の秘密がそこにあるとは思えませんが。
投稿者 古川泰司 : 2004年11月08日 15:20
殆ど楽器演奏のジャズしか聞きませんが、ビリーは大好きです。
元はブルースが好きでしたので、ビリーの歌から悲しい過去が見えるのだと思います。
藤圭子の出始めの頃に同じ感情を持ちました。彼女は家庭/家族で可也辛い過去があったようです。
歌は楽器演奏よりも難しいようです。
投稿者 maida01 : 2004年12月13日 13:23
maida01さん こんにちは
コメントありがとうございます。
maida01さんのブログにも確か和田誠さんのイラストとビリーについて書いておられましたよね。
http://music.exblog.jp/165327/
ほかにもいくつも共通のキーワードを発見しています。
ワールド・サキソフォン・カルテットもそのひとつです。
投稿者 fuRu : 2004年12月13日 13:46